アルピニー座薬100の副作用 添付文書の詳細解説

アルピニー座薬100の副作用について添付文書から詳しく解説。重大な副作用や頻度の低い症状まで網羅し、医療従事者が知っておくべき安全情報をまとめました。患者への適切な服薬指導に役立つ情報をお探しではありませんか?

アルピニー座薬100の副作用 添付文書の詳細解説

アルピニー座薬100の重要情報
⚠️
重大な副作用

ショック、アナフィラキシー、劇症肝炎など生命に関わる副作用

📋
頻度別副作用

低体温、下痢、発疹など頻度に応じた副作用分類

🩺
臨床的対応

副作用発現時の適切な対応と患者指導

アルピニー座薬100の重大な副作用と添付文書記載内容

アルピニー座薬100(アセトアミノフェン100mg)の添付文書では、重大な副作用として以下の症状が記載されています。

 

ショック・アナフィラキシー(頻度不明)

  • 症状:呼吸困難、全身潮紅、麻疹、顔面蒼白、冷汗
  • 対応:使用を中止し、直ちに医師の診療を受ける必要がある

劇症肝炎・肝機能障害・黄疸(頻度不明)

  • 症状:全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目の黄染、吐き気
  • 検査値:AST、ALT、γ-GTP上昇
  • 特記事項:アセトアミノフェンの過量投与により重篤な肝機能障害が発現するおそれ

中毒性表皮壊死融解症(TEN)・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)・急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)

  • 症状:皮膚の発赤、眼の充血、発熱、粘膜の発赤・びらん、紅斑

喘息発作の誘発(頻度不明)

  • 症状:息苦しさ、喘鳴(ヒューヒュー音)、呼吸困難
  • 特に気管支喘息の既往がある患者では注意が必要

顆粒球減少症(頻度不明)

  • 症状:のどの痛み、発熱
  • 血液検査による定期的な監視が重要

薬剤性過敏症症候群(頻度不明)

  • 症状:発疹、発熱
  • 遅発性の過敏反応として現れることがある

アルピニー座薬100の頻度別副作用と添付文書の分類

添付文書における副作用の頻度分類は、承認時及び承認時以降の副作用調査に基づいて記載されています。

 

発現頻度が明確な副作用(承認時データ:6555例中)

  • 低体温:4件(0.06%)- 最も多い副作用
  • 下痢:1件(0.02%)
  • 発疹:1件(0.02%)
  • 全体の副作用発現率:6例(0.09%)

頻度不明の副作用

  • 血液系:血小板減少
  • 過敏症:発疹、チアノーゼ
  • 消化器系:悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、軟便、便意

0.1%未満の副作用

  • 血液:血小板減少
  • 過敏症:発疹

アルピニー座薬100は、他の解熱鎮痛剤と比較して副作用発現頻度が低い薬剤とされていますが、重大な副作用については頻度不明とされているため、使用時は十分な注意が必要です。

 

アルピニー座薬100の薬物相互作用と添付文書の併用注意

添付文書では、アルピニー座薬100使用時に注意すべき薬物相互作用について詳細に記載されています。

 

リチウム製剤との相互作用

チアジド系利尿剤との相互作用

  • 対象薬:ヒドロクロロチアジド等
  • 機序:プロスタグランジン合成抑制による水・塩類貯留で利尿作用に拮抗
  • 臨床的意義:利尿剤の効果減弱

アルコールとの相互作用(特に重要)

  • 対象:アルコール多量常飲者
  • 機序:CYP2E1誘導により、N-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝促進
  • 臨床的意義:肝不全のリスク著明増加
  • 注意:本剤は小児用であるため、保護者の飲酒習慣も考慮

クマリン系抗凝血剤との相互作用

  • 対象薬:ワルファリンカリウム
  • 機序:血漿蛋白結合部位での競合により抗凝血剤を遊離
  • 対応:減量など慎重投与が必要

代謝酵素誘導薬との相互作用

  • 対象薬:カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、リファンピシン、イソニアジド
  • 機序:肝毒性代謝物(N-アセチル-p-ベンゾキノンイミン)の産生促進
  • 臨床的意義:長期連用で肝機能障害のリスク増加

抗生物質・抗菌剤との相互作用

  • 機序:不明
  • 臨床的意義:過度の体温下降頻度増加
  • 対応:併用時は十分な観察と慎重投与

アルピニー座薬100の添付文書における安全性情報と注意事項

添付文書では、安全使用のための詳細な注意事項が記載されています。

 

警告事項

  1. 重篤な肝機能障害発現のおそれ
  2. アセトアミノフェンを含む他の薬剤との併用回避(一般用医薬品を含む)

禁忌患者

  • 重篤な肝障害患者
  • 本剤成分に過敏症の既往歴がある患者

慎重投与対象

  • 血液異常の既往または現在血液異常がある患者
  • 出血傾向のある患者
  • 肝機能障害患者
  • 腎機能障害患者
  • 心機能障害患者
  • 高齢者(65歳以上)
  • 脱水症状のある患者

用法・用量の特別な注意

  • 体重に基づく用量調整が必要
  • 1日総量として60mg/kg(最大1500mg)を超えない
  • 原則として1日2回までの使用
  • 3日を超えて連続使用しない

その他の重要な安全性情報

  • 過量投与時の解毒剤:N-アセチルシステイン
  • 妊婦・授乳婦への投与:治療上の有益性が危険性を上回る場合のみ
  • 小児への投与:新生児・乳児では慎重投与
  • 高齢者への投与:副作用発現に特に注意

アルピニー座薬100の副作用モニタリングと臨床対応戦略

医療従事者がアルピニー座薬100使用時に実施すべきモニタリングと対応について、添付文書情報を基に解説します。

 

肝機能モニタリング

  • 定期検査項目:AST、ALT、γ-GTP、ビリルビン
  • 検査頻度:長期使用時は2-4週間毎
  • 異常値の基準:正常上限の3倍以上で投与中止検討
  • 患者・家族への指導:黄疸症状の早期発見教育

血液系モニタリング

  • 検査項目:血小板数、白血球数、好中球
  • 特に注意すべき症状:易出血傾向、感染症状
  • 顆粒球減少症の早期発見:頭痛、発熱の観察

アレルギー反応の評価

  • 初回使用時の観察:30分間の厳重監視
  • 遅発性反応への注意:使用後24-48時間の観察
  • 皮膚症状の評価:発疹の性状、範囲、進行速度

体温管理

  • 過度の体温下降予防:使用後の体温モニタリング
  • 特に注意が必要な状況:抗菌薬併用時、脱水時
  • 低体温時の対応:保温、補液検討

消化器症状への対応

  • 下痢症状の評価:頻度、性状、随伴症状
  • 脱水予防:適切な水分補給指導
  • 電解質バランスの監視

患者・家族への教育ポイント

  • 副作用症状の具体的説明
  • 緊急受診が必要な症状の判断基準
  • 他の薬剤との併用注意(市販薬を含む)
  • 用法・用量の厳守の重要性
  • 医療機関への連絡タイミング

この包括的なモニタリング体制により、アルピニー座薬100の安全な使用が可能となり、重篤な副作用の早期発見・対応が実現できます。医療従事者は添付文書に記載された安全性情報を十分に理解し、適切な患者管理を行うことが求められています。