人気アニメ「はたらく細胞」では、日和見菌が善玉菌と悪玉菌の戦いを見守り、優勢な方に味方する存在として描かれています。作中では腸内細菌の約70%を占め、善玉菌が優勢な時は善玉菌を応援し、悪玉菌が優勢になると立場を変える特性が強調されています。この擬人化された描写は、実際の日和見菌の性質を分かりやすく表現したものです。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E6%97%A5%E5%92%8C%E8%A6%8B%E8%8F%8C
舞台版「はたらく細胞」でも日和見菌は「特に良い働きも悪い働きもしない細菌であり、腸内細菌残帯のおよそ70%を占める」と説明されており、その日和見的な性格が医療教育の観点からも注目されています。アニメでは一見役立たずのように見えますが、腸内環境を整えるには善玉菌2、日和見菌7、悪玉菌1という比率が理想的とされ、日和見菌は腸内細菌叢の主要な構成要素として重要な役割を担っているのです。
参考)CHARACTER
日和見菌には複数の種類が存在し、代表的なものとしてバクテロイデス属、大腸菌の無毒株、連鎖球菌などが挙げられます。バクテロイデス属は腸内で多くの割合を占める細菌で、免疫機能を活性化させたり、炎症を抑制する働きがある一方、増えすぎると健康に悪影響を与える側面も持っています。
参考)https://shop.mizkan.co.jp/blogs/fiber/opportunistic-bacteria
クロストリジウム・ディフィシルは通常無害な腸内に生息していますが、体調不良や抗生剤の使用により腸内フローラのバランスが崩れると過剰に増殖し、腸炎や下痢を引き起こすことがあります。腸内細菌の理想的なバランスは善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割とされており、善玉菌が優位な状態を保つことで日和見菌を味方につけ、悪玉菌の増殖を抑えることができます。
参考)腸内フローラのバランスを整えるには?理想的なバランスや改善方…
医療従事者として患者指導を行う際には、このバランスが加齢やストレス、食生活の乱れなどで容易に崩れることを説明し、善玉菌優位の腸内環境維持の重要性を伝えることが重要です。
参考)腸内フローラを知って食生活で整える:公立学校共済組合
腸内フローラのバランスは免疫機能の維持に大きな役割を果たしており、善玉菌が多いほど免疫力が高い状態といえます。最近の研究では、腸内フローラを形成する腸内細菌が相互に影響を与え合いながら、腸管の免疫系を適切に活性化することで免疫機能が保たれていることが明らかになっています。
参考)https://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/200905/immunity.htm
日和見菌は善玉菌・悪玉菌のどちらにも属さない細菌ですが、どちらかが優勢になると同じ働きをする菌もあります。悪玉菌が優勢になると日和見菌がこれに加勢して腸内環境がさらに悪化し、免疫力が低下してしまうため、善玉菌優勢の状態を維持することがポイントになります。
参考)腸内フローラと免疫の関係とは?免疫機能を健やかに保つための方…
腸内フローラのバランスが乱れると、自己免疫疾患やアレルギー疾患、がん、肥満症などの発症や病態に影響が出ることもわかってきており、医療従事者としては腸内環境の重要性を患者に啓発する必要があります。ビフィズス菌、オリゴ糖、食物繊維を摂取し、十分な睡眠を心がけ、腹部を冷やさないことが善玉菌を増やし免疫力を高める具体的な方法です。
日和見感染症は、健常な状態では病原性を示さない微生物が、宿主の免疫機能低下時に感染症を引き起こす現象を指します。腸内常在菌のうち主に腸内細菌目菌群などが日和見感染症の病原となることがあり、腸内微生物が腸管壁を突破して体内に侵襲するバクテリアルトランスロケーションが感染発症の重要なプロセスとなります。
参考)野本教授の腸内細菌と健康のお話44 腸内細菌の日和見性
健常な状態では、腸内細菌叢のコロナイゼーションレジスタンス機構、腸管上皮細胞の産生する粘液層や細胞間接着装置、腸管に配置されている免疫システムという3つの複合的な生体防御機構が働いているため、バクテリアルトランスロケーションは起こりにくくなっています。しかし、これらの防御システムが破綻すると腸内常在菌による日和見感染症が引き起こされます。
日和見感染症を引き起こす代表的な病原体には、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)等の薬剤耐性菌、緑膿菌、セラチア、クレブシエラなどのグラム陰性桿菌があります。医療現場では、癌化学療法や血液幹細胞移植などによる好中球減少時、移植患者や免疫抑制剤の使用による免疫低下状態の患者において、日和見感染症のリスクが高まるため注意が必要です。
参考)日和見感染症
腸内フローラを整えるためには、善玉菌そのものを含む「補菌食材」と、善玉菌のエサとなる「育菌食材」をバランスよく摂取することが重要です。補菌食材にはヨーグルト、納豆、キムチなどの発酵食品があり、育菌食材には水溶性食物繊維を豊富に含む大麦、海藻類、きのこ、果物などが含まれます。
参考)腸内フローラ(腸内細菌叢)を整える食べ物の特徴【管理栄養士監…
医療従事者が患者に推奨できる具体的な食事例として、和食では大麦入りご飯、納豆、味噌汁(海藻類やきのこ入り)、漬物の組み合わせが効果的です。洋食では全粒粉またはライ麦パン、ヨーグルトにはちみつときな粉をトッピングする方法が推奨されます。
特に水溶性食物繊維の中でも発酵性の高いペクチンやオリゴ糖を含む食品を選ぶと、善玉菌の増殖に効果的です。これらの食品は毎日継続して摂取することが重要であり、ご飯を炊く際に大麦をプラスする、漬物やキムチを冷蔵庫に常備する、間食や食後のデザートにヨーグルトを選ぶなど、無理なく続けられる工夫を患者に提案できます。外食時には野菜が多いメニューや和定食を選び、味噌汁をプラスすることも有効なアドバイスとなります。
参考)腸内フローラを整える方法とは?腸内環境の改善に役立つ食事術に…
医療従事者は、腸内環境を整えることが免疫力向上につながり、日和見菌を善玉菌側に味方させることができると患者に説明することで、食生活改善への動機づけを高めることができます。
参考)腸内環境の改善がカギ!免疫力を高める腸活|大正健康ナビ|大正…

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