アメパロモカプセルの効果と副作用
アメパロモカプセルの効果と副作用と注意点まとめ
💊
アメパロモカプセルの効果と腸管アメーバ症治療
アメパロモカプセル(一般名:パロモマイシン硫酸塩)は、腸管アメーバ症の治療に用いられる抗原虫剤です。主に腸内のアメーバやそのシスト(嚢子)に対してタンパク質合成を阻害し、殺菌作用を発揮します。腸管内での原虫感染症に対して高い効果を示し、腸管外アメーバ症には効果がありません。
通常、成人には1日1500mg(力価)を3回に分けて10日間、食後に経口投与します。消化管からの吸収はほとんどなく、主に腸管内で作用します[1][2][3][4]。
⚠️
アメパロモカプセルの副作用とリスク
アメパロモカプセルの主な副作用は以下の通りです。
- 第8脳神経障害(難聴、めまい、耳鳴など)
- 腎障害(血尿など)
- ビタミンK欠乏症状(出血傾向、低プロトロンビン血症など)
- ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲減退、神経炎など)
- 消化器症状(下痢、悪心、嘔吐、腹痛、消化不良、膵炎など)
- 皮膚症状(蕁麻疹、発疹)
- 好酸球増加症
特に腎機能障害や高齢者、腸病変のある患者では、血中濃度が高くなりやすく副作用リスクが高まります[2][3][5]。
🔍
アメパロモカプセルと他薬剤との相互作用
アメパロモカプセルはアミノグリコシド系抗生物質に分類され、他の同系統薬剤(カナマイシン、ゲンタマイシン、コリスチンなど)やフロセミドなどの利尿剤、麻酔剤、筋弛緩剤(ツボクラリン、パンクロニウム臭化物、A型ボツリヌス毒素など)と併用すると、聴器障害や腎機能障害、神経筋遮断作用による呼吸抑制が増強される可能性があります。
特に聴力障害は高周波音から始まり、低周波音に波及するため、定期的な聴力検査(8kHzでの検査)が推奨されます[2][3]。
👩⚕️
アメパロモカプセル投与時の注意点と禁忌
アメパロモカプセルは以下の患者には禁忌です。
- イレウス(腸閉塞)のある患者
- 本剤成分や他のアミノグリコシド系抗生物質、バシトラシンに過敏症の既往歴がある患者
また、重症筋無力症、前庭・蝸牛器官に損傷がある患者、難聴のある患者には副作用が強く出やすいため慎重な投与が必要です。
経口摂取が不良な患者や全身状態不良の患者では、ビタミンK欠乏症状に注意が必要です。妊婦や妊娠の可能性がある女性には治療上の有益性が危険性を上回る場合のみ投与します[3][5][6]。
🧬
アメパロモカプセルの薬物動態と意外な知見
アメパロモカプセルは消化管からほとんど吸収されませんが、腸病変や腎機能障害があると微量に吸収され、血中濃度が上昇することがあります。健康成人10例に4g経口投与した場合、2時間後に平均最高血清中濃度1.48μg/mLに達し、12時間後には定量限界付近まで減少します。
また、長期投与や高用量投与でビタミンKやB群の欠乏が生じやすい点は、他の抗原虫剤にはあまり見られない特徴です。患者の栄養状態や併用薬にも注意が必要です[5]。
腸管アメーバ症治療薬の詳細な用法・用量や副作用一覧については、
腸管アメーバ症治療剤の添付文書(JAPIC)に詳しく記載されています。
JAPIC添付文書(副作用・禁忌・薬物動態の詳細)
アメパロモカプセルの薬理作用や臨床的注意点については、
ケアネットの医薬品情報ページも参考になります。
ケアネット:アメパロモカプセル250mgの効能・副作用
本剤の薬物動態や吸収性、血中濃度推移については、
「今日の臨床サポート」でも解説されています。
今日の臨床サポート:アメパロモカプセル250mg