あなたのβ遮断薬選び、徐脈を長引かせます。
関連)http://saigaiin.sakura.ne.jp/sblo_files/saigaiin/image/EFBC94E38080CEB2E981AEE696ADE896AC.pdf

β遮断薬は「β1選択性」「ISAの有無」「付加作用」で整理すると、臨床判断がかなり速くなります。β1選択性は主に心臓のβ1受容体への選択性を示し、気管支収縮や末梢血管収縮といったβ2関連の副作用を減らす方向に働きます。ここが基本です。
関連)https://www.phamnote.com/2017/02/blog-post_27.html
ISAはIntrinsic Sympathomimetic Activity、つまり内因性交感神経刺激作用です。β遮断薬なのに、交感神経緊張が低い場面では受容体をわずかに刺激する性質を持つ、という理解で十分です。つまり二面性です。
関連)https://pharmacista.jp/contents/skillup/academic_info/cardiology/802/
この違いが効いてくるのは、心拍数をしっかり落としたいのか、それとも落としすぎを避けたいのかという場面です。ISA陽性薬は心拍出量を減少させすぎにくく、高齢者や徐脈傾向の患者で話題に上がりやすい一方、ISA陰性薬は狭心症、頻脈、心筋梗塞後、心不全の文脈で評価されやすいです。結論は使い分けです。
関連)https://yakumedical.com/isa-beta-blocker/5600/
日本語で整理すると、β1選択性かつISA陽性の代表薬としてはセリプロロール、過去にはアセブトロールが挙げられます。非選択性でISA陽性なのはカルテオロールやピンドロールです。ここは混同しやすいです。
関連)https://yakuzaic.com/archives/84306
一方、β1選択性かつISA陰性としてはビソプロロール、アテノロール、メトプロロール、ベタキソロールがよく並びます。現場では「β1選択性あり」だけで安心しがちですが、ISAの有無まで見ないと、求める作用とずれることがあります。ISA確認が先です。
関連)https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00062629
セリプロロールの添付文書では、効能は本態性高血圧症、腎実質性高血圧症、狭心症で、通常量は高血圧で1日1回100〜200mg、狭心症で1日1回200mg、いずれも最高用量は400mgです。しかも空腹時は食後投与より最高血漿中濃度が約2倍に上昇すると記載されており、服薬タイミングの説明が実務上かなり重要です。服薬指導向きです。
関連)http://saigaiin.sakura.ne.jp/sblo_files/saigaiin/image/EFBC94E38080CEB2E981AEE696ADE896AC.pdf
参考になる添付文書です。用量、禁忌、慎重投与、相互作用まで確認できます。
セリプロロール塩酸塩錠100mg「CH」添付文書
「β1選択性があれば喘息でも大丈夫」と覚えるのは危険です。セリプロロールの添付文書でも、気管支喘息や気管支痙攣のおそれのある患者は慎重投与ですし、過量投与時の症状としても気管支痙攣が明記されています。これは例外というより、選択性には限界があるという理解が正確です。選択性は万能ではありません。
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一方で、β1選択性薬は非選択性薬より喘息リスクを下げる方向にあり、日本語の実務解説でも、セリプロロール、メトプロロール、アテノロール、ビソプロロール、ベタキソロールなどは「禁忌」ではなく「慎重投与」と整理されています。非選択性薬やαβ遮断薬と同列に扱うと、必要な治療機会を逃す可能性があります。つまり線引きが必要です。
関連)https://yakuzaic.com/archives/84306
ここで読者にとってのデメリットは、β1選択性だけを見て処方・提案し、徐脈、喘鳴、低血圧、マスクされた低血糖を見落とすことです。セリプロロールの添付文書でも、血糖降下薬との併用で低血糖症状のマスキング、NSAIDsで降圧作用減弱、ベラパミルやジルチアゼムで徐脈・房室ブロック増強が示されています。併用確認が条件です。
関連)http://saigaiin.sakura.ne.jp/sblo_files/saigaiin/image/EFBC94E38080CEB2E981AEE696ADE896AC.pdf
高血圧診療では、β遮断薬は昔の感覚で「まず使う薬」と考えないほうが安全です。JSH2019では第5章の降圧治療でβ遮断薬を各種降圧薬の1項目として扱い、さらにCQ6として「積極的適応がない高血圧に対して、β遮断薬であるカルベジロールやビソプロロールは第一選択薬として推奨できるか」を独立して設けています。位置づけは限定的です。
関連)https://yakuzaic.com/archives/84306
この構成自体が示しているのは、β遮断薬は「どの高血圧にも機械的に入れる薬」ではなく、心不全、虚血性心疾患、頻脈、周術期など文脈で選ぶ薬だということです。医療従事者向けの記事では、この位置づけを入れるだけで内容の信頼感が一段上がります。ここは差がつきます。
関連)https://yakuzaic.com/archives/84306
また、JSH2019は第7章で気管支喘息およびCOPDを、第12章で周術期のβ遮断薬使用を別立てで扱っています。つまり、β1選択性とISAは薬理学の暗記事項ではなく、合併症別マネジメントにつながる実務タグだと捉えると、記事全体が読みやすくなります。整理軸が大切です。
関連)https://yakuzaic.com/archives/84306
参考になるガイドラインの目次ページです。β遮断薬の位置づけや関連CQの確認に使えます。
Minds 高血圧治療ガイドライン2019
検索上位の記事は「ISAとは何か」で止まりがちですが、実務では「何を残し、何を捨てる薬か」で覚えるほうが使えます。ISA陽性薬は、完全にブレーキを踏む薬ではなく、アクセルを少し残したブレーキというイメージです。たとえ話だと伝わります。
関連)https://pharmacista.jp/contents/skillup/academic_info/cardiology/802/
そのため、徐脈ぎみで脈拍を極端に落としたくない、安静時の心拍出量低下を避けたいという場面では発想に合いやすいです。反対に、心拍数を確実に抑えたい、虚血再発予防や心不全予後改善を重視したい場面では、ISA陽性がむしろ邪魔になることがあります。意外ですね。
関連)https://yakumedical.com/isa-beta-blocker/5600/
記事にこの視点を入れると、単なる薬理まとめではなく「なぜこの患者でその薬なのか」を説明できます。処方意図の言語化が狙いなら、リスクは何か、狙いは何か、候補はどれか、の順に1行メモを残す運用が有効です。メモ化が基本です。
関連)https://pharmacista.jp/contents/skillup/academic_info/cardiology/802/
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