ステロイド補充中の患者が「なんとなく元気がない」——それ、副腎クリーゼの前兆かもしれません。

副腎は左右の腎臓上部に位置する小さな内分泌器官で、重量は片側わずか約4〜5gほど(親指の第一関節くらいの大きさ)です。外層の副腎皮質と内層の副腎髄質に大別されます。
副腎皮質はさらに3層構造をとります。球状層からアルドステロン(鉱質コルチコイド)、束状層からコルチゾール(糖質コルチコイド)、網状層からDHEA・DHEA-S(副腎アンドロゲン)がそれぞれ分泌されます。つまり、コルチゾールだけでなく電解質調節ホルモンも同時に欠乏するのが原発性の特徴です。
「原発性」とは副腎皮質そのものの病変による機能低下を指します。これに対して下垂体のACTH分泌不全が原因のものを「続発性(二次性)」、視床下部のCRH分泌不全によるものを「三次性」と呼びます。鑑別は治療方針・予後に直結するため、この分類は基本中の基本です。
関連)https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/adrenal_dysfunction/
| 分類 | 障害部位 | ACTH値 | アルドステロン欠乏 |
|---|---|---|---|
| 原発性(アジソン病等) | 副腎皮質 | ↑高値 | ✔ あり |
| 続発性 | 下垂体 | ↓低〜正常 | ✘ 通常なし |
| 三次性 | 視床下部 | ↓低〜正常 | ✘ 通常なし |
原発性ではアルドステロンも欠乏するため、低ナトリウム血症・高カリウム血症・脱水・低血圧が顕著に現れます。これが鑑別の重要な鍵になります。
関連)https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/ifqvzya396
難病情報センター:アジソン病(指定難病83)の診療ガイドライン概要
欧米では原発性副腎不全の約90%が自己免疫性副腎炎(=アジソン病)です。 日本では結核性も一定数を占め、油断は禁物です。
関連)https://note.com/rich_lemur2209/n/n446f867278bc
主な病因を整理します。
関連)https://www.nanbyou.or.jp/entry/206
関連)https://www.nanbyou.or.jp/entry/206
関連)https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/adrenal_dysfunction/
関連)https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/ifqvzya396
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つまり多様な病因があるということですね。
感染症原因の場合、副腎はCTで「腫大・石灰化」を伴うことが多い一方、自己免疫では「萎縮」します。画像所見だけでも病因推定の手がかりになります。
MSDマニュアル プロフェッショナル版:アジソン病の病因・診断・治療
原発性副腎不全の症状は「特異性がなく」、風邪や過労と混同されやすいのが最大の難点です。早期発見が難しい疾患の代表格といえます。
関連)https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/adrenal_dysfunction/
典型的な症状は以下の通りです。
色素沈着は原発性副腎不全の重要なサインです。ACTH高値のためACTHのN端に含まれるMSH(メラノサイト刺激ホルモン)活性が増大し、メラニン産生が亢進します。口腔粘膜(歯肉・頬粘膜)、手のひらのシワ、外陰部、瘢痕部位に色素沈着がみられます。
関連)https://www.nanbyou.or.jp/entry/206
注目すべきは、副腎皮質の予備能が約90%失われるまで症状が顕在化しない点です。残り10%の機能でギリギリ維持している状態で、感染症や外科手術などの身体的ストレスが加わると急性副腎クリーゼに陥ります。これが厳しいところですね。
血液検査では「低Na・高K・低血糖・好酸球増多」という組み合わせが診断の糸口になります。低Na+高Kという電解質異常はアルドステロン欠乏を示し、原発性の鑑別に有用です。
関連)https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/adrenal_dysfunction/
済生会:原発性副腎皮質機能低下症(アジソン病)の症状・診断・治療
疑いを持ったら、まず早朝空腹時血中コルチゾールとACTH同時測定が基本です。原発性では「低コルチゾール+高ACTH」が特徴的所見です。
診断確定にはACTH負荷試験(ACTH刺激試験)を用います。合成ACTH(テトラコサクチド)250μgを静脈内投与し、30〜60分後のコルチゾール応答を見ます。健常者では血中コルチゾールが18μg/dL以上に上昇しますが、副腎不全では反応が低下します。
病因確定のための追加検査として、抗副腎抗体(抗21-ヒドロキシラーゼ抗体)測定が有用です。自己免疫性ならば60〜70%で陽性になります。 結核性が疑われる場合には胸部X線・副腎CTを施行します。結核による副腎は初期に腫大し、慢性期に石灰化を伴うのが特徴です。これは使えそうです。
関連)https://www.nanbyou.or.jp/entry/206
多腺性自己免疫症候群(APS)との合併も念頭に置き、甲状腺機能・血糖・性腺機能の評価も行います。特に自己免疫性副腎炎の場合、APSタイプ1(Candida感染・副甲状腺機能低下症・副腎不全の三徴)またはタイプ2(副腎不全+自己免疫性甲状腺疾患+1型糖尿病)の鑑別が重要です。
関連)https://www.nanbyou.or.jp/entry/206
難病情報センター:アジソン病の診断基準・重症度分類(最新改訂版)
治療の基本はホルモン補充療法です。コルチゾール欠乏にはヒドロコルチゾン(1日15〜25mg、2〜3分割投与)が標準です。アルドステロン欠乏には鉱質コルチコイドであるフルドロコルチゾン(0.05〜0.1mg/日)を追加します。これが原則です。
日常的なストレス管理として「シックデイルール」の指導が不可欠です。発熱・嘔吐・下痢・外科手術などの際にはコルチゾール補充量を通常の2〜3倍に増量するよう、患者本人と家族に徹底して教育します。嘔吐で内服できない場合は筋肉内注射(ヒドロコルチゾン100mg)が必要です。
関連)https://oogaki.or.jp/endocrine/adrenal-gland/acute-adrenal-insufficiency/
副腎クリーゼが疑われる場合の初期対応は以下の通りです。
関連)https://oogaki.or.jp/endocrine/adrenal-gland/acute-adrenal-insufficiency/
重要なのは「疑ったら迷わず治療開始」という原則です。ヒドロコルチゾン投与前に採血(コルチゾール・ACTH)できれば理想ですが、クリーゼでは検査結果を待たずに治療を優先します。副腎クリーゼは生命に関わる内分泌緊急症です。
関連)https://oogaki.or.jp/endocrine/adrenal-gland/acute-adrenal-insufficiency/
長期管理では患者への「副腎不全手帳(steroid emergency card)」の携帯指導、定期的な補充量の見直し、骨密度・代謝への影響評価も必要です。日々の服薬管理や患者教育の質がそのまま予後を左右する疾患です。
関連)https://note.com/rich_lemur2209/n/n446f867278bc
あなたの口内炎放置で2週間後に紹介状です。
口内炎で最初に迷ったとき、候補になるのは耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、内科です。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の一般向け情報では、2週間以上治らない口内炎や口の中の異常がある場合は耳鼻咽喉科専門医の受診を勧めています。結論は早期振り分けです。
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参考になる受診判断の根拠です。耳鼻咽喉科と口腔がんの関係が簡潔です。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会|口内炎、口の中の違和感、お悩みの方は耳鼻咽喉科へ
もっとも重要なのは「2週間」です。通常の口内炎は1週間から10日ほどで治ることが多く、2週間以上続く場合は口腔がんを含めた鑑別が必要と、耳鼻咽喉科学会や国立がん研究センター系情報で一貫して示されています。2週間が原則です。
危険サインは、治らないだけではありません。白斑、赤斑、しこり、硬結、出血、ただれの拡大、飲み込みにくさ、話しにくさ、顎下リンパ節腫脹などが並ぶ場合は要注意です。痛みが弱くても安心できません。意外ですね。
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口腔がんの症状整理に役立つ公的情報です。赤白変化やしこりの説明が明確です。
国立がん研究センター がん情報サービス|口腔がん
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国立がん研究センター がん情報サービス|口内炎・口内の乾燥 もっと詳しく
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