胆のう炎 症状と治療方法による合併症や予後対策

胆のう炎の症状から治療法まで医療従事者向けに解説します。急性・慢性の違い、最新の診断基準、治療アプローチを詳細に解説。あなたは患者さんに適切な説明ができますか?

胆のう炎 症状と治療方法

胆のう炎の基本情報
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定義と分類

胆のうに炎症が生じた状態で、急性と慢性に分けられる

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主な症状

右季肋部痛、発熱、悪心・嘔吐が三大症状

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治療アプローチ

内科的治療と外科的治療があり、重症度に応じて選択する

胆のう炎の急性と慢性の症状と特徴

胆のう炎は胆のうに炎症が生じた状態で、急性と慢性の二つのタイプに大別されます。それぞれで症状や経過が異なるため、医療従事者は両者の違いを理解しておく必要があります。

 

急性胆のう炎の症状
急性胆のう炎は突発的に発症し、次のような特徴的な症状を示します。

  • 右季肋部痛(右の肋骨の下あたり):初期には上腹部の不快感や鈍痛として現れ、炎症の進行とともに激痛に変化します
  • 39℃以上の発熱
  • 悪心・嘔吐
  • 右肩への放散痛
  • 圧痛(マーフィー徴候陽性)

急性胆のう炎では、胆のうがむくんで腫れ、炎症の進行とともに胆のうの壁が壊死していくことがあります。症状は通常、発症から2〜3日程度で改善することが多いですが、治まらない場合は合併症の可能性があります。

 

慢性胆のう炎の症状
慢性胆のう炎は、繰り返される軽度の炎症によって胆のう壁が徐々に肥厚し、胆のう自体が収縮していく状態です。症状

  • 食後の右上腹部の鈍痛(特に脂肪分の多い食事後)
  • 軽度の消化不良感
  • 膨満感
  • 軽度の悪心

急性胆のう炎と比較すると症状は穏やかですが、長期にわたって患者のQOLを低下させる原因となります。また、慢性胆のう炎は急性発作を繰り返すこともあるため、注意が必要です。

 

胆のう炎の原因
胆のう炎の主な原因は以下の通りです。

  1. 胆石症:最も一般的な原因で、胆石が胆のう管を閉塞することで発症します
  2. 無石性胆のう炎:胆石がなくても、胆のう管の閉塞や血流障害によって発症することがあります
  3. 細菌感染:大腸菌、クレブシエラ、エンテロバクター、エンテロコッカスなどが原因菌として多いです
  4. その他:寄生虫、胆管の奇形や捻転、隣接臓器からの炎症波及などが原因となることもあります

胆のう管が閉塞するだけでなく、胆汁への細菌感染や胆のう内への膵液逆流が加わることで炎症が悪化すると考えられています。

 

胆のう炎の診断に用いる検査と重症度評価

胆のう炎を正確に診断するためには、症状の把握と共に適切な検査を行うことが重要です。医療従事者は検査結果を総合的に判断し、重症度を適切に評価することが求められます。

 

血液検査
血液検査では以下の項目が胆のう炎の診断に役立ちます。

  • 白血球数:炎症反応により増加(10,000/μL以上)
  • CRP(C反応性蛋白):陽性になる(特に急性期)
  • 肝機能検査:AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ-GTPの上昇
  • ビリルビン:閉塞性黄疸を伴う場合に上昇

特に、白血球増多とCRP陽性は胆のう炎の診断において重要な所見です。また、炎症が胆管に波及している場合には肝機能障害が顕著になることがあります。

 

画像検査
胆のう炎の診断には以下の画像検査が有用です。

  1. 腹部超音波検査
    • 胆のう壁の肥厚(4mm以上)
    • 胆のう腫大
    • 胆石の有無
    • 胆のう周囲の液体貯留
    • ソノグラフィックマーフィー徴候陽性
  2. 腹部CT検査
    • 胆のう壁の肥厚・造影効果
    • 胆のう周囲の脂肪織濃度上昇
    • 胆石の有無(X線非透過性結石の場合)
  3. MRCP(磁気共鳴胆管膵管造影)
    • 胆管系の異常(胆管結石、胆管拡張など)の評価
    • 胆のう管の閉塞状態の確認
  4. HIDA(肝胆道シンチグラフィー)スキャン
    • 胆のう管閉塞の機能的評価
    • 急性胆のう炎では胆のうが描出されない

東京ガイドラインによる重症度判定
胆のう炎の重症度は、東京ガイドライン2018(TG18)に基づいて判定されます。

  1. 軽症(Grade I)
    • 軽度の炎症所見のみ
    • 重篤な臓器障害なし
  2. 中等症(Grade II):以下のいずれかを満たす
    • 白血球数 > 18,000/μL
    • 右上腹部の腫瘤/疼痛
    • 症状持続 > 72時間
    • 限局性の腹膜刺激症状
    • 胆のう周囲膿瘍や肝膿瘍の形成
  3. 重症(Grade III):以下のいずれかの臓器障害を伴う
    • 循環障害:低血圧、昇圧剤使用
    • 神経障害:意識レベル低下
    • 呼吸障害:PaO2/FiO2比 < 300
    • 腎障害:乏尿、血清Cr > 2.0 mg/dL
    • 肝障害:PT-INR > 1.5
    • 血液障害:血小板 < 10万/μL

この重症度分類は治療方針の決定に大きく関わるため、迅速かつ正確な評価が求められます。

 

胆のう炎の内科的治療と抗菌薬選択の実際

胆のう炎の内科的治療は、特に急性期や手術リスクの高い患者において重要な役割を果たします。医療従事者は症状のコントロールと感染管理を適切に行う必要があります。

 

初期治療のアプローチ
急性胆のう炎の初期治療では以下の対応が基本となります。

  1. 絶食・輸液管理
    • 胆のうの安静を図るために絶食とします
    • 適切な水分・電解質バランスを維持するための輸液を行います
    • 必要に応じて経鼻胃管を挿入し、胃内容物を吸引します
  2. 疼痛管理
  3. 抗菌薬治療
    • 適切な抗菌薬の選択と投与は治療成功の鍵となります

抗菌薬選択の考え方
胆のう炎に対する抗菌薬は重症度や原因菌を考慮して選択します。

重症度 推奨される抗菌薬 投与期間
軽症 ペニシリン系、第1-2世代セファロスポリン系 2-3日
中等症 第3世代セファロスポリン系、フルオロキノロン系 4-7日
重症 カルバペネム系、タゾバクタム/ピペラシリン 7-14日

胆道感染症の主な原因菌は以下の通りです。

  • グラム陰性桿菌:大腸菌(最も多い)、クレブシエラ、エンテロバクター
  • グラム陽性球菌:エンテロコッカス、ストレプトコッカス
  • 嫌気性菌:バクテロイデス、クロストリジウム

特に医療関連感染の場合は、ESBL産生菌やMRSAなどの薬剤耐性菌を考慮した抗菌薬選択が必要です。

 

胆嚢ドレナージ
内科的治療で改善が見られない場合や、手術リスクが高い患者では胆嚢ドレナージが考慮されます。

  1. 経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)
    • 超音波ガイド下に経皮的に胆嚢にドレーンを留置します
    • 最も一般的な胆嚢ドレナージ法です
  2. 経皮経肝胆嚢穿刺吸引(PTGBA)
    • 胆嚢内容を穿刺吸引するのみで、ドレーン留置は行いません
    • 比較的低侵襲ですが、効果持続が短い場合があります
  3. 内視鏡的経鼻胆嚢ドレナージ(ENGBD)
    • 内視鏡を用いて十二指腸乳頭から逆行性に胆嚢内へチューブを挿入します
    • 技術的難易度が高いものの、肝障害や出血傾向がある患者でも施行可能です

ドレナージ後は、排液の性状や量、ドレーンの固定状態や屈曲の有無を定期的に確認することが重要です。排液が清澄化し、臨床症状や検査所見が改善すれば、手術治療に移行するか、ドレーンを抜去して終了します。

 

胆のう炎における外科的治療と腹腔鏡手術の進歩

胆のう炎の根本的な治療は胆嚢摘出術です。特に繰り返す胆石性胆のう炎や合併症を伴う症例では、外科的治療が第一選択となります。現在では低侵襲手術の発展により、治療成績が大きく向上しています。

 

胆嚢摘出術の適応
以下の場合に胆嚢摘出術が考慮されます。

  • 症状を伴う胆石症
  • 急性胆のう炎の症例
  • 胆嚢ポリープ(特に10mm以上)
  • 胆嚢壁の肥厚や石灰化(いわゆる磁器様胆嚢)
  • 無症状でも胆嚢・胆管結石合併例(胆嚢炎発症高リスク)

手術のタイミング
急性胆のう炎に対する手術のタイミングは、以下のように分類されます。

  1. 早期手術(発症から72時間以内)
    • 組織の炎症が比較的軽度で剥離が容易
    • 在院日数の短縮につながる
    • 東京ガイドラインでは推奨されるアプローチ
  2. 緊急手術(24時間以内)
    • 胆嚢穿孔、壊疽性胆のう炎など重篤な合併症がある場合
  3. 待機手術(炎症消退後、4-6週間後)
    • 発症から72時間以上経過した症例
    • 高度な炎症により手術が技術的に困難な場合
    • 全身状態が不良な場合

腹腔鏡下胆嚢摘出術(Lap-C)
現在、胆のう炎に対する標準術式は腹腔鏡下胆嚢摘出術です。

  • 利点。
  • 創が小さく美容的に優れる
  • 術後疼痛が少ない
  • 入院期間の短縮
  • 早期の社会復帰が可能
  • 術式の概要。
  1. 全身麻酔下に通常4カ所のポートを設置
  2. 気腹による術野の確保
  3. Calotの三角の展開と胆嚢管・胆嚢動脈の処理
  4. 胆嚢床からの胆嚢剥離
  5. 摘出胆嚢の回収・摘出
  • 技術的進歩。
  • 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術:単一の切開創から手術を行う方法
  • Reduced port surgery:ポート数を減らして低侵襲性を高める方法
  • ロボット支援手術:精密な操作が可能になり、難症例への応用

開腹胆嚢摘出術
以下の場合には開腹手術への移行や初めから開腹手術が選択されることがあります。

  • 腹腔内の高度癒着
  • 解剖学的構造の同定が困難な場合
  • 出血のコントロールが困難な場合
  • 胆嚢癌が疑われる場合
  • 患者の全身状態が腹腔鏡手術に適さない場合

術後合併症と対策
胆嚢摘出術後の主な合併症には以下のものがあります。

  1. 胆管損傷(0.1-0.6%)
    • 最も重篤な合併症の一つ
    • 予防には解剖学的構造の慎重な確認が重要
    • 疑わしい場合は術中胆道造影の実施
  2. 出血
    • 胆嚢動脈や肝床部からの出血
    • 適切な止血操作と丁寧な剥離操作が重要
  3. 術後胆汁漏
    • 副胆管や胆管損傷に起因
    • ドレーン留置と経過観察、必要に応じてERCPによるステント留置
  4. 遺残結石
    • 胆管結石の見落としに起因
    • 術前の適切な画像評価と術中胆道造影が予防に有効

これらの合併症を防ぐためには、術前の十分な評価と、術中の慎重な操作が不可欠です。特に胆嚢炎症例では解剖学的指標が不明瞭になりやすいため、critical view of safetyの確保など安全な手術のための手技の標準化が重要です。

 

胆のう炎の予防と再発防止のための患者指導

胆のう炎、特に胆石に起因するものは再発率が高いため、予防と患者指導が重要です。医療従事者は、患者の生活スタイルの改善や定期的なフォローアップを通じて、再発リスクを低減するための支援を行う必要があります。

 

胆石形成の予防
胆石形成を予防するための生活指導としては以下が重要です。

  1. 食事に関する指導
    • バランスの取れた食事を心がける
    • 過度な高脂肪食を避ける(特に飽和脂肪酸)
    • 食物繊維の摂取を増やす(特に水溶性食物繊維)
    • 定期的な食事時間を守る(不規則な食事は胆汁うっ滞を招く)
  2. 体重管理
    • 肥満は胆石形成のリスク因子
    • 適正体重の維持を指導
    • ただし、急激な体重減少も胆石形成のリスクとなるため、緩やかな減量を推奨
  3. 水分摂取
    • 適切な水分摂取を心がける(1日2L程度)
    • 胆汁の濃縮を防ぎ、胆石形成を抑制
  4. 運動習慣
    • 定期的な有酸素運動の実施
    • 週150分以上の中等度の運動が推奨される
    • 運動により胆嚢収縮が促進され、胆汁うっ滞を防ぐ

高リスク患者の管理
以下のような胆のう炎・胆石症のハイリスク患者には特に注意が必要です。

  • 女性(特に妊娠可能年齢)
  • 40歳以上
  • 肥満(BMI > 30)
  • 急激な体重減少を経験した人
  • 家族歴がある人
  • 糖尿病患者
  • クローン病や回腸切除の既往がある人
  • 溶血性貧血患者

これらのハイリスク患者には、定期的な超音波検査によるスクリーニングや、より積極的な予防策が考慮されることがあります。

 

無症候性胆石の管理
無症候性胆石を有する患者の管理方針は以下のように考えられます。

  • 基本的には経過観察が原則
  • 以下の場合は予防的胆嚢摘出を考慮
  • 径20mm以上の大きな結石
  • 胆嚢壁の石灰化(磁器様胆嚢)
  • 総胆管結石の合併
  • 免疫抑制状態の患者
  • 糖尿病患者で自律神経障害があり症状が出にくい場合

胆嚢摘出後の生活指導
胆嚢摘出後の患者に対する生活指導

  1. 食事関連
    • 術後初期(1-2週間)は低脂肪食を推奨
    • その後徐々に通常の食事に戻す
    • 少量頻回の食事が推奨される場合も
  2. 便通管理
    • 術後に下痢症状が出現することがある
    • 水溶性食物繊維の摂取を推奨
    • 必要に応じて胆汁酸吸着剤の使用を検討
  3. 術後フォローアップ
    • 創部の管理と感染兆候の確認
    • 術後の異常症状(腹痛、発熱、黄疸など)への注意喚起
    • 遺残結石の可能性があれば定期的な検査

患者教育の重要性
患者教育は胆のう炎の予防と早期発見に役立ちます。

  • 胆のう炎の症状について理解を促す
  • 症状出現時の早期受診の重要性を説明
  • 生活習慣の改善による予防効果を強調
  • 定期検診の重要性の説明

医療従事者は、これらの情報を患者が理解しやすい形で提供し、必要に応じて栄養士や理学療法士などの他職種と連携して、包括的な患者支援を行うことが求められます。適切な予防策と患者教育により、胆のう炎の発症率や再発率を低減させることができます。

 

胆のう炎と鑑別すべき疾患と見逃しやすい合併症

胆のう炎の症状は他の消化器疾患と類似していることがあり、適切な診断と治療のためには鑑別診断が重要です。また、胆のう炎に伴う合併症は重篤化すると致命的となる可能性があるため、早期発見と対応が求められます。

 

鑑別すべき主な疾患
右上腹部痛を呈する疾患には以下のようなものがあります。

  1. 急性胆管炎
    • 発熱、黄疸、右上腹部痛(シャルコー三徴)が特徴
    • 胆のう炎よりも黄疸が顕著
    • 血液検査で肝胆道系酵素の上昇が顕著
  2. 急性膵炎
    • 上腹部全体の激痛、背部への放散痛
    • 血清アミラーゼ・リパーゼの著明な上昇
    • CT検査で膵臓の腫大や周囲の炎症所見
  3. 急性肝炎
    • 全身倦怠感、食欲不振、黄疸
    • 肝機能検査でトランスアミナーゼの著明な上昇
    • 腹部超音波で胆のう異常を認めない
  4. 消化性潰瘍・十二指腸炎
    • 空腹時の痛みが特徴的
    • 制酸薬で症状が改善することが多い
    • 内視鏡検査で診断
  5. 肝膿瘍
    • 発熱、悪寒、右上腹部痛
    • CT/超音波で肝内の液体貯留像
    • 胆のう炎に続発することもある
  6. 右下葉肺炎・胸膜炎
    • 呼吸器症状(咳、痰、呼吸困難)を伴うことが多い
    • 聴診で呼吸音の異常
    • 胸部X線/CTで肺野の異常陰影

見逃しやすい胆のう炎の合併症
胆のう炎に伴う合併症には以下のものがあり、早期発見が重要です。

  1. 胆嚢穿孔(約10%)
    • 壊死性胆のう炎の進行により発生
    • 限局性または汎発性腹膜炎を引き起こす
    • 突然の腹痛増悪、腹膜刺激症状の出現が特徴
    • 緊急手術の適応となる
  2. 胆嚢周囲膿瘍
    • 限局性の穿孔により形成
    • 右上腹部の腫瘤として触知されることがある
    • CT検査で胆のう周囲の液体貯留、ガス像
    • ドレナージと抗菌薬治療が必要
  3. 胆嚢十二指腸瘻・胆嚢結腸瘻
    • 長期間の炎症により胆のうと隣接臓器との間に瘻孔を形成
    • 胆石イレウス(大きな胆石が瘻孔を通って腸管に落ち込み、腸閉塞を起こす状態)の原因となる
    • 造影CT、MRCP、内視鏡で診断
    • 外科的治療が必要
  4. 気腫性胆のう炎
    • ガス産生菌感染による特殊型
    • 糖尿病患者に多い
    • 胆のう壁内や内腔にガス像を認める
    • 急速に進行し、穿孔リスクが高い
    • 緊急手術の適応
  5. 肝膿瘍や敗血症
    • 胆道系からの菌血症により発生
    • 高熱、悪寒、ショック症状
    • 血液培養陽性
    • 適切な抗菌薬治療と感染源のコントロールが必要

高齢者や糖尿病患者における注意点
高齢者や糖尿病患者では、胆のう炎の症状が非典型的であることが多く、診断が遅れる傾向があります。

  • 高齢者では発熱や腹痛が軽微なことがある
  • 糖尿病患者では自律神経障害により痛みの知覚が低下している場合がある
  • 認知症患者では症状の訴えが乏しいことがある

これらのハイリスク患者では、わずかな症状変化にも注意を払い、積極的な画像診断を考慮する必要があります。また、これらの患者では合併症発生リスクも高いため、早期治療介入が重要です。

 

症例から学ぶ見逃しやすい胆のう炎
実際の臨床現場では、以下のような理由で胆のう炎が見逃されることがあります。

  1. 非典型的な症状提示
    • 右季肋部ではなく心窩部や背部に痛みが限局する場合
    • 発熱が顕著でない場合
    • 既存の慢性疾患の増悪と混同される場合
  2. 併存疾患による修飾
    • 心不全患者での右上腹部痛(うっ血肝による症状との混同)
    • 腎疾患患者での電解質異常に伴う消化器症状
  3. 画像診断の限界
    • 肥満患者での超音波診断の困難さ
    • 無石性胆のう炎での典型的画像所見の欠如

医療従事者は、これらの鑑別診断と合併症の可能性を常に念頭に置き、適切な診断アプローチと迅速な治療介入を心がけることが重要です。特に高リスク患者では、症状が軽微でも積極的な精査が必要です。