抗VEGF薬一覧|眼科で使う薬剤の種類と適応疾患

眼科領域で使用される抗VEGF薬の全種類を適応疾患・薬価・投与間隔まで徹底解説。バイオシミラーと先発品の違いや第二世代薬剤の特徴を知れば治療選択が変わるかもしれませんが、あなたはその選び方を間違えていませんか?

抗VEGF薬一覧と眼科での適応

バイオシミラーは先発品と効果が同等でも薬価が3割安いのに選ばれていません。


この記事のポイント
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現在使用可能な抗VEGF薬は8種類

第一世代(ルセンティス・アイリーア2mg)と第二世代(ベオビュ・バビースモ・アイリーア8mg・バイオシミラー)に分類され、それぞれ適応疾患と投与間隔が異なる

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薬価は最大2.5倍の差

バイオシミラー(ラニビズマブBS・アフリベルセプトBS)は約7万円台、最高額のアイリーア8mgは約14.6万円で、年間投与では患者負担が大きく変わる

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第二世代の副作用リスクに注意

ベオビュは眼内炎0.5%・眼内炎症2.8%と副作用頻度が高く、臨床現場では使用が控えられている。適切な薬剤選択が治療成績を左右する


抗VEGF薬の全種類と販売開始年月



日本の眼科臨床で使用可能な抗VEGF薬は現在8種類あります。第一世代としてルセンティス(ラニビズマブ、2009年3月販売開始)とアイリーア2mg(アフリベルセプト、2012年11月販売開始)が導入され、その後2020年以降に第二世代として新規薬剤とバイオシミラーが続々と登場しました。


関連)https://med.suzuya-auto.com/kouVEGFkusuriicnoshuruitotsukaiwake.html


第二世代にはベオビュ(ブロルシズマブ、2020年5月)、バビースモ(ファリシマブ、2022年5月)、アイリーア8mg(2024年4月)、ラニビズマブBS「センジュ」(2021年12月)、アフリベルセプトBS(日東・バイエル)が含まれます。これらの薬剤はそれぞれ作用機序や分子量、投与間隔が異なるため、患者の疾患や通院頻度の希望に応じて選択されます。


関連)https://ginan-eye.com/blog/2024/blog1383.html


第一世代と第二世代の大きな違いは投与間隔の延長可能性と薬価です。第二世代は導入期終了後に8~12週間隔での維持投与が可能な薬剤があり、患者の通院負担を軽減できます。バイオシミラーは先発品と同等の効果を持ちながら薬価が約3割安く設定されています。


関連)https://www.kurihama-ganka.jp/ganka-dayori/2024/VEGF.html


各薬剤の特性を理解することが基本です。


抗VEGF薬の適応疾患別の使い分け

適応疾患は薬剤によって異なり、治療計画に直接影響します。加齢黄斑変性(AMD)にはすべての抗VEGF薬が適応を持ちますが、血管新生緑内障(NVgla)や未熟児網膜症(ROP)に使用できるのはアイリーア2mgとルセンティスのみです。網膜色素線条(AS)にはバビースモのみが適応を持ちます。


関連)https://ginan-eye.com/blog/2026/blog1669.html


糖尿病黄斑浮腫(DME)と網膜静脈閉塞症(RVO)は抗VEGF療法の主要な適応疾患です。DMEに対しては現在7種類の抗VEGF薬が使用可能で、ベオビュ、バビースモ、アイリーア8mgなどの第二世代薬剤がより高い効果を示す症例もあります。RVOによる黄斑浮腫にはルセンティス、アイリーア2mg、バビースモ、ラニビズマブBSなどが選択肢となります。


関連)https://www.amo-ganka.com/vegf/


近視性脈絡膜新生血管(myopic CNV)に対しては、ルセンティス、アイリーア2mg、ラニビズマブBS、アフリベルセプトBSが適応を持ちます。この疾患では比較的少ない投与回数で効果が得られることが多く、バイオシミラーの使用によって医療経済的メリットを得られます。


関連)https://www.aoba-eyeclinic-gotanno.com/vegf/


つまり適応範囲で薬剤を絞ることです。


抗VEGF薬の薬価と医療経済的な考慮点

薬価には最大2.5倍以上の差があり、年間投与では患者負担が大きく変わります。2026年2月時点で、最も安価なのはアフリベルセプトBS(約6.9万円)で、最も高額なのはアイリーア8mg(約14.6万円)です。バビースモは適応疾患によって薬価が異なり、AMD治療では約13.2万円ですがDMEやRVO治療では年間最大投与回数が多く設定されています。


関連)https://medamania.com/anti-vegf-matome/


バイオシミラーは先発品と同等の効果を持ちながら薬価が約24~28%安く設定されています。ラニビズマブBS「センジュ」はルセンティス(約9.8万円)に対して約7.4万円、アフリベルセプトBSはアイリーア2mg(約11.0万円)に対して約6.9万円です。年間最大投与回数を投与した場合、最も安価なのはラニビズマブBSの約39.3万円、最も高額なのはバビースモのDME/RVO治療での約68.5万円となります。


関連)https://medamania.com/anti-vegf-matome/


年間最大投与回数を少なくして通院回数を減らす上で最もコストパフォーマンスが良いのはベオビュですが、後述する副作用リスクの問題があります。医療機関によっては高齢者や全身疾患を持つ患者に対してバイオシミラーを優先的に選択し、安全性と経済性を両立させています。


関連)https://www.kurihama-ganka.jp/treatment/eylea/


これは使えそうです。


抗VEGF薬の投与間隔とプロトコル

導入期ではどの抗VEGF薬でも基本的に約1ヵ月に1回、連続3~4回の硝子体内注射を行います。この導入期での治療反応性が今後の治療方針を決定する重要な指標となり、反応性が良ければ維持期では投与間隔を延長できます。維持期の投与間隔は薬剤によって大きく異なり、第二世代では8~12週間隔まで延長可能です。


関連)https://mirueru.qlife.jp/content/82


主な治療プロトコルには固定療法、TAE療法、PRN療法の3種類があります。固定療法では導入期終了後に2ヵ月(8~10週間)ごとの定期投与を継続し、TAE療法では病状に応じて投与間隔を調整していきます。PRN(必要時投与)療法は網膜静脈分枝閉塞症による黄斑浮腫などで用いられ、定期検査で再発を確認してから投与する方式です。


関連)https://academia.carenet.com/share/news/718a657e-bf23-48b8-a45c-87ea1e7c3430


ベオビュの場合、導入期は6週ごとに連続5回投与し、維持期は通常12週ごとに1回投与します(最短8週以上の間隔)。バビースモやアイリーア8mgも同様に延長投与が可能で、患者の通院負担を軽減できます。投与間隔の決定には医師が把握した治療反応性と患者の希望・生活スタイルを組み合わせて話し合うことが重要です。


関連)https://www.pro.novartis.com/jp-ja/products/beovu/dr-interview/dr_yoshikawa


投与間隔を延ばせるなら問題ありません。


抗VEGF薬の副作用と安全性の比較

すべての抗VEGF薬に共通するリスクとして眼内炎があり、発生頻度は極めて稀ですが一旦発症すると重篤な視力障害を引き起こす可能性があります。注射による白目の出血(結膜下出血)、1~2日程度の異物感や重い感じ、一過性の眼圧上昇などは比較的頻度が高い副作用です。予防策として硝子体注射前後の抗生剤点眼や消毒が徹底されています。


関連)https://www.nichigan.or.jp/public/disease/treatment/item03.html


第二世代薬剤の中でベオビュは眼内炎0.5%、無菌性眼内炎症2.8%と副作用の頻度が有意に高く、眼科医の間では積極的に使用されていません。この高い副作用発生率は分子量が小さく力価が大きいという特性に関連している可能性があり、臨床現場では慎重な患者選択が求められます。一方、アイリーア8mgは2mgの4倍量ですが副作用発生率は2mgと同等とされています。


関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18888/ga.0000004512


その他の稀な副作用として白内障の進行、緑内障、網膜剥離、血圧上昇、脳卒中、生理不順などが報告されています。全身への影響を考慮すると、高齢者や心血管疾患のある患者では特に慎重な経過観察が必要です。治療前には患者に十分なインフォームドコンセントを行い、異常を感じた場合は速やかに受診するよう指導することが原則です。


関連)https://fujishima-eye.net/s-amd/


抗VEGF薬選択における独自の視点

現在の臨床現場ではアイリーア2mgが市場を独占している状況ですが、バイオシミラーの普及が進んでいません。これは効果と安全性のバランスが確立されたアイリーア2mgへの信頼が高い一方で、バイオシミラーに対する医療従事者の認識不足や処方変更の煩雑さが影響している可能性があります。


関連)https://www.natsumidai.com/vegf/


患者の生活スタイルと治療継続性を重視した薬剤選択が重要です。通院頻度を減らしたい患者には第二世代の延長投与可能な薬剤を、医療費負担を抑えたい患者にはバイオシミラーを提案するなど、個別化医療の観点が求められます。特に糖尿病黄斑浮腫では長期にわたる治療が必要となるため、年間の医療費総額を試算して患者と共有することがアドヒアランス向上につながります。


関連)https://mirueru.qlife.jp/content/82


治療反応性が不十分な場合は薬剤変更(スイッチング)も選択肢となります。作用機序の異なる薬剤への変更により効果が得られる症例もあり、単一薬剤での治療に固執しない柔軟な対応が必要です。バビースモのようにVEGF-AとAng-2の両方を標的とするバイスペシフィック抗体は、従来の抗VEGF薬で効果不十分だった症例に新たな選択肢を提供しています。


関連)https://med.suzuya-auto.com/kouVEGFkusuriicnoshuruitotsukaiwake.html


日本眼科学会や日本網膜硝子体学会のガイドラインを参考に、最新のエビデンスに基づいた治療選択を行うことが推奨されます。各施設の経験や症例データを蓄積し、地域の医療連携を通じて情報共有することで、より質の高い抗VEGF治療を提供できます。


関連)https://www.pro.novartis.com/jp-ja/products/beovu/dr-interview/dr_yoshikawa


日本眼科学会公式サイト|抗VEGF治療の基本情報と患者向け説明資料

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