抗うつ効果に2週間かかるのに、せん妄には1日で効くんです。
関連)https://cocoro.clinic/%E5%9B%9B%E7%92%B0%E7%B3%BB%E6%8A%97%E3%81%86%E3%81%A4%E8%96%AC

ミアンセリンの最大の特徴は、シナプス前膜に存在するα2アドレナリン自己受容体を阻害する点にあります。通常、このα2自己受容体はノルアドレナリンの放出を抑制するネガティブフィードバック機構として働いています。
関連)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%83%B3
つまり負のフィードバック制御ですね。
ミアンセリンがこの受容体を遮断すると、ノルアドレナリンの放出抑制が解除され、神経シナプス間隙へのノルアドレナリン放出が促進されます。これにより、シナプス後膜の受容体への刺激が増進され、抗うつ作用を発揮するという機序です。
関連)https://www.japic.or.jp/mail_s/pdf/23-11-1-22.pdf
三環系抗うつ薬と同様に、シナプス間でのノルアドレナリン取り込み阻害作用も併せ持っていますが、主作用はα2受容体遮断による放出促進にあります。この二重の作用により、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度を効果的に上昇させることが可能です。
関連)https://www.cocorone-clinic.com/column/utsu_mianserin.html
ノルアドレナリンのturnoverを亢進させる作用も確認されており、脳内モノアミン代謝全体に影響を与えることが示されています。
関連)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00007107.pdf
四環系抗うつ薬は1960年代から1970年代にかけて、三環系抗うつ薬の副作用を軽減する目的で開発されました。化学構造に4つの環状構造を持つことからその名がつけられています。
関連)https://chigasaki-localtkt.com/shikankeiaragauuchoutekinasayoukijo/
三環系との最大の違いは抗コリン作用の強さです。ミアンセリンの抗コリン作用は極めて弱く、口渇・便秘・排尿障害といった抗コリン性副作用が大幅に軽減されています。
関連)https://lala-mentalclinic.com/mianserin/
心循環系への影響も少ないという利点があります。三環系抗うつ薬で問題となる起立性低血圧や心電図異常のリスクが低く、高齢者や心疾患を持つ患者にも比較的使いやすい薬剤です。
関連)https://lala-mentalclinic.com/mianserin/
半減期は約18時間で、1日1回の内服が可能です。服薬コンプライアンスの面でも優れており、患者の負担を軽減できます。
関連)https://lala-mentalclinic.com/mianserin/
ミアンセリンはアミトリプチリン(三環系)と同程度の抗うつ作用を有することが報告されており、効果の面でも遜色ありません。また、三環系抗うつ薬で改善が得られない際の併用療法としても有効性が示されています。
関連)https://www.cocorone-clinic.com/column/utsu_mianserin.html
主な副作用として眠気(6%)、口渇(3%)、めまい(2%)が報告されていますが、1日1回投与の場合は眠気(16%)、口渇(11%)、めまい(9%)に増加します。
関連)https://cocoro.clinic/%E5%9B%9B%E7%92%B0%E7%B3%BB%E6%8A%97%E3%81%86%E3%81%A4%E8%96%AC
日中投与には向きませんね。
しかし、この眠気の副作用を逆手に取り、睡眠薬のみではコントロールできない不眠症の治療に用いられることもあります。特に神経症性不眠や、睡眠薬を増やしたくない症例において、睡眠薬代わりとして使用されています。
関連)https://www.kurashi-science.com/co/414/
重篤な副作用としては、悪性症候群、血圧変動、意識障害などが報告されています。また、2009年には三環系・四環系抗うつ薬の攻撃性副作用について厚生労働省から注意喚起がなされました。
関連)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=37843
降圧剤との併用では、クロニジン塩酸塩などの降圧作用を減弱させる可能性があります。これはミアンセリンのα2受容体阻害作用によるものと考えられています。
関連)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00007107.pdf
セロトニン症候群のリスクにも注意が必要です。三環系抗うつ薬や他のセロトニン作動薬との併用時には、焦燥感、動悸、発熱、腱反射亢進などの症状に警戒する必要があります。
関連)https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1j15-r03.pdf
ミアンセリンは本来うつ病・うつ状態が適応ですが、せん妄治療において広く適応外使用されています。2024年10月28日には、不眠症に対する適応外使用も正式に承認されました。
関連)https://www.scchr.jp/about-us/out-of-indication-html.html
抗うつ効果の発現には2~3週間を要しますが、せん妄状態に対する効果は約1日で現れるという特異的な作用パターンを示します。
関連)https://www.kurashi-science.com/co/414/
効果発現の速さが桁違いです。
せん妄を抑えるメカニズムは完全には解明されていませんが、シナプス後部の5-HT2A受容体阻害作用が関与していると推測されており、抗うつ効果とは異なるメカニズムと考えられています。
関連)https://cocoro.clinic/%E5%9B%9B%E7%92%B0%E7%B3%BB%E6%8A%97%E3%81%86%E3%81%A4%E8%96%AC
用量は10~20mgで開始され、リスペリドンと同様の用量調整が行われます。ミアンセリンは錐体外路症状を起こさない点で優れており、高齢者のせん妄治療において重要な選択肢となっています。
関連)https://www.takanohara-ch.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/06/202103_DI.pdf
社会保険診療報酬支払基金が公表している審査情報提供事例において、せん妄に対する抗精神病薬の適応外使用が社会的にも認知されており、ハロペリドール、リスペリドン、クエチアピン、ペロスピロンなどと並んで使用されています。
関連)https://www.akiru-med.jp/cms/wp-content/uploads/2025/07/3317747b91accf162f2a82faa8e41761.pdf
ミアンセリンは単剤療法だけでなく、他の抗うつ薬との併用療法においても有効性が報告されています。特に三環系抗うつ薬で改善が得られない難治性うつ病に対して、増強療法として使用されてきた歴史があります。
関連)https://www.cocorone-clinic.com/column/utsu_mianserin.html
ミアンセリンの誘導体であるミルタザピン(リフレックス)は、ミアンセリンの化学構造の一部(炭素をニ窒素に置換)を変更しただけの兄弟化合物です。ミルタザピンはNaSSA(ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬)として分類され、より強力な抗うつ作用を持つとされています。
関連)https://www.heart-clinic.net/2022/07/19/no392_5/
抗うつ作用では劣る印象ですね。
しかし、ミアンセリンは不眠症や睡眠の質改善において優れた効果を発揮し、睡眠薬を使いたくない、増やしたくないケースで重宝されています。保険適応はあくまでうつ病・うつ状態ですが、臨床現場では睡眠薬代わりとして広く使用されています。
関連)https://www.heart-clinic.net/2022/07/19/no392_5/
日本では1983年にオランダのオルガノン社(現MSD社)により発売され、40年以上の使用実績があります。長期使用例も多く、91歳女性が10年間ミアンセリンを内服しながら通院していた症例も報告されています。
関連)https://www.cocorone-clinic.com/column/sleeping_pills07.html
四環系抗うつ薬にはマプロチリン、ミアンセリン、セチプチリンの3種類が承認されていますが、マプロチリンはα2自己受容体阻害作用を持たず、ノルアドレナリン再取り込み阻害が主作用である点で異なります。
関連)https://cocorone-clinic.com/columns/utsu_mianserin/
四環系抗うつ薬の作用機序と特徴の詳細比較(高津心音メンタルクリニック)
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