急性膵炎の診断には、特徴的な症状と検査結果が重要になります[11]。主な症状としては、上腹部の激しい痛みがあり、吐き気や嘔吐を伴うことが多いです[9][13]. 痛みの程度は、軽度から耐え難いほどの激痛まで様々です。
診断基準としては、以下の3つのうち2つ以上を満たす必要があります:
これらの基準に加え、他の膵臓疾患や急性腹症を除外することが重要です。急性膵炎は、症状が時間とともに変化するため、早期に重症度を判断し、適切な治療を選択することが求められます.
急性膵炎の治療は、重症度に応じて異なります[9][12]. 軽症の場合は、絶飲食と十分な輸液投与が基本となります[13]. 痛みに対しては鎮痛薬を使用し、膵臓を安静に保つことが重要です[9].
重症の場合、集中治療が必要となることがあります. 膵臓の炎症が全身に波及し、腎臓や呼吸器などの多臓器不全を引き起こすことがあるためです. そのため、呼吸・循環モニタリングを行いながら、初期輸液や鎮痛薬、蛋白分解酵素阻害薬などを投与します. 感染を防ぐために、抗生物質が使用されることもあります.
看護ケアとしては、患者さんの状態を注意深く観察し、症状の変化に迅速に対応することが重要です. 痛みの緩和や精神的なサポートも、患者さんの回復を助ける上で欠かせません.
急性膵炎は、時に門脈血栓症という合併症を引き起こすことがあります[3]. これは、膵臓の炎症が血管に影響を与え、血栓ができてしまう状態です。小児の急性膵炎の症例でも報告されており、注意が必要です[3].
予防策としては、急性膵炎の原因となる飲酒を控えることが重要です。また、胆石が原因となる場合は、胆石の治療を検討する必要があります。日頃からバランスの取れた食生活を心がけ、適度な運動を行うことも、膵臓の健康を保つ上で大切です。
急性膵炎の治療方針について
慶應義塾大学病院の医療・健康情報サイト。急性膵炎の段階に応じた治療について解説。
急性膵炎を経験された方は、再発防止のために生活習慣を見直すことが重要です。まず、アルコールの摂取は完全に控えるべきです。喫煙も膵臓に悪影響を与えるため、禁煙を推奨します。
食生活では、高脂肪食を避け、消化の良い食事を心がけましょう。一度に大量の食事を摂るのではなく、少量ずつ回数を分けることも有効です。また、十分な水分補給も重要です。
定期的な検査も欠かせません。血液検査や画像検査を通じて、膵臓の状態をチェックし、再発の兆候を早期に発見することが大切です。医師や栄養士と相談しながら、ご自身の状態に合わせた生活習慣を確立しましょう。
MSDマニュアル家庭版の急性膵炎の治療に関する情報
MSDマニュアル家庭版。急性膵炎の治療に関する一般的な情報を提供。