倦怠感と熱なしの原因と効果的な対処法

倦怠感と熱なしの原因と対処法

倦怠感が起こるメカニズムと基本的な原因

倦怠感は、適切な休息をとったにもかかわらず体がだるい、眠い、疲れが抜けない状態を指します。医学的には、体が重い、集中力がない、何をするにもやる気が出ないなどの症状として定義されます。
参考）倦怠感がひどい

 

倦怠感が発生する主な原因には以下のようなものがあります。
・過労やストレス：長時間の労働や精神的ストレスは体のリカバリー機能を損ない、倦怠感を引き起こします
参考）倦怠感があるのに熱はなし？どんな病気が考えられる？

 

・睡眠不足：十分な睡眠時間を確保できないと体の回復が妨げられます
・生活習慣の乱れ：不規則な食事、運動不足、過度なアルコール摂取は体のエネルギー代謝を乱します
・栄養不足：特にビタミンB群やミネラルの不足は疲労感を引き起こします
参考）だるさ・倦怠感の原因 症状・疾患ナビ

 

これらの要因は身体の免疫力を低下させ、様々な病気のリスクを高める要因となります。

倦怠感の背景にある主要な疾患と症状

熱がない倦怠感の原因として、遭遇頻度の高い疾患から順に以下のようなものがあります：
参考）だるい、疲れる

 

貧血による酸素不足
血液中のヘモグロビンが減少し、全身に酸素を十分に運べなくなることで重度の倦怠感が生じます。貧血は生理や鉄分不足によって起こることが多く、特に女性に多く見られます。症状として倦怠感、動悸・息切れ、めまい、顔面蒼白などが現れます。
参考）熱はないのに体がだるい

 

甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が不足することで体の代謝が低下し、エネルギー不足を引き起こします。冷え、倦怠感、無気力、下肢のむくみ、便秘などの症状が特徴的です。橋本病が主な原因となることが多く、筋肉や関節のだるさや痛みも伴います。
参考）甲状腺機能低下症が引き起こす倦怠感 - 蒲田駅前やまだ内科

 

うつ病や精神疾患
うつ病では精神的な落ち込みに加え、全身のだるさを伴うことが特徴です。食欲減退や睡眠障害などの身体的症状が見られる場合は、早めに専門医の診断を受ける必要があります。不安障害なども同様に倦怠感を引き起こします。
参考）【精神科医監修】うつ病の倦怠感の対処法は？症状が続くときの原…

 

睡眠障害
睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害などの睡眠障害は、質の高い睡眠を妨げ、日中の強い倦怠感を引き起こします。
参考）なぜ？寝ても寝ても疲れが取れない本当の原因と解消法 href="https://www.shinagawa-mental.com/othercolumn/4285/" target="_blank">https://www.shinagawa-mental.com/othercolumn/4285/amp;#82…

 

倦怠感とコロナウイルス感染症の関連性

「熱はないけど体がだるい、熱っぽい」と感じる場合、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の可能性も考えられます。倦怠感は新型コロナの代表的な症状の一つで、フランスでの調査によるとBA.5株では「だるさ」や「倦怠感」が76％の患者に認められました。
参考）だるいのはコロナ？だるさや倦怠感について解説【原因・治し方】…

 

新型コロナに感染した場合の特徴。
・初期症状：発熱がなくても倦怠感や微熱感を感じることがある
・経過：その後発熱や咽頭痛などを伴うことが多い
・後遺症：他の症状が改善しても、長期間倦怠感のみが続く場合がある
新型コロナも「感染症」であるため、ウイルスに対する体の反応として異常なだるさを伴います。外部の影響に対処するためにエネルギーを使い、「疲れている」状態となるのです。

倦怠感の効果的な改善方法と予防対策

倦怠感を改善するための対処法として、以下のような方法が効果的です。
生活習慣の改善
・十分な休息：疲れを感じたら無理をせずにゆっくりと休むことが重要です
・質の良い睡眠：入浴後の軽いストレッチ、寝る前のブルーライト制限などで心地良い眠りを確保します
・規則正しい食事：1日3食を規則正しく、栄養バランスを考えて摂取します
適度な運動の実践
軽いウォーキング、ヨガ、体操などの有酸素運動は、全身の血行を良くし、心身の疲労感を取り除きます。ストレッチやマッサージで体をほぐすことも効果的です。運動により心肺機能が鍛えられ、疲れにくくなるという長期的な効果も期待できます。
参考）倦怠感があるときの原因や診断方法について解説

 

栄養補給と食事療法
セロトニンの原料となるトリプトファンを多く含む食材（大豆製品、乳製品、バナナ、穀類）の摂取が推奨されます。朝食では和食（ごはん、味噌汁）やバナナと牛乳の組み合わせが効果的です。疲労回復に必要なビタミンB群の補給も重要です。
参考）体がだるい・眠い時の対処法は？セロトニンを取り入れよう

 

ストレス緩和法
入浴、アロマセラピー、笑うこと、指圧などがリラックス効果をもたらします。趣味による気分転換や家族・友人との会話も効果的です。
参考）あなどってはいけない疲労・倦怠感

 

倦怠感における医療機関受診の判断基準

以下の状況では医療機関での専門的な診断と治療が必要です。
受診を検討すべき症状
・1ヶ月以上にわたって倦怠感が続く場合
参考）倦怠感に加えて眠気もある場合、どのような病気の可能性がありま…

 

・生活習慣の改善を試しても症状が改善しない場合
・倦怠感に加えて以下の症状がある場合：
　- 食欲不振
　- 悪寒
　- 咽頭痛
　- 頭痛・吐き気
　- 咳・鼻水
検査と診断
医療機関では血液検査を中心に、ヘモグロビン量、甲状腺機能、肝機能、腎機能などを詳しく調べます。心電図検査や胸部X線検査により、心臓や肺の機能も評価します。
参考）貧血、倦怠感を伴う病気とは？

 

倦怠感の中には原因不明の慢性疲労症候群なども存在しますが、内科で検査を受けることで症状を引き起こす疾患を突き止めて最適な治療ができる場合が多くあります。早期発見、早期治療により、元気な毎日を過ごすことが可能になります。