輸液投与中は「異常がなければOK」と思っている看護師ほど、急変の第一発見者になりやすいです。
輸液管理の中核となるのが、IN/OUT(インアウト)バランスの評価です。 futawa-kango(http://www.futawa-kango.com/news/recruit/blog_20200602.html)
INとは水分摂取量全体を指し、点滴・経口水分・食事中の水分がすべて含まれます。OUTは尿量・排便・ドレーン排液・不感蒸泄(呼気や皮膚からの蒸発)を合計したものです。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/207002/)
成人の不感蒸泄は1日あたり約700〜900mLとされており、発熱が1℃上昇するごとにさらに約100〜150mL増加します。つまり、発熱患者では見えない水分喪失が大きくなるということですね。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/207002/)
INとOUTの差が+1,000mL以上で続く場合は浮腫が顕在化しやすく、−500mL以上のマイナスが続く場合は脱水の兆候が出始めます。数字を毎日記録することが原則です。
日常的な確認として、体重測定は非常に有効です。1日で1kg以上の体重増加があれば、体内に約1L分の水分が貯留している可能性があります。体重計が近くにある場合は積極的に活用しましょう。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/207002/)
尿量の目安として、成人では1時間あたり0.5mL/kg以上の確保が必要とされています。体重60kgの方であれば1時間あたり30mL、1日換算で約720mLが最低ラインです。この数値を下回る時間が続く場合は腎機能低下や循環不全のサインである可能性があります。 j-depo(https://j-depo.com/news/drip.html)
IN/OUTの記録は煩雑になりがちですが、経管栄養・抗菌薬など「見落とされやすいIN」を含めて正確に記録することが重要です。これが基本です。
参考:輸液ケアと観察ポイントの詳細(ナース専科)
輸液の看護|輸液とは?種類、管理、ケア – ナース専科
刺入部の観察は、点滴開始直後だけでなく投与中も定期的に行うことが必要です。 kango-roo(https://www.kango-roo.com/learning/5460/)
確認すべき項目は以下の通りです。 j-depo(https://j-depo.com/news/drip.html)
静脈炎は発赤→疼痛→索状硬結という順で進行します。早期発見のために「触って確認する」ことが重要で、視覚だけに頼らないことが鉄則です。 kango-roo(https://www.kango-roo.com/learning/5460/)
血管外漏出(輸液が血管外に漏れること)は刺入部の腫脹や冷感、疼痛で気づくことが多いです。抗がん剤や高浸透圧の輸液では組織壊死を起こす危険性があるため、発見が遅れると患者さんへの深刻なダメージにつながります。これは見逃せないですね。
輸液ラインの確認は、点滴スタンド→点滴ボトル→ドリップチャンバー→輸液ライン→接続部→刺入部という「上から下へ」の流れでたどることが推奨されています。 j-depo(https://j-depo.com/news/drip.html)
輸液ポンプ使用中でも、流量・積算量・予定量の確認は目視で行いましょう。機械任せにしないことが条件です。 j-depo(https://j-depo.com/news/drip.html)
参考:点滴中の観察手順と静脈炎への対応(j-depo.com)
点滴の看護技術|静脈内注射(DIV)の看護観察項目と成人滴下数計算
バイタルサインは輸液管理の基本観察ですが、「数値の変化の方向性」を追うことが重要です。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/207002/)
| バイタル項目 | 過剰投与のサイン | 脱水・不足のサイン |
|---|---|---|
| 血圧 | 上昇・頸静脈怒張 | 低下・起立性低血圧 |
| 脈拍 | 頻脈・不整脈 | 頻脈・微弱 |
| 呼吸数 | 増加・湿性ラ音 | 増加・口渇 |
| 体温 | 発熱(感染兆候) | 体温低下(末梢冷感) |
| SpO2 | 低下(肺水腫) | 低下(循環不全) |
呼吸状態への注目は特に重要です。輸液過剰になると肺に水分が貯留し(肺水腫)、SpO2が急速に低下することがあります。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/207002/)
聴診で「ブツブツ」「ゴロゴロ」といった湿性ラ音が聴取される場合は、肺水腫の早期サインである可能性があります。呼吸が速くなっているだけで気づくケースもあります。意外ですね。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/207002/)
心不全患者や高齢者では、少量の輸液でも容易に循環過負荷を起こすことがあります。「いつもの量」でも安心せず、呼吸状態と酸素化を継続的に評価することが看護師の役割です。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/225923/)
起立時の血圧低下(収縮期血圧が20mmHg以上低下)は脱水や循環血液量減少のサインとして知られていますが、輸液中であっても起こりうることを覚えておきましょう。これだけ覚えておけばOKです。
輸液管理中の全身状態の観察として、意識レベルと皮膚状態の変化も重要な観察項目です。 j-depo(https://j-depo.com/news/drip.html)
意識レベルの変化は電解質異常や血糖変動によって引き起こされることがあります。特に低ナトリウム血症(Na 130mEq/L以下)では、傾眠・頭痛・悪心・けいれんを起こすことがあり、輸液の種類や量の見直しが必要になります。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/225923/)
皮膚状態の観察ポイントは以下が挙げられます。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/500295)
浮腫の確認では「指で5秒間押して離す」方法が一般的です。押した後に凹みが残る「圧痕性浮腫」が見られた場合は、体内に少なくとも2〜3L以上の水分が過剰に蓄積している状態とされています。指一本で確認できる観察です。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/207002/)
また、発汗が著しい患者ではナトリウムとクロールの喪失が増加するため、輸液の電解質組成の確認と補正が必要になることがあります。つまり皮膚状態が輸液内容の見直しにもつながるということですね。
参考:浮腫の評価と水分管理(ナース専科)
輸液管理で見逃しちゃいけないポイントは? – ナース専科
滴下速度の管理ミスは、看護ヒヤリハット事例の上位を占める問題です。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/1414/)
成人用輸液セット(20滴=1mL)と小児用輸液セット(60滴=1mL)では、同じ指示量でも1分あたりの滴下数がまったく異なります。成人用・小児用を間違えると3倍の速度差が生じるため、輸液セットの確認は指差し確認で行うことが鉄則です。 j-depo(https://j-depo.com/news/drip.html)
| 輸液セット | 1mLあたりの滴下数 | 500mL/8時間の場合 |
|---|---|---|
| 成人用 | 20滴 | 約21滴/分 |
| 小児用 | 60滴 | 約63滴/分 |
滴下速度の計算式は以下です。
例:500mL を8時間(480分)で成人用輸液セットで投与する場合
→(500 × 20)÷ 480 ≒ 20.8滴/分(約21滴/分)
患者さんの体位変換や腕の向きが変わると滴下速度が変動することがあります。 訪室時には目視で滴下数を確認し、設定速度から大きくずれていないかを確かめましょう。これが日常ケアの基本です。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0714-6a_0014.pdf)
新人看護師の段階からダブルチェックの習慣を徹底することが、医療事故防止の第一歩です。 「相手が間違えるという前提でダブルチェックを行う」という意識が重要です。厳しいところですね。 mhlw-grants.niph.go(https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2005/058021/200501342A/200501342A0020.pdf)
参考:輸液管理のヒヤリハットと事故防止(ナース専科)
ヒヤリハットしない輸液管理|点滴筒の満たし方、輸液量の確認など – ナース専科
参考:厚生労働省によるヒューマンエラー事例報告書(PDF)
ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因する事故事例 – 厚生労働省
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