レベチラセタム錠500mgの添付文書において、重大な副作用として特に注意すべき項目が明記されています。
中毒性表皮壊死融解症(TEN)・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
薬剤性過敏症症候群(DIHS/DRESS)
重篤な血液障害
汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、好中球減少、血小板減少といった重篤な血液障害が報告されています。臨床症状として出血傾向、発熱、咽頭痛などが現れることがあります。
国内臨床試験においても、好中球数減少(3.2%)、血小板数減少(4.0%)が確認されており、定期的な血液検査による監視が重要です。
添付文書に記載されている副作用発現頻度は、国内臨床試験結果に基づいて分類されています。
3%以上の高頻度副作用
1-3%未満の中頻度副作用
頻度不明の副作用
錯乱状態、敵意、気分動揺、神経過敏、人格障害、精神運動亢進、舞踏アテトーゼ運動、嗜眠、てんかん増悪、強迫性障害が含まれています。
レベチラセタム錠500mgの神経系副作用は、その薬理学的特性と密接に関連しています。添付文書では、神経系副作用について詳細な記載があります。
傾眠関連の副作用
傾眠は用量依存的に発現する傾向があり、1000mg/日投与群で13.9%、3000mg/日投与群で9.9%と報告されています。
精神・行動面の副作用
レベチラセタムの特徴的な副作用として、攻撃性や自殺企図といった重篤な精神症状があります。添付文書では「攻撃性、自殺企図」として重大な副作用に記載されています。
認知機能への影響
これらの副作用は特に高齢者や認知症患者において注意が必要であり、添付文書でも高齢者への慎重投与が推奨されています。
添付文書には、腎機能障害患者における薬物動態の変化と副作用リスクについて詳細な記載があります。
腎機能障害時の副作用リスク
レベチラセタムは主に腎排泄される薬剤のため、腎機能障害時には血中濃度が上昇し、副作用リスクが増大します。
腎機能に応じた用量調整が必要で、添付文書では以下の投与量が推奨されています。
肝機能障害時の注意点
添付文書において「肝不全、肝炎」が重大な副作用として記載されています。症状として全身倦怠感、食欲不振、黄疸などが現れる可能性があります。
ALP増加(3%以上)、肝機能異常(1-3%未満)が報告されており、定期的な肝機能検査が推奨されます。
添付文書には、小児を対象とした国内第III相試験の結果が詳細に記載されており、成人とは異なる副作用プロファイルが示されています。
小児における高頻度副作用
国内小児試験(151例)における主な副作用。
成人と比較して鼻咽頭炎の発現頻度が高く、小児特有の易感染性が関与していると考えられます。
小児における特異的副作用
小児の用量調整と副作用
小児では体重あたりの用量(20-60mg/kg/日)で投与され、体重50kg以上では成人と同様の用量(1000-3000mg/日)が適用されます。用量調整は2週間以上の間隔をあけて20mg/kg以下ずつ行うことが推奨されています。
小児においても成人と同様の重大な副作用(中毒性表皮壊死融解症、薬剤性過敏症症候群等)のリスクがあるため、添付文書に基づいた慎重な観察が必要です。
レベチラセタム錠500mgの添付文書情報を活用した適切な副作用管理により、安全で効果的な抗てんかん療法の実現が可能になります。医療従事者は添付文書の内容を十分に理解し、患者の状態に応じた個別化医療を実践することが重要です。