けいれんが止まらなくても「まだ5分経っていないから様子見」と判断すると、脳に取り返しのつかない障害が残ることがあります。

てんかん重積状態(Status Epilepticus:SE)は、かつて「けいれん発作が30分以上続くか、反復し意識回復がないまま30分以上続く状態」と定義されていました(ILAE 1981年分類)。しかし、この定義は現場での治療開始を遅らせるリスクをはらんでいます。
関連)https://www.alfresa-pharma.co.jp/general/tenkan/status/index.html
現在は2つの時間軸(t1・t2)で理解するのが標準です。
つまり「5分で治療開始・30分で脳への器質的障害リスク」が基本です。
関連)https://www.takeda.co.jp/patients/tenkan-juseki/
2015年のILAE新定義では、SEを「発作停止機構の破綻、あるいは異常に遷延する発作を引き起こす機構が惹起された状態」と病態生理学的に再定義しています。「何分以上」という時間だけで判断するのではなく、発作が自己停止できない病態そのものを指す概念に変わりました。これは重要な転換です。
また、注意すべき点として「けいれん重積」という言葉は医学的に正しくありません。正確には「てんかん重積(状態)」であり、病名ではなく病態として扱われます。
参考:ILAEによる最新のてんかん重積状態の定義と病態生理学的解説
てんかん重積 Status epilepticus – 医學事始 いがくことはじめ
てんかん重積状態は大きく2種類に分類されます。
関連)https://www.alfresa-pharma.co.jp/general/tenkan/status/index.html
| 分類 | 特徴 | 見落としリスク |
|---|---|---|
| けいれん性SE(CSE) | 全身強直間代発作など、目に見えるけいれんを伴う | 低い(視認可能) |
| 非けいれん性SE(NCSE) | けいれんなし・意識障害のみが続く | 高い(脳波なしでは診断困難) |
NCSEは意識障害の原因として深刻です。けいれんが目に見えないため、「意識がおかしい」「ぼーっとしている」という状態が持続しているだけに見えることがあります。原因不明の意識障害では、診断のために脳波モニタリングを考慮することが推奨されています(推奨度2)。
関連)https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=104
NCSEは軽度から重度まで幅広い意識障害の程度をとりえます。ICUや救急外来での「なんとなくおかしい患者」の中に、NCSEが隠れているケースは少なくありません。意識障害=鎮静薬の影響、と決めつけるのは危険です。
NCSEは早期発見できれば予後が改善できるケースもあります。原因不明の意識障害には「まずEEG(脳波)」という意識を持つことが、脳へのダメージを防ぐ第一歩になります。
参考:NCSEの診断・治療方針の詳細
非痙攣性てんかん重積状態 | 症状、診断・治療方針まで(ClinicalSup)
治療の遅れがアウトカムを直接左右します。以下に、現在のガイドラインに基づく標準的なタイムラインを整理します。
関連)https://cir.nii.ac.jp/crid/1390023262162633344
| 経過時間 | ステージ名 | 推奨される対応 |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 前重積状態(Premonitory SE) | 経過観察・発作記録・補助的処置(気道確保など) |
| 5〜20分 | 早期SE(Early SE) | ベンゾジアゼピン系薬剤の投与(ジアゼパム・ロラゼパム・ミダゾラムなど) |
| 20〜60分 | 確立したSE(Established SE) | 第二選択薬(ホスフェニトイン・バルプロ酸・ラコサミドなど)の静注 |
| 60分〜 | 難治性SE(Refractory SE) | 全身麻酔・ICU管理・持続脳波モニタリング |
難治性SE(Refractory SE)に至ると、プロポフォールやミダゾラムの持続静注、さらには超難治性SE(Super-refractory SE:24時間以上)まで進展するリスクもあります。早期介入の意義は数字で理解できます。
参考:小児・成人のけいれん・てんかん重積状態の最新治療プロトコル
小児けいれん重積・てんかん重積の最新治療(Radio Nikkei / UpToDate資料)
てんかん重積状態が起こる原因は、既知のてんかん患者の「怠薬」だけではありません。意外に多い誘因を以下に示します。
関連)https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0810.html
特に注意が必要なのは、てんかんの既往がない患者に初めてSEが起こるケースです。脳卒中・脳炎・自己免疫性脳症などが隠れていることがあります。「てんかん患者ではないから重積はないはず」という思い込みは危険です。
抗NMDA受容体脳炎など、自己免疫性脳症に伴うSEは、抗てんかん薬への反応が乏しく、免疫療法が奏効するケースがあります。難治性SEで原因不明の場合は、自己免疫性疾患のスクリーニングが重要な判断になります。
これは見逃せないポイントです。
医療現場で見落とされがちな視点があります。「5分未満の発作への先制投与」の是非です。
関連)https://cir.nii.ac.jp/crid/1390023262162633344
近年の報告では、てんかん重積状態に移行しやすい高リスク発作(群発発作・遷延性発作)に対しては、5分に達する前に治療を開始する「FAST(First Aid for Seizure Termination)」という概念が提唱されています。
関連)https://cir.nii.ac.jp/crid/1390023262162633344
具体的には以下の2つのシナリオが対象です。
従来の「5分待ってから投与」という考え方だと、すでに発作停止機構が崩壊しかかっている状態に後手を踏む可能性があります。「5分ルールを守ること」が最善ではなく、患者ごとの発作パターンと高リスク因子を考慮した個別判断が求められます。
これが原則です。
また、患者の家族や施設スタッフへの教育も医療従事者の役割です。ミダゾラム口腔内投与(バッカル投与)や、ジアゼパム坐剤による院外での早期投与が可能になっている現在、「病院に着く前に何ができるか」を処方段階で共有しておくことが、SEによる脳障害を防ぐ最大の防衛線になります。
参考:てんかん重積状態に移行するおそれのある発作への迅速治療(FASTの提案)
参考:てんかん診療ガイドライン2018(日本神経学会)
てんかん診療ガイドライン2018 – 日本神経学会
| 旧用語(1981年分類) | 新用語(2017年分類) |
|---|---|
| 単純部分発作 | 焦点意識保持発作 |
| 複雑部分発作 | 焦点意識減損発作 |
| 二次性全般化発作 | 焦点起始両側強直間代発作 |
| 精神発作 | ※廃止(認知発作・情動発作に統合) |
| 認知障害発作 | ※廃止 |
あなたがいつもの「ミオクローヌス診療」を続けると、見逃し1件で賠償額が数千万円になります。
ミオクローヌスは「てんかん性」「生理的」「本態性」「症候性」「心因性」に大別され、それぞれ背景となる原因がかなり異なります。 睡眠時の入眠時ミオクローヌスやしゃっくりなどの生理的ミオクローヌスは、健康成人でも日常的に見られる現象であり、異常のサインとは限りません。 一方で、代謝性脳症や低酸素性脳症、薬剤性脳症に伴うミオクローヌスは、可逆性であっても数時間〜数日の遅れが生命予後や転帰に直結します。 つまり「たかがピクつき」と軽視すると、背後の致死的疾患の発見が数日遅れることになります。 結論は「まず分類してから考える」です。
関連)https://www.shindan.co.jp/view/2561/pageindices/index7.html
臨床現場で遭遇するミオクローヌスは、全不随意運動のうち決して稀ではないものの、明確な頻度データは限られており、実感値としては震戦やジストニアに次ぐ印象です。 特に総合内科外来や救急では、入眠時の生理的ミオクローヌスと、薬剤性・代謝性ミオクローヌスが混在しているため、問診と身体診察だけで「どこまで詰めるか」判断が難しい場面が多いでしょう。 このため、ミオクローヌスを見たときに「どこまで深掘りするか」を決めるトリアージ思考が重要になります。 つまり「すべて精査」では現実的に回らないということですね。
関連)https://miyake-naika.com/01sindan/fuzuii.html
ミオクローヌスの原因疾患は、多系統萎縮症やアルツハイマー病などの変性疾患、肝不全や腎不全などの全身疾患、低ナトリウム血症や非ケトン性高血糖などの代謝異常、さらにてんかん性疾患や遺伝性疾患まで多岐にわたります。 それぞれの頻度は施設や診療科により大きく異なりますが、一般内科外来では「薬剤性・代謝性・生理的」の3つでかなりの割合を占める印象です。 してみると、最初に押さえるべきは「生命予後に直結しうる代謝・中毒・低酸素」と「見逃すと訴訟インパクトが大きい感染性・変性疾患」と言えます。 つまり重症度と見逃しリスクで優先度を決めるということです。
この部分の日本語での詳しい原因リストとして、MSDマニュアルの専門家向け表が参考になります。
関連)https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/multimedia/table/%E3%83%9F%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8C%E3%82%B9%E3%81%AE%E4%B8%BB%E3%81%AA%E5%8E%9F%E5%9B%A0
ミオクローヌスの主な原因一覧(MSDマニュアル)
代謝性脳症に伴うミオクローヌスは、肝不全、急性腎不全や透析症候群、低ナトリウム血症、低血糖、非ケトン性高血糖など、検査すればすぐに拾える項目が多く含まれます。 例えば低ナトリウム血症では、ナトリウム濃度が130mEq/Lを切るあたりから意識障害や不随意運動が目立ち始めることがあり、Na120mEq/L前後では錯乱や痙攣、ミオクローヌスが出現しても不思議ではありません。 イメージとしては、500mLペットボトルの水にスプーン1杯の塩を入れるかどうかで味が大きく変わるように、血中ナトリウム濃度もわずかな変化で神経症状が急激に悪化し得ます。 つまり「採血だけで助かるミオクローヌス」も多いということです。
肝不全や腎不全でも、アンモニアや尿毒素が脳に蓄積することでミオクローヌスを含む不随意運動が出現します。 肝性脳症を例に取ると、アンモニア値が100μg/dLを超えるあたりから意識レベル低下や羽ばたき振戦が目立ちますが、その前後で不規則なミオクローヌスを呈することもあります。 これは東京タワーの高さ(約333m)のうち、上部の10mだけが大きく揺れているようなイメージで、全体としては立っているのに、ある部分だけが不自然に動いている状態です。 つまり代謝性ミオクローヌスは「臓器不全の黄色信号」です。
関連)https://www.shindan.co.jp/view/2561/pageindices/index7.html
非ケトン性高血糖に伴うミオクローヌスや舞踏病様運動も、糖尿病患者の多い一般内科外来では見逃したくないポイントです。 血糖値が600mg/dL前後まで上昇しても、自覚症状が「なんとなくだるい」程度にとどまる症例がある一方で、家族からは「急に右手だけピクピク動く」「片側の手足が妙な動きをする」と訴えられることがあります。 これは、サッカーボール1個分の重さ(約400〜450g)の砂糖が、体内で余分に循環しているような状態をイメージするとわかりやすいかもしれません。 高血糖なら違反になりません。
こうした代謝・電解質異常が疑われる場合、外来5分でできるスクリーニングとしては、バイタル、意識レベル、脱水徴候、服薬内容の確認に加え、血糖・電解質・腎機能・肝機能をセットでオーダーしておくのが現実的です。 特に高齢の多剤内服患者では、利尿薬やACE阻害薬、ARB、SSRIなどが微妙な電解質バランスの変化を引き起こし、そこに脱水や感染が重なることでミオクローヌスが顕在化することがあります。 こうした場面のリスクを減らしたい場合、電子カルテの「不随意運動」オーダーセットに、電解質と腎・肝機能をテンプレート登録しておくと、入力の手間を増やさずに標準化できます。 つまりテンプレート運用が基本です。
関連)https://www.shindan.co.jp/view/2561/pageindices/index7.html
薬剤性ミオクローヌスは、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬(三環系やSSRI)、抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン、バルプロ酸など)、オピオイド、ペニシリンやセファロスポリン系の抗菌薬など、多くの「よく使う薬」で起こり得ます。 この点は「ミオクローヌス=神経内科疾患」というイメージを持つ医療従事者の常識と大きくズレやすい部分です。 意外ですね。
例えばオピオイドでは、用量依存性にミオクローヌスが出現することが知られており、がん性疼痛の緩和目的で投与量が1.5倍〜2倍に増量されたタイミングで、不随意運動や意識変容が急に目立ち始めるケースがあります。 患者さんや家族から見ると「薬を増やしたら急にピクピクし始めた」という明確な時間的関連があり、ここで薬剤性の可能性に気づかずに「原因不明のミオクローヌス」として放置すると、後々の説明責任が重くのしかかります。 つまり薬歴確認が原則です。
抗菌薬でも、特に腎機能低下症例におけるペニシリン系・セファロスポリン系の蓄積は、痙攣やミオクローヌスのリスクを高めることが知られています。 eGFRが30mL/分/1.73m²を切る領域では、添付文書上の減量基準を上回る投与を行うと、48〜72時間のうちに不随意運動や意識障害が出現してもおかしくありません。 これは、高速道路で制限速度100km/hのところを、少しなら大丈夫と120km/hで走り続けていたら、気づけば違反点数が一気に溜まっていた、というようなイメージに近いかもしれません。 つまり「少しのオーバー」が積み重なると危険です。
関連)https://www.shindan.co.jp/view/2561/pageindices/index7.html
医療訴訟の観点から見ると、「薬剤性ミオクローヌスを疑わなかった」こと自体よりも、「増悪時に薬歴と腎機能を確認していなかった」「添付文書に沿った減量をしていなかった」ことが問題視されやすい傾向があります。 この点は、患者さんの立場から見ても直感的に理解しやすく、「調べればわかったはず」という印象を強めてしまいます。 つまりチェックリスト化が条件です。
こうしたリスクへの対策としては、不随意運動や意識変容が出た時点で、電子カルテ上の「警告ポップアップ」や「用量・腎機能アラート」を活用し、薬剤性の可能性を半自動的に提示する仕組みを整えるのが有効です。 特に大規模病院では、臨床意思決定支援システム(CDSS)に「ミオクローヌス・意識障害+特定薬剤+腎機能低下」のコンボが出たらアラートを出すルールを組み込むことで、個々の医師の経験値に依存しない安全網を作れます。 それで大丈夫でしょうか?
ミオクローヌスの薬剤性・中毒性については、MSDマニュアル家庭版の薬剤リストが簡潔で参照しやすいです。
関連)https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/09-%E8%84%B3%E3%80%81%E8%84%8A%E9%AB%84%E3%80%81%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E9%81%8B%E5%8B%95%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E3%83%9F%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8C%E3%82%B9
ミオクローヌスと薬剤の関連(MSDマニュアル)
変性疾患や感染症に伴うミオクローヌスは、診断がついた時点で既に不可逆的なダメージを負っていることが多く、早期の気づきが重要になります。 代表的なものとして、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、アルツハイマー病、多発性硬化症、各種認知症に伴うミオクローヌスが挙げられます。 特にCJDでは、「驚愕ミオクローヌス」と呼ばれる、音や光、突然の触覚刺激などにより誘発される全身のミオクローヌスが特徴的で、初期症状の1つとして知られています。 つまり「ビクッとしすぎる驚き方」は要注意サインです。
関連)https://miyake-naika.com/01sindan/fuzuii.html
CJDの年間発症率は人口100万人あたり約1例前後とされ、日本の人口規模で見ると年間100人程度の希少疾患に過ぎませんが、見逃しや診断遅延が法的・倫理的なインパクトを生みやすい代表例です。 例えば、70歳前後の患者で数週間〜数か月の経過で急速に進行する認知機能低下と、刺激誘発性のミオクローヌスが出現している場合、「高齢だから認知症」で片付けてしまうと、家族説明や感染対策の面で後から大きな問題になります。 このようなケースでは、MRI拡散強調画像での皮質リボン状高信号や基底核病変、脳波での周期性同期性放電、髄液の特異的バイオマーカーなどを早期に検討する必要があります。 結論は「ミオクローヌス+急速進行性認知症=CJDを一度は疑う」です。
関連)https://miyake-naika.com/01sindan/fuzuii.html
アルツハイマー病やその他の変性認知症でも、病期が進行するとミオクローヌスが出現することがあります。 ここで重要なのは、「認知症の末期にはそういうもの」として見過ごさず、突然の増悪や片側優位、刺激誘発性の変化がないかを観察することです。 例えば、いつもは穏やかな不随意運動だったものが、ある日を境に「音にびくっと飛び上がるような動き」に変化した場合、基礎疾患の進行だけでなく、新たな中枢神経感染症や代謝性異常の合併を示唆することがあります。 つまり「パターンの変化」に敏感であることが条件です。
感染症関連では、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、単純ヘルペス脳炎、感染後脳炎などがミオクローヌスの原因になり得ます。 特に小児や若年者で、発達退行やてんかん性ミオクローヌスを伴う場合、早期ミオクロニー脳症や進行性ミオクローヌスてんかんなどの難治性てんかん症候群も鑑別に挙がります。 こうした疾患は、診断がついた時点で根治的治療が難しいことが多いものの、家族への説明と将来の見通しを早期に共有することで、支援体制や在宅医療の準備を前倒しするメリットがあります。 つまり「治せないが、早く知る意味は大きい」ということですね。
関連)https://www.shouman.jp/disease/details/11_26_075/
進行性ミオクローヌスてんかんや早期ミオクロニー脳症の病因については、小児慢性特定疾病情報センターの解説が詳しいです。
関連)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000134981.pdf
進行性ミオクローヌスてんかんの概要(厚生労働省)
早期ミオクロニー脳症の概説(小児慢性特定疾病情報センター)
ミオクローヌスの原因として、「生理的」と「心因性」はしばしば軽視されますが、過剰検査や不要な入院を避ける意味では非常に重要なカテゴリーです。 生理的ミオクローヌスには、入眠時ミオクローヌス、不安誘発性ミオクローヌス、運動誘発性ミオクローヌス、しゃっくり(吃逆)などが含まれ、厳密には毎日どこかで目にしている現象と言えます。 例えば、入眠時ミオクローヌスは健康成人の約60〜70%で経験されるという報告もあり、「ベッドでうとうとした瞬間に体がビクッと動いて目が覚める」という訴えは、問診で丁寧に聞き出すと非常に多いものです。 つまり「珍しい症状だから精査」という発想だけでは過剰医療になりかねません。
関連)https://www.shindan.co.jp/view/2561/pageindices/index7.html
心因性ミオクローヌスは、Marsdenらの分類でも独立したカテゴリーとして扱われており、動きのパターンや状況依存性、分散性などが器質性のミオクローヌスとは異なる特徴を持ちます。 典型的には、特定の場面や人前でのみ出現し、他の場面ではほとんど見られない、動きが過度に整然としている、注意をそらすと軽減する、といった特徴があります。 これは、演奏会で緊張すると手が震えるが、1人で練習しているときはほとんど震えない、という状況をイメージするとわかりやすいかもしれません。 結論は「文脈と場面で見分ける」です。
関連)https://www.shindan.co.jp/view/2561/pageindices/index7.html
ここで重要なのは、生理的・心因性と判断したからといって「問題なし」と突き放さない姿勢です。 生理的ミオクローヌスの頻度が増えている背景には、睡眠不足、カフェイン過多、ストレス、向精神薬の変更など、介入可能な因子が潜んでいることが多く、これらを調整することで患者の困り感を軽減できます。 心因性の場合も、安易に「ストレスですね」で終わらせず、症状の具体的なトリガーや生活上の困難を一緒に言語化し、必要に応じて心療内科や精神科との連携を提案することが大切です。 つまり「器質性ではない=対応不要」ではありません。
実務的な対策としては、外来でのミオクローヌス評価を「①明らかな危険シグナル(急速進行・全身状態不良・意識障害)」「②薬剤性・代謝性を疑う所見」「③生理的・心因性の可能性が高い」の3つに分け、それぞれに対応する検査・フォローアップ計画をあらかじめ作っておくことが役立ちます。 例えば、③に分類した症例では、「1〜2か月後に再診時の症状変化を確認する」「生活習慣や服薬状況を1枚のメモにまとめてもらう」といった行動目標を設定し、患者と共有することで、不要な検査を減らしつつ、見逃しへの不安も軽減できます。 こうしたフローは院内カンファレンスや勉強会で共有し、若手医師にも使いやすい形のチェックリストとして配布すると運用しやすくなります。 〇〇に注意すれば大丈夫です。
関連)https://miyake-naika.com/01sindan/fuzuii.html
最後に、忙しい外来や救急で「ミオクローヌス 原因」を5分でざっとスクリーニングするための実践的な視点を整理します。 ここでのゴールは、すべてを診断しきることではなく、「見逃すと致命的・訴訟リスクの高い原因」を短時間でふるい落とし、必要な症例だけを精査ルートに回すことです。 つまりトリアージ思考が基本です。
関連)https://miyake-naika.com/01sindan/fuzuii.html
1つめのステップは、「時間軸」と「全身状態」の確認です。 数時間〜数日の急性発症で、意識障害や発熱、敗血症徴候、重度の脱水がある場合、代謝性・感染性・低酸素性の原因を最優先で疑います。 この段階で、血糖・電解質・腎機能・肝機能・CRPをセットで採血し、必要に応じて頭部CTやMRI、髄液検査の可否を検討します。 〇〇が原則です。
2つめのステップは、「薬歴」と「腎機能」のチェックです。 抗てんかん薬、抗うつ薬、抗精神病薬、オピオイド、抗菌薬、抗ヒスタミン薬などが増量または新規開始されていないか、直近1〜2週間の変化に注目して確認します。 その上で、eGFRが30mL/分/1.73m²以下なら「減量または中止の検討ゾーン」として、添付文書や腎機能別用量表を確認します。 つまり「薬+腎機能」で1セットです。
3つめのステップは、「パターン」と「誘因」の観察です。 安静時か運動時か、意図的動作で増悪するか、驚愕刺激で誘発されるか、片側か両側か、顔面・上肢・下肢のどこが優位か、といった基本的な所見を押さえます。 特に「驚愕ミオクローヌス」が疑われる場合は、CJDなどの変性疾患や重篤な脳症を念頭に、神経内科への早期紹介や入院精査を検討します。 どういうことでしょうか?
関連)https://miyake-naika.com/01sindan/fuzuii.html
4つめのステップとして、「生理的・心因性の可能性」を最後に検討します。 入眠時や特定の姿勢・場面に限られているか、症状が出ているときに注意をそらすと軽減するか、1日の中で強い時間帯が決まっているか、といった情報を確認することで、精査が必要なケースと経過観察でよいケースを分けやすくなります。 ここで大切なのは、「心因性かもしれない」と感じた時ほど、基礎疾患や薬剤性のチェックを丁寧に行うことです。 厳しいところですね。
このようなフローを実装する具体的な方法としては、電子カルテのテンプレートや救急外来のチェックシートに、上記の4ステップをそのまま落とし込み、「ミオクローヌス」入力時に自動的に表示されるようにしておくのが有効です。 また、院内の勉強会やブログ記事を通じて、こうした実践的な視点を共有することで、若手医師や他職種との認識ギャップを減らし、チーム全体としての見逃しリスクを下げる効果も期待できます。 〇〇だけ覚えておけばOKです。
関連)https://www.credo-m.co.jp/column/detail/marketing/5830/
医療者向けに疾患解説ブログを書く際の構成や注意点については、医療者ブロガーによる解説記事が参考になります。
関連)https://note.com/keiyouwhite/n/n5c1c31e80b31
クリニック向け疾患解説ブログの書き方(Credo Medical)
医療者向けブログ戦略の基礎知識(外科医けいゆう)
あなたが日常診療で特に困っているのは、救急当直でのミオクローヌス症例ですか、それとも慢性期外来での高齢者の不随意運動でしょうか。
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