アデノウイルス大人症状診断治療法感染予防

大人のアデノウイルス感染症について症状の特徴から診断、治療、予防方法まで詳しく解説。職場復帰時期も含めて分かりやすく説明していますが、適切な対応法をご存知ですか?

アデノウイルス大人症状

アデノウイルス感染症の主要症状
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発熱

38-39℃の高熱が4-5日間続く特徴的な症状

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結膜炎

目の充血、目やに、まぶたの腫れが出現

🫗
咽頭炎

喉の痛み、扁桃腺の腫れ、首のリンパ節腫脹

アデノウイルス感染初期症状と潜伏期間

アデノウイルス感染症は約5~7日(最大12日)の潜伏期間を経て症状が現れます。初期症状として最も特徴的なのは突然の高熱で、38~39℃の発熱が4~5日間続くことが多いです。この発熱は弛張熱と呼ばれ、1日のうちに40℃から37℃の間を上下する特徴があります。
参考)https://www.kenei-pharm.com/general/learn/disinfection/7152/

 

咽頭炎による喉の痛みも代表的な初期症状で、扁桃腺の腫れや赤み、白苔の付着が見られます。頭痛や食欲不振、全身倦怠感も併発し、日常生活に大きな支障をきたすことが多いです。
参考)https://soujinkai.or.jp/himawariNaiHifu/adult-adenovirus/

 

また、アデノウイルスは80種類以上の血清型が存在するため、感染する型によって症状の現れ方が異なります。このため、複数回感染する可能性があり、成人でも注意が必要です。
参考)https://www.itabashi.med.nihon-u.ac.jp/search/term/140

 

アデノウイルス大人特有の症状パターン

大人のアデノウイルス感染では、子どもと比較して症状の重篤度や持続期間に違いが見られます。成人の場合、呼吸器症状として咳や鼻水、鼻詰まりが強く現れることが多く、時には喉頭炎やクループ、気管支炎に進行する場合もあります。
消化器症状も特徴的で、嘔吐や下痢、腹痛が現れることがあります。特に腹痛は激しく、胃腸炎症状が主体となるケースも報告されています。血尿を伴う出血性膀胱炎も大人に見られる特徴的な症状の一つです。
参考)https://cotovia-clinic.com/column/249/

 

首の後ろのリンパ節腫脹も大人の症状として注意すべき点で、触診で痛みを伴う腫れが確認できることが多いです。これらの症状は個人差があり、すべてが同時に現れるわけではないため、流行状況を考慮した診断が重要です。

アデノウイルス結膜炎症状と診断

アデノウイルス感染症で最も特徴的な症状が結膜炎です。「流行り目」とも呼ばれ、片眼から始まって両眼に広がることが多いパターンを示します。結膜の充血は下側を中心に現れ、大量の目やにや涙が産生されます。
まぶたの著明な腫れも特徴的で、時には目が開けにくくなるほど腫脹することがあります。羞明(光をまぶしく感じる)や目の痛み、異物感も訴える患者が多く、日常生活に大きな支障をきたします。
診断は迅速検査により15分程度で結果が判明し、目や咽頭からの検体採取で行います。結膜炎症状は5~8日目に最も強くなり、約2週間かけて徐々に改善していきます。角膜にまで炎症が波及すると症状が長期化するため、早期の適切な対応が重要です。
参考)https://oshiete-dr.net/pdf/20240314adenovirus.pdf

 

アデノウイルス感染重症化リスクと合併症

大人のアデノウイルス感染では、免疫状態や基礎疾患の有無により重症化リスクが変わります。特に呼吸器症状が悪化し、肺炎に進行するケースが報告されています。高齢者や免疫力が低下している患者では、より注意深い観察が必要です。
出血性膀胱炎は大人特有の合併症で、血尿や排尿時痛が強く現れることがあります。また、脱水症状も重要な合併症の一つで、高熱の持続と食事摂取困難により水分バランスが崩れやすくなります。
まれではありますが、髄膜炎や脳炎などの中枢神経系合併症の報告もあり、意識障害や痙攣が見られた場合は緊急対応が必要です。これらの重篤な合併症を予防するためにも、症状の変化を注意深く観察し、適切なタイミングで医療機関を受診することが重要です。

 

厚生労働省の感染症発生動向調査によると、アデノウイルス感染症の重症例は全体の約5-10%で発生しており、特に成人では呼吸器合併症の頻度が高いことが示されています。

 

厚生労働省:感染症発生動向調査について

アデノウイルス感染治療法と職場復帰基準

アデノウイルス感染症に対する特効薬は存在せず、対症療法が治療の中心となります。発熱に対しては解熱鎮痛薬を使用し、脱水予防のための十分な水分摂取が重要です。咽頭痛が激しい場合は、うがい薬や局所麻酔薬を含有した薬剤が症状緩和に有効です。
結膜炎症状に対しては、抗炎症点眼薬や人工涙液の使用が推奨されます。細菌感染の二次的な合併を防ぐため、必要に応じて抗菌薬の点眼も検討されます。症状が重篤な場合は、ステロイド点眼薬の使用も検討されますが、ウイルス感染の増悪を避けるため慎重な判断が必要です。

 

職場復帰については法的な隔離期間の規定はありませんが、感染拡大防止の観点から症状改善まで休養することが望ましいです。一般的に発熱が解熱してから48時間以降、かつ全身状態が良好になった時点での復帰が推奨されます。ただし、ウイルスの排泄は3~4週間続くため、復帰後もマスク着用などの感染対策が必要です。
参考)https://kids-doctor.jp/magazine/xyni100qjkli

 

国立感染症研究所のガイドラインでは、医療従事者の場合は特に厳格な基準が設けられており、症状完全消失後72時間の経過観察期間が推奨されています。

 

国立感染症研究所:アデノウイルス感染症について