低血圧の改善に効果的なサプリメントには、複数の成分が使用されています。ビタミンB群は、エネルギー代謝や神経機能に重要な役割を果たし、これらが不足すると神経伝達がスムーズに行われず、低血圧やめまい、立ちくらみの原因となります。
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ビタミンEは血行を改善する効果があり、ビタミンEが不足すると血行が悪くなるため、冷え性や肩こり、頭痛の原因となります。これらの症状は低血圧の方に併存していることが多いため、使用することで症状の改善が期待できます。
参考)低血圧
還元型コエンザイムQ10は脂肪や糖からエネルギーを産生するときに働き、細胞内にあるミトコンドリアがエネルギーを作る際の補酵素として機能します。特に心筋での効果が高いとされており、全身のエネルギー産生への効果を期待できます。
研究によると、マルチビタミン・ミネラル補給(MVMS)は血圧に対して降圧効果があることが報告されています。12の無作為化比較試験を対象としたメタ解析では、MVMSが収縮期血圧および拡張期血圧の両方に対して降圧効果を示しました。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6116168/
コエンザイムQ10に関する研究では、心血管代謝疾患患者への補給により血圧改善効果が確認されています。362人の高血圧患者を含む12の臨床試験のメタ解析では、コエンザイムQ10補給によって収縮期血圧が11~17mmHg、拡張期血圧が8~10mmHg下がったことが分かりました。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9776655/
また、カルシウム、マグネシウム、ビタミンDの補給が血圧管理において補完療法として効果的であることも示されています。これらの微量栄養素は血圧調節において中心的な役割を果たし、高血圧治療薬の効果を改善する作用もあります。
参考)https://www.mdpi.com/2072-6643/13/2/588/pdf
低血圧に効果的なサプリメントを選ぶ際は、機能性表示食品や特定保健用食品として認可されている製品を優先することが重要です。これらの製品には科学的根拠に基づいた成分が配合されており、血圧への効果が実証されています。
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鉄欠乏性貧血を併発している場合は、吸収性の高い「ヘム鉄」を含むサプリメントがおすすめです。起立性調節障害は鉄欠乏性貧血との合併により症状がひどくなっているケースもあるため、鉄分の摂取が重要になります。
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コエンザイムQ10を選ぶ場合は、「還元型」のものを選択することが推奨されます。還元型は体内への吸収が良いため、より効果的にエネルギー産生をサポートできます。
参考)FANCL 還元型コエンザイムQ10 90日分 サプリメント…
サプリメントと医薬品の併用については注意が必要です。コエンザイムQ10やEPAなどのサプリメント自体にも降圧作用があるとされ、ACE阻害薬などの降圧剤と一緒に飲む場合、血圧が過度に下がる可能性があります。
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低血圧の治療においては、市販の漢方薬も選択肢の一つです。苓桂朮甘湯は水分の巡りを改善して水毒を取り去ることでめまいや立ちくらみの症状を改善し、半夏白朮天麻湯は胃腸機能を改善することで症状を改善します。
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サプリメントの摂取量については、推奨される1日の目安量を守ることが大切です。過剰摂取は副作用のリスクを高める可能性があるため、製品の指示に従って適切に使用しましょう。
最新の研究では、ハーブ系サプリメントの血圧への効果も注目されています。フェノール化合物を豊富に含むハーブサプリメントは、心血管疾患に対する保護効果があることが実証されており、高血圧対策として食事に取り入れることが提案されています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9332300/
黒大豆やあずき豆の抽出物も、レニン-アンギオテンシン系を調節することで血圧降下効果を示すことが動物実験で確認されています。これらの豆類由来の生理活性成分は、様々な生物活性成分により健康に有益とされています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8305714/
ニュートラシューティカル(栄養機能性食品)の分野では、ビタミンC、D、E、カルシウム、マグネシウムなど6つの栄養素が血圧降下に効果があることが系統的レビューとメタ解析により示されています。これらの栄養素は、正常血圧の集団においても最適な血圧達成に有益である可能性があります。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10574336/