リスペリドンには明確に定められた絶対禁忌疾患が存在し、これらの患者には投与してはならない。
昏睡状態の患者 🚫
昏睡状態にある患者への投与は、昏睡状態を悪化させるおそれがあるため絶対禁忌とされている。リスペリドンの中枢神経抑制作用により、意識レベルのさらなる低下を招く可能性がある。
中枢神経抑制剤併用患者 💊
バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者では、中枢神経抑制作用が増強される危険性がある。特に以下の薬剤との併用は避けるべきである。
アドレナリン併用患者 ⚡
アドレナリンを投与中の患者(アナフィラキシーの救急治療、歯科領域の麻酔を除く)では、アドレナリンの昇圧作用を逆転させ血圧降下を引き起こす可能性がある。
過敏症既往歴のある患者 🔍
本剤の成分及びパリペリドンに対し過敏症の既往歴のある患者では、重篤なアレルギー反応を引き起こす可能性がある。
心血管系疾患を有する患者では、リスペリドンの投与により重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、慎重な投与が必要である。
心血管系疾患・低血圧患者 ❤️
一過性の血圧降下があらわれることがあるため、以下の患者では特に注意が必要。
QT延長リスク患者 📊
リスペリドンはQT延長を引き起こす可能性があるため、以下の患者では心電図モニタリングが必要。
心電図に異常があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う必要がある。
神経系疾患を有する患者では、リスペリドンの薬理作用により症状の悪化や新たな神経症状の出現リスクが高まる。
パーキンソン病・レビー小体型認知症 🧠
これらの疾患では、ドパミン受容体遮断により症状が悪化する可能性が高い。特に以下の点に注意。
てんかん・痙攣性疾患 ⚡
リスペリドンは痙攣閾値を低下させるおそれがあるため、以下の患者では慎重投与が必要。
投与中は抗てんかん薬の血中濃度モニタリングや、痙攣発作の有無を定期的に確認する必要がある。
薬剤性パーキンソニズム 🤖
リスペリドンの特徴的な副作用として、薬剤性パーキンソニズムがある。症状には以下が含まれる。
肝腎機能障害を有する患者では、リスペリドンの代謝・排泄が影響を受けるため、用量調整や慎重な経過観察が必要である。
肝機能障害患者 🏥
肝機能障害のある患者では、リスペリドンの代謝が遅延し血中濃度が上昇する可能性がある。
定期的な肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP)の実施が推奨される。
腎機能障害患者 💧
腎機能障害のある患者では、活性代謝物の排泄が遅延する可能性。
クレアチニンクリアランスに応じた用量調整が必要な場合がある。
糖尿病・代謝異常 📈
リスペリドンは血糖値に影響を与える可能性があるため、以下の患者では注意が必要。
定期的な血糖値、HbA1cの測定が推奨される。
特殊な患者群では、リスペリドンの投与に際して特別な配慮と判断基準が必要となる。
妊娠・授乳期の女性 👶
妊婦又は妊娠している可能性のある女性では、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
妊娠期のリスク。
授乳期のリスク。
小児患者 👦
小児期自閉スペクトラム症の易刺激性に対して、5歳以上18歳未満の患者に適応が認められている。ただし以下の点に注意。
高齢者 👴
高齢者では以下の理由により慎重投与が必要。
認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)に対する使用では、脳血管障害のリスク増加が報告されており、特に注意が必要である。
自殺企図リスク患者 ⚠️
自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者では、症状を悪化させるおそれがあるため慎重投与が必要。定期的な精神状態の評価と、家族・介護者への注意喚起が重要である。
リスペリドンの投与開始時や用量変更時には、特に自殺リスクの評価を行い、必要に応じて入院管理や頻回の外来フォローを検討する必要がある。
医療従事者向けの詳細な添付文書情報については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医薬品情報検索で最新情報を確認することが重要である。