ゾーミッグ錠とゾーミッグRM錠の両製剤には、有効成分としてゾルミトリプタン2.5mgが含まれています。この成分は5-HT1B/1D受容体作動薬に分類され、片頭痛の病態生理に関与するセロトニン受容体に選択的に作用します。
参考)https://www.sawai.co.jp/release/detail/000509.html
ゾルミトリプタンの作用機序は二つの主要なメカニズムから構成されています。
参考)https://uchikara-clinic.com/prescription/zomig/
第二世代トリプタン製剤として位置づけられるゾルミトリプタンは、第一世代と比較して体内への吸収率が改善されており、中枢移行性も良好です。未変化体の約半分を占める活性代謝物の存在により、効果の持続時間が延長されているのも特徴の一つです。
参考)https://www.ne.jp/asahi/kobayashi/children-clinic/triptan_table.htm
RM錠の「RM」は「Rapid Melt(速やかに溶ける)」の略称で、口腔内速溶錠として設計された製剤です。この製剤技術には以下の工夫が施されています:
製剤技術の詳細 📋
参考)https://kuwana-sc.com/brain/226/
RM錠は片頭痛治療薬では初めての口腔内速溶錠として開発され、片頭痛発作時の利便性を大幅に向上させました。水なしでも服用できるという特性は、片頭痛の随伴症状である悪心・嘔吐を伴う場合や、外出先での急な発作時に特に有効です。
参考)https://sokuyaku.jp/column/zolmitriptan-zomig.html
ただし、効果を最大化するためには水での服用が推奨されており、薬が溶けた唾液は必ず飲み込む必要があります。また、製剤の性質上、通常錠よりもかさばる場合があることも考慮すべき点です。
両製剤の用法・用量は基本的に同一であり、成人には1回2.5mgを片頭痛発作時に経口投与します。しかし、服用方法には明確な違いがあります:
通常錠の服用方法
RM錠の服用方法
服用タイミングについては、両製剤とも片頭痛の前兆期や頭痛の軽い段階での早期服用が効果的とされています。24時間以内の再投与は可能ですが、最大投与量は10mg(4錠)までに制限されています。
効果発現時間は通常錠、RM錠ともに服用後約1-2時間で最高血中濃度に達し、持続時間は他のトリプタン製剤と比較して長めです。
両製剤の副作用プロファイルは基本的に同一であり、ゾルミトリプタンに特徴的な有害事象が報告されています:
参考)https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00048534
中枢神経系 🧠
循環器系
消化器系
ゾルミトリプタンは他のトリプタン製剤と比較して、締め付け感やふわふわ感がやや多く報告される傾向があります。これは未変化体とその活性代謝物による中枢移行性の高さに関連すると考えられています。
重要な禁忌として、虚血性心疾患、脳血管疾患、末梢血管障害を有する患者には使用できません。また、重篤な肝機能障害や腎機能障害患者への投与も避ける必要があります。
医療現場でのゾーミッグ錠とRM錠の使い分けは、患者のライフスタイルと片頭痛の特徴を考慮して決定します。
通常錠が適している患者
RM錠が有効な患者
患者指導において重要なポイントは、RM錠使用時でも可能な限り水での服用を推奨することです。また、溶解後の唾液の確実な嚥下と、味覚に対する個人差があることの説明も必要です。
薬剤の保管については、RM錠は湿気に敏感であるため、開封後は速やかに使用し、適切な保管環境を維持することが重要です。
ジェネリック医薬品として、ゾルミトリプタンOD錠2.5mg「トーワ」などが販売されており、医療経済的な観点からの選択肢も提供されています。
参考)https://med.towayakuhin.co.jp/medical/product/product.php?id=00000000000000000001269
沢井製薬によるゾーミッグ製造販売承認承継の詳細情報
ゾーミッグの効果と副作用に関する専門的解説
ゾルミトリプタンの薬理作用と治療効果についての詳細情報