リューマトリックス(メトトレキサート)の添付文書では、重大な副作用として以下が記載されています。
ショック・アナフィラキシー(頻度不明)
冷感、呼吸困難、血圧低下などの症状が現れることがあります。医療現場では投与開始時の観察が特に重要です。
骨髄抑制(0.1~5%未満)
白血球が減少すると、食事ができないほどの重篤な口内炎や感染症のリスクが高まります。血小板減少では、皮下出血や歯茎からの出血が見られることがあります。
感染症(0.1~5%未満)
肺炎、敗血症、帯状疱疹などが発現し、寒気、倦怠感、発熱、咳、小水疱の帯状発疹などの症状が現れます。
間質性肺炎(0.1~5%未満)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあり、急激に進行する場合があります。
肝機能障害は添付文書で重要な副作用として位置づけられています。
劇症肝炎・肝不全(頻度不明)
食欲不振、倦怠感、皮膚や白目の黄疸などの症状が見られます。これらは生命に関わる重篤な副作用として医療従事者の十分な観察が必要です。
肝機能障害(5%以上)
ALT、AST、ALP値の上昇が一般的に見られ、疲れやすさ、倦怠感、吐き気、食欲不振などの症状が現れます。
肝機能検査は定期的に実施され、異常値が確認された場合は投与中止の検討が必要となります。医療現場では特に。
が重要なポイントとなります。
消化器系の副作用は高頻度で発現し、添付文書では詳細に記載されています。
口内炎(5%以上)
最も頻繁に見られる副作用の一つで、メトトレキサートの葉酸拮抗作用によるものです。以前にはなかった口内のただれが複数箇所に出現した場合は服用を一時中止する必要があります。
消化管系副作用の詳細
重篤な消化管障害
出血性腸炎や壊死性腸炎などの重篤な腸炎が現れることがあり、激しい腹痛や下痢の症状が見られた場合は投与中止と適切な処置が必要です。
医療現場では、軽度の消化器症状でも葉酸製剤(フォリアミン)の併用により症状の改善が期待できます。
皮膚関連の副作用は添付文書で詳細に分類されており、医療従事者にとって重要な観察ポイントです。
過敏症反応
皮膚障害
重篤な皮膚障害(頻度不明)
Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群などの重篤な皮膚障害が現れることがあります。発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等が現れた場合は投与中止が必要です。
特殊な皮膚症状
乾癬病変局面の有痛性びらんなど、乾癬患者特有の症状も報告されています。
医療現場では、帯状疱疹や蜂巣炎などの感染性皮膚疾患、または広範囲の皮膚症状が現れた場合は服用を一時中止することが推奨されています。
添付文書を活用した副作用の早期発見は、リューマトリックス治療において極めて重要です。
定期検査項目と頻度
添付文書では以下の検査が推奨されています。
患者教育のポイント
医療従事者は添付文書の情報をもとに、以下の症状について患者に説明する必要があります。
服用中止の判断基準
添付文書では以下の場合に服用中止を検討するよう記載されています。
ホリナートカルシウムの使用
骨髄抑制、肝機能障害、粘膜・消化管障害などの細胞毒性に起因する副作用が発現した場合、拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)の投与が必要です。
医療現場では、添付文書の副作用情報を患者の症状と照らし合わせながら、適切な対応を行うことが求められます。特に、メトトレキサートは週1回の投与であるため、毎日服用する薬剤と誤認されやすく、過量投与による重篤な副作用の発現リスクがあることも添付文書で注意喚起されています。