ネオキシテープ経皮吸収型過活動膀胱治療剤使用法

ネオキシテープは、オキシブチニン塩酸塩を経皮から吸収させる過活動膀胱治療薬です。その正しい使用方法や副作用、注意点について詳しく解説します。医療従事者として知っておくべきポイントは何でしょうか?

ネオキシテープ過活動膀胱治療薬基本情報

ネオキシテープの概要と特徴
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有効成分と作用機序

オキシブチニン塩酸塩がムスカリン受容体を遮断し排尿筋過活動を改善

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適応症

過活動膀胱における尿意切迫感・頻尿・切迫性尿失禁の治療

経皮吸収型製剤の利点

安定した血中濃度維持により副作用を低減しコンプライアンス向上

ネオキシテープ有効成分特徴

ネオキシテープ73.5mgは、オキシブチニン塩酸塩を有効成分とする経皮吸収型の過活動膀胱治療剤です 。オキシブチニン塩酸塩は、膀胱のムスカリン受容体を選択的に遮断することで排尿筋の過活動を抑制し、過活動膀胱症状を改善します 。この薬剤は久光製薬のTDDS(経皮薬物送達システム)技術を用いて開発され、従来の経口剤と比較して安定した血中濃度を維持できることが特徴です 。
参考)https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067821

 

抗コリン作用により、尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁といった過活動膀胱の主要症状に対して効果を発揮します 。薬効分類番号は2590で、経皮吸収型過活動膀胱治療剤に分類され、1枚あたりの薬価は135.1円となっています 。
参考)https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med_product?id=00067821

 

ネオキシテープ適用部位貼付方法

ネオキシテープは下腹部、腰部、大腿部のいずれか1箇所に1日1回貼付し、24時間毎に貼り替える用法が基本です 。貼付部位は毎回変更することが重要で、同じ位置に続けて貼ることで皮膚トラブルを引き起こすリスクがあります 。入浴前後の貼り替えが推奨されており、傷口や湿疹・皮膚炎のある部位、ベルトライン部分への貼付は避けるべきです 。
参考)https://www.hisamitsu-pharm.jp/medicalsupport/guidance/neoxy/sizai04.pdf

 

貼付前には皮膚の水分や汗を十分に取り除き、清潔で乾燥した状態で貼付することが適切な薬物吸収のために必要です 。患者への指導では、テープを貼る位置を毎日変更する方法を具体的に説明し、皮膚症状の予防に努めることが医療従事者の役割です。

ネオキシテープ副作用皮膚症状対策

ネオキシテープの最も頻度の高い副作用は適用部位皮膚炎で、承認時臨床試験では46.6%の患者に発現が認められています 。適用部位紅斑、適用部位そう痒感、適用部位湿疹なども報告されており、これらの皮膚症状は貼付部位を適切に変更することである程度予防可能です 。
参考)https://clinicalsup.jp/jpoc/DrugInfoPdf/00061746.pdf

 

全身性の副作用として、口内乾燥(8.4%)、便秘(2.1%)、傾眠、浮動性めまいなどの抗コリン作用に関連した症状が現れることがあります 。重大な副作用として血小板減少や麻痺性イレウスが報告されているため、定期的な観察と適切な患者管理が必要です 。医療従事者は患者に皮膚症状の早期発見と報告を指導し、必要に応じて貼付中止や治療変更を検討する必要があります。

ネオキシテープ禁忌事項相互作用

ネオキシテープには複数の重要な禁忌事項が設定されています。尿閉患者では抗コリン作用により症状が悪化するおそれがあるため投与禁忌です 。閉塞隅角緑内障、重篤な心疾患、腸管閉塞や麻痺性イレウス、胃腸アトニー、重症筋無力症の患者にも禁忌とされています 。
参考)https://medpeer.jp/drug/d2177

 

相互作用では、抗コリン作用を有する薬剤(三環系抗うつ剤、フェノチアジン系薬剤、MAO阻害剤)との併用により抗コリン作用が増強される可能性があります 。CYP3A4阻害薬(ケトコナゾール、イトラコナゾール等)との併用では本剤の血中濃度が上昇し、口内乾燥や便秘などの副作用リスクが高まります 。医療従事者は患者の併用薬を十分に確認し、相互作用による副作用の増強に注意を払う必要があります。

ネオキシテープ臨床効果データ特性

承認時の臨床試験では、プラセボと比較してネオキシテープの有効性が統計学的に証明されています 。1日あたりの平均排尿回数では、プラセボ群の-1.44回に対しオキシブチニン群では-1.89回の改善が認められ(p=0.0015)、尿意切迫感回数でもプラセボ群-1.51回に対しオキシブチニン群-1.92回の改善効果が確認されました(p=0.0069)。
薬物動態では、経皮吸収により最高血中濃度到達時間(tmax)が18.0時間と長く、半減期(t1/2)は15.3±2.9時間となっており、安定した血中濃度が維持されることが示されています 。この安定した薬物動態により、経口剤と比較して副作用の軽減と患者のコンプライアンス向上が期待できる特徴があります 。長期使用データでは、422例での検討において排尿回数、尿意切迫感、切迫性尿失禁すべてで持続的な改善効果が認められています 。
参考)https://www.pmda.go.jp/drugs/2013/P201300037/65003400_22500AMX00881_B100_1.pdf

 

医療用医薬品添付文書情報(KEGG MEDICUS)
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067821
久光製薬医療関係者向け製品情報サイト
https://www.hisamitsu-pharm.jp/product/dl/neoxy-735/
患者向け薬剤情報(くすりのしおり)における使用方法と注意事項の詳細
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=37147