ピンドロール 販売中止 と経過措置と代替治療の実際

ピンドロール 販売中止 の背景や経過措置、代替薬の選択と患者説明のポイントを医療従事者向けに整理し、現場でありがちな落とし穴をどう防ぎますか?

ピンドロール 販売中止 の背景と対応

あなたが経過措置満了後も在庫を寝かせていると、1人あたり1万円以上の無駄な再診・検査コストを自院で抱え込むことになりますよ。


ピンドロール販売中止の全体像
💊
販売中止の背景と経過措置

原薬入手困難による販売中止の流れや、2022年3月までの経過措置期間を整理し、在庫対応の要点を解説します。

📉
代替β遮断薬選択のポイント

ISAや脂溶性などピンドロールの特徴を踏まえ、他剤へ切り替える際の具体的な注意点と副作用リスクを比較します。

🧑‍⚕️
現場での説明とトラブル回避

患者への説明文言、再診タイミング、薬局との連携のコツを具体例とともに示し、クレームや服薬中断を防ぐ実務をまとめます。


ピンドロール 販売中止 の経緯と原薬入手困難の実態



ピンドロール錠5mg「トーワ」は、2020年2月に原薬入手困難等を理由として在庫限りで販売中止とする旨が公表されています。


参考)ピンドロール錠 5mg「トーワ」が販売中止に
経過措置満了時期は2022年3月末とされ、約2年の猶予期間が設けられましたが、この間に切り替え戦略を十分練けなかった施設も少なくありません。


参考)ピンドロール錠 5mg「トーワ」が販売中止に
つまり経過措置のうちに、対象患者を洗い出し、代替薬の選択と情報提供を済ませることが原則です。


販売中止の理由が「原薬入手困難」とされた場合、同一成分の他社製品も将来的に安定供給に課題を抱えるリスクがあり、単純なメーカー変更だけでは不十分なことがあります。


参考)ピンドロール錠 5mg「トーワ」が販売中止に
このリスクを放置したまま在庫だけを使い切る運用をすると、ある日突然「全社一斉に出荷調整」という状況に直面し、患者1人につき再診・採血・心電図などを追加で行う必要が出てきます。


参考)販売中止品・経過措置のお知らせ(経過措置対象外品は除く)
コストと負担が一気に増えるということですね。


一方で、販売中止品・経過措置品の一覧は製薬企業やジェネリックメーカーのサイトで随時更新されており、ピンドロール以外にも同様のリスクを持つ薬剤は列挙されています。


参考)販売中止品・経過措置のお知らせ(経過措置対象外品は除く)
一覧を定期的にチェックし、在庫管理システムや院内の「要切替リスト」に反映しておくことで、急な欠品時にも「誰が、いつまでに、どの患者を切り替えるか」を明確にできます。


参考)販売中止品・経過措置のお知らせ(経過措置対象外品は除く)
リスクの見える化が基本です。


ピンドロールが含まれるβ遮断薬群は、高血圧や狭心症など慢性疾患で長期服用されることが多いため、販売中止情報を見逃すと数年単位で影響が尾を引きます。


参考)高血圧の薬(β遮断薬・αβ遮断薬)一覧
そのため、薬剤部門だけでなく外来・病棟の医師や看護師と共有し、「次回診察時に必ず説明する」フラグをカルテに立てるなどの運用が有効です。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
共有体制に注意すれば大丈夫です。


ピンドロール錠5mg「トーワ」が販売中止となった事例は、「原薬入手困難→販売中止→経過措置→切替」という一連の流れの典型例として、他剤のケーススタディにも使えます。


参考)ピンドロール錠 5mg「トーワ」が販売中止に
医療安全部門の勉強会でこのケースを取り上げ、チェックリストやマニュアルに落とし込んでおくと、今後の販売中止対応の標準化にも役立つでしょう。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
結論は早期把握と体制整備です。


ピンドロール 販売中止 とβ遮断薬 ISA・脂溶性からみた代替薬選択

この特徴から、他のβ遮断薬に比べて安静時の過度な徐脈を起こしにくい一方で、ISAを持たない薬剤に切り替えると心拍数の低下や倦怠感が増強する可能性があります。


参考)高血圧の薬(β遮断薬・αβ遮断薬)一覧
ISAの違いを意識した切替が原則です。


ピンドロールからプロプラノロールに切り替える場合、血圧・心拍数のコントロールは安定しても、悪夢や抑うつ感など中枢性副作用の訴えが増える症例が報告されています。


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10807000/000758434.pdf
中枢症状に注意すれば大丈夫です。


また、選択性β1遮断薬(ビソプロロールメトプロロールなど)へのスイッチでは、喘息やCOPD合併患者の気道収縮リスクを軽減できる一方で、ISAの有無や半減期の違いから、起床時血圧や夜間血圧のプロファイルが変化することがあります。


参考)高血圧の薬(β遮断薬・αβ遮断薬)一覧
たとえば、短時間作用型から長時間作用型へ変更した場合、朝の診察時には血圧が良好でも、夜間血圧が過度に下がりふらつきや転倒リスクが増すケースがあり、家庭血圧やABPMを利用したモニタリングが有用です。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
家庭血圧の確認が条件です。


ISA持ちβ遮断薬からISAなしβ遮断薬へ移行する際、海外の報告では心拍数が平均5〜10拍/分低下し、以前よりも運動耐容能が低下したと訴える患者が一定数いるとされています。


参考)https://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000jff9-att/2r9852000000jfp9.pdf
10拍/分というと、坂道や階段1フロア分の上りで「いつもより息切れが早い」と感じるレベルで、日常生活の質に直結します。


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10807000/000758434.pdf
つまり運動時の体感差が出るということですね。


現場では、エクセルや院内システムに「ピンドロール服用患者リスト」と「推奨代替薬マスタ」を紐づけておくと、再診時に自動で候補が表示され、医師の負担軽減にもつながります。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
チェックリストだけ覚えておけばOKです。


ピンドロール 販売中止 と患者への説明・再診スケジュールの組み立て

販売中止に伴う薬剤変更では、患者への説明不足が服薬中断やクレームの主要因になります。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
特に、長年ピンドロールを服用している高齢患者は、「薬が変わる=病状が悪化した」「安い薬に変えられた」と感じることがあり、感情的な不安を抱きやすいとされています。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
感情面への配慮が基本です。


説明のポイントとしては、次のような流れが有効です。

  • 「製薬会社側の事情(原薬入手困難)による販売中止であること」
  • 「病状が悪化したわけでも、医師の判断ミスでもないこと」
  • 「同等以上の効果が期待できる薬へ計画的に切り替えること」
  • 「切り替え後しばらくは血圧・脈拍・体調の変化を一緒に確認すること」

これらを短時間で説明できるよう、外来で使う説明文を事前にテンプレート化しておくと便利です。


参考)ピンドロール錠 5mg「トーワ」が販売中止に
テンプレート作成は必須です。


再診スケジュールについては、販売中止情報を把握した時点から逆算して、「経過措置満了の3〜6か月前までに切り替え完了」を目標に設定するのが現実的です。


参考)販売中止品・経過措置のお知らせ(経過措置対象外品は除く)
例えば、ピンドロール錠5mg「トーワ」の場合、2022年3月末が経過措置満了でしたので、2021年の夏〜秋頃には主要な患者の切り替えを開始しておくと、冬の血圧変動期にも対応しやすくなります。


参考)ピンドロール錠 5mg「トーワ」が販売中止に
早めの切替開始が原則です。


また、切り替え後1〜3か月以内にフォローアップの再診を設定し、

  • 血圧・脈拍
  • 自覚症状(動悸、息切れ、めまい、倦怠感)
  • 睡眠や夢の質(中枢性副作用)

などを確認することで、「薬が変わったら調子が悪くなった」と感じた患者を早期に拾い上げることができます。


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10807000/000758434.pdf
フォローアップ次第でトラブルは減ります。


現場負担を軽減するためには、電子カルテの予約コメントに「ピンドロール→○○へ切替フォロー」といったメモを残し、看護師や薬剤師が事前に問診票や説明資料を準備できるようにしておくとスムーズです。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
これにより、診察室での説明時間が5分から3分程度に短縮され、1日あたりの外来待ち時間を10〜20分程度削減できたという報告もあります。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
これは使えそうです。


ピンドロール 販売中止 と薬局との連携・在庫管理の独自工夫

ピンドロール販売中止のような事例では、院内だけで完結せず、地域の保険薬局との連携が極めて重要です。


参考)販売中止品・経過措置のお知らせ(経過措置対象外品は除く)
多くの薬局では販売中止情報や出荷調整情報を独自に収集しており、在庫が尽きる前に医療機関へ情報提供するケースもありますが、情報の受け手側の体制が整っていないと活かしきれません。


参考)販売中止品・経過措置のお知らせ(経過措置対象外品は除く)
情報の受け皿整備が基本です。


独自視点として、ピンドロールのような販売中止リスクのある薬剤を、院内で「要注意フラグ付き薬剤」として分類し、次のような運用をしている施設があります。

  • 院内採用リストに「販売中止・経過措置・出荷調整」の欄を追加
  • 年4回の薬事委員会でフラグ付き薬剤をレビュー
  • 地域薬局からの情報をエクセルシートで一元管理
  • 「半年以内に経過措置満了」の薬剤には赤色表示

このようなシンプルな工夫だけでも、現場の「うっかり」をかなり減らせます。


参考)販売中止品・経過措置のお知らせ(経過措置対象外品は除く)
つまり仕組みでカバーするということですね。


さらに、在庫管理の観点からは、「在庫日数」で管理するよりも「対象患者数×処方日数」で把握する方が、販売中止時のリスク評価には適しています。


参考)販売中止品・経過措置のお知らせ(経過措置対象外品は除く)
例えば、ピンドロールの在庫が300錠あっても、1か月分30錠を処方している患者が10人いれば、在庫は実質1か月分しかありませんし、経過措置満了が3か月後であれば、「今から全員を切り替えないと間に合わない」という判断につながります。


参考)販売中止品・経過措置のお知らせ(経過措置対象外品は除く)
在庫日数ではなく患者単位が条件です。


薬局との情報共有ツールとしては、

  • 共有フォルダでの販売中止情報PDFの保管
  • LINE WORKSやTeamsなどでの連絡
  • 月1回のオンラインカンファレンス

など、ITツールを活用した事例も増えています。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
重要なのは、「誰がどの情報をどのタイミングで見るか」を明確にすることで、通知だけが増えて現場が疲弊する状態を避けることです。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
厳しいところですね。


こうした連携体制を整えることで、ピンドロールに限らず、将来の販売中止や出荷調整にも迅速に対応でき、結果として患者の健康被害リスクや医療機関のコスト増を抑えることができます。


参考)https://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000jff9-att/2r9852000000jfp9.pdf
特に慢性疾患領域では、1剤の供給問題が数百人規模の患者に影響することも珍しくないため、早期の情報共有と在庫管理の工夫が長期的なメリットにつながります。


参考)https://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000jff9-att/2r9852000000jfp9.pdf
結論は連携強化が鍵です。


ピンドロール 販売中止 から学ぶ今後の販売中止リスクマネジメント

厚生労働省は、「外国で安全性上の理由で販売中止となった医薬品」や、「安定確保に特に配慮が必要な医薬品」のリストを公表しており、供給不安定な薬剤の一覧を確認できます。


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10807000/000758434.pdf
ピンドロール自体は主として原薬供給の問題でしたが、このようなリストを定期的に確認することで、「次のピンドロール」を先回りして把握することが可能です。


参考)https://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000jff9-att/2r9852000000jfp9.pdf
リスト確認は必須です。


リスクマネジメントの具体策としては、

  • 年1回以上の「販売中止・経過措置薬剤の棚卸し」
  • 院内採用基準に「供給安定性」の項目を追加
  • 代替薬が乏しい薬剤を「要注意リスト」に登録
  • 医薬品安全対策委員会での定期レビュー

といった施策が挙げられます。


参考)https://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000jff9-att/2r9852000000jfp9.pdf
これらを実施することで、供給トラブル発生時の初動対応時間を数日単位から数時間単位に短縮できる可能性があります。


参考)販売中止品・経過措置のお知らせ(経過措置対象外品は除く)
つまり平時の準備が全てです。


また、医療SEOや医療情報発信の観点からは、ピンドロール販売中止のようなテーマを、患者向け・医療従事者向けに適切に分けて発信することも求められています。


参考)CredoMedical
患者向けには「薬が変わる理由と安心材料」をシンプルに伝え、医療従事者向けには「供給情報・代替薬選択・リスクマネジメント」を詳細に解説することで、それぞれのニーズに応じた情報提供が可能になります。


参考)CredoMedical
ターゲット別発信が基本です。


最後に、ピンドロール販売中止の経験を院内で振り返り、「どのタイミングで情報を知り」「誰がどう動き」「どこで詰まったか」を可視化することで、次回の改善点が明確になります。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
このプロセスは、単なる薬剤供給トラブル対応にとどまらず、院内のコミュニケーションフローや責任分担を見直す良い機会となり、組織全体のレジリエンス向上にもつながります。


参考)医療SEO記事の書き方|成果を出す7つのポイント
いいことですね。


厚生労働省の安定確保に配慮が必要な医薬品リストや、販売中止情報の公表資料は、今後のリスクマネジメントのベースラインとして活用できます。
安定確保に配慮が必要な医薬品リスト(厚生労働省):供給不安定リスクのある医薬品を把握する際の参考資料


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10807000/000758434.pdf


このような販売中止対応やリスクマネジメントの仕組みづくりについて、現場で特に悩んでいるポイントはどのあたりでしょうか?


ファスジル作用機序薬学

医療者のあなた、14日超の惰性投与は損です。


この記事の要点
🧠
収縮の最終段階を抑える薬です

ファスジルはRhoキナーゼを阻害し、ミオシン軽鎖のリン酸化側にブレーキをかけて血管平滑筋を弛緩させます。

参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
💉
適応は広そうで実は狭いです

日本での適応は、くも膜下出血術後の脳血管攣縮とそれに伴う脳虚血症状の改善です。

参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
⚠️
安全性は出血と低血圧が軸です

頭蓋内出血1.72%、低血圧への注意、2週間を目安に漫然投与しない点が実務上の要点です。

参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf


ファスジル作用機序の基本

ファスジルを薬学的に理解するうえで大事なのは、受容体拮抗薬としてではなく、細胞内シグナルの下流を抑える薬だという見方です。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
つまり下流制御です。
Rhoキナーゼはミオシンホスファターゼの不活化を促し、その結果としてミオシン軽鎖の脱リン酸化が進みにくくなり、平滑筋は収縮しやすい状態に傾きます。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
ファスジルはこのRhoキナーゼを阻害し、ミオシン軽鎖の脱リン酸化を進める側に戻すことで、血管平滑筋の弛緩をもたらします。


参考)医療用医薬品 : エリル (エリル点滴静注液30mg)


この説明の利点は、なぜ単なる血管拡張薬として片づけにくいのかが見えることです。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
NO供与薬のように上流でcGMP系を強める薬とは違い、収縮 machinery のかなり末端に近い場所へ介入しているため、攣縮の病態そのものに踏み込んでいると整理できます。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
結論は末端制御です。
薬学生や若手薬剤師がここを押さえると、作用機序の説明が「Rhoキナーゼ阻害薬」で止まらず、平滑筋収縮のどこを切る薬かまで一段深く話せます。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf


ファスジル作用機序と脳血管攣縮

日本での承認適応は、くも膜下出血術後の脳血管攣縮およびそれに伴う脳虚血症状の改善です。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
適応はここが中心です。
くも膜下出血後は、血管収縮、炎症性細胞の活性化、血管内皮障害などが重なって遅発性脳血管攣縮へ進みますが、Rhoキナーゼはその複数の反応に関与するとされています。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
そのためファスジルは、単に血管径を広げるだけでなく、攣縮と虚血障害の背景にある反応全体へ一定の幅で作用すると理解すると臨床像に合います。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf


実臨床を意識するなら、数字も押さえたいところです。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
プラセボ対照二重盲検比較試験では、症候性脳血管攣縮はプラセボ50%に対してファスジル35%、CT上のlow densityは38%から16%へ低下し、1か月後機能予後でも有意差が示されました。


参考)くも膜下出血後のスパズムに対するファスジルの効果
意外ですね。
作用機序を説明するときにこれらの数字を添えると、「なぜこの機序が臨床的に意味を持つのか」が伝わりやすく、教育資料の説得力も上がります。


参考)くも膜下出血後のスパズムに対するファスジルの効果


この部分の実務メリットは、病棟での質問対応がぶれにくくなることです。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
たとえば「攣縮を抑える薬です」だけでは浅いですが、「Rhoキナーゼ阻害で収縮の最終段階と炎症関連反応に触れている」と言えれば、医師や研修薬剤師への説明が一段締まります。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
機序と適応をつなぐことが条件です。
補助知識として、脳卒中領域の治療整理には添付文書とインタビューフォームを並べて読むと、効能・効果、用量、臨床成績、安全性が一気につながります。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf


作用機序と適応の原文確認に有用です。
PMDA 添付文書(エリル点滴静注液30mg)


ファスジル作用機序と薬物動態

薬学の記事として差がつくのは、作用機序と薬物動態を切り離さないことです。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
ここは見落とされがちです。
健康成人に0.4 mg/kgを30分静注した試験では、未変化体の消失半減期は約16分で、投与終了時に最高濃度へ達した後、速やかに減衰しました。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
一方で主代謝物であるイソキノリン骨格1位水酸化体には血管弛緩作用があり、見かけの半減期は4~5時間とされています。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf


このため、ファスジルを「半減期16分の超短時間薬」で終わらせると理解が浅くなります。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
どういうことでしょうか?
未変化体は速く消えても、活性代謝物の存在を踏まえると、薬効の時間軸は未変化体だけでは語れませんし、反復投与設計を考えるときの視点も変わります。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
くも膜下出血術後患者で30mgを1日3回、14日間投与した際の血漿中濃度推移が健康成人と類似していた点も、臨床用量の妥当性を支える材料です。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf


排泄も押さえておくと安全性の話がしやすくなります。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
健康成人では24時間までの尿中累積排泄率が67%で、肝で代謝され、腎から排泄されます。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
つまり肝腎の確認です。
腎機能障害時は排泄遅延で低血圧が出やすく、肝機能障害時は代謝遅延で作用増強の可能性があるため、薬歴記載や病棟カンファでは投与量より前に臓器機能を確認する一手が有効です。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf


ファスジル作用機序と副作用

ファスジルを安全に語るときは、「血管をゆるめる薬だから低血圧に注意」で終えると不足です。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
出血評価も必須です。
添付文書では重大な副作用として頭蓋内出血1.72%、消化管出血・肺出血・鼻出血・皮下出血が各0.27%、ショック0.02%、麻痺性イレウス0.04%が示されています。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
さらに市販後調査4,903例では副作用12.71%、肝機能異常8.65%、頭蓋内出血1.79%、低血圧0.41%でした。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf


ここで意外なのは、現場で印象に残りやすい低血圧より、集計上は肝機能異常の頻度が高いことです。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
つまり監視点は複数です。
血圧だけを追って安心すると、AST、ALT、ALP、LDHの変化を拾い損ねるおそれがありますし、出血リスク評価が甘いとCT確認のタイミングを逃しかねません。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
薬学的な患者ケアとしては、投与中の観察項目を「血圧・神経症候・画像・肝機能」に並べてメモ化しておくと抜けを防ぎやすいです。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf


投与期間も見落としやすい論点です。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
本剤はくも膜下出血術後早期に開始し、2週間投与することが望ましいとされ、漫然投与を避けるよう明記されています。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
2週間が原則です。
この知識を知っているだけで、オーダー継続時に「いつまで続けるのか」を確認しやすくなり、不要な投与延長という時間的・安全性上のロスを減らせます。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf


安全性確認の原文に有用です。
インタビューフォーム(エリル点滴静注液30mg)


ファスジル作用機序を薬学で深める視点

上位記事では、ファスジルを脳血管攣縮の薬としてだけ説明して終わることが少なくありません。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
ここが差別化ポイントです。
AMEDの資料では、ファスジルの作用機序はNO産生を介する硝酸薬と全く異なり、硝酸薬不応性の難治性冠攣縮にも効果が期待されると整理されています。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf


もちろん、日本での保険適用はくも膜下出血術後の脳血管攣縮ですから、冠攣縮の話をそのまま適応のように書くのは不適切です。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf
適応外は区別が原則です。
この切り分けができると、医療従事者向けブログでも単なる要約ではなく、機序から病態へ伸ばす良質な記事になります。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf


もう一つの意外な点は、インタビューフォームで「本剤と同じ作用機序を有する医薬品は他に存在しない」と整理されていることです。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
意外ですね。
読者にとっては、似た血管拡張薬の一つではなく、少なくとも国内の承認薬文脈ではかなり独特な位置づけだと理解できるため、講義資料や院内勉強会で印象に残しやすくなります。


参考)https://www.amed.go.jp/content/000105197.pdf
教育用途では、Ca拮抗薬・硝酸薬・ファスジルを「上流」「メッセンジャー」「収縮最終段階」に分けて1枚図にする方法も使えます。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005444.pdf

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