投与後2ヶ月間に肝機能検査を月1回未満しか行わないと、劇症肝炎を見逃して患者が重篤な転帰をたどるリスクがあります。
ユーエフティ投与直後から最初の4週間は、消化器症状が中心です。
参考)テガフール・ウラシル(ユーエフティⓇ)の副作用の出現時期は、…
悪心・嘔吐・食欲不振・下痢は投与開始後1週間から出現することがあり、特に重篤な口内炎は投与開始3週間以内に現れるケースが多いと報告されています。
早期段階でもう一つ注意が必要なのが、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)や中毒性表皮壊死融解症(TEN)です。
これらは投与開始1ヶ月以内に発症例が集中しており、初期の皮膚所見を見逃すと致命的な経過をたどります。早い段階での観察が基本です。
消化器症状については発現頻度のデータが整理されています。
| 副作用 | 発現頻度 | 主な発現時期 |
|---|---|---|
| 食欲不振 | 24.3% | 投与開始後早期〜 |
| 悪心・嘔吐 | 12.5% | 投与開始後早期〜 |
| 下痢 | 11.1%〜68.9%(用法により異なる) | 投与1週間〜2ヶ月 |
| 重篤な口内炎 | 頻度不明 | 投与3週間以内に多い |
| 皮膚粘膜眼症候群・TEN | 頻度不明 | 投与1ヶ月以内に多い |
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消化器症状が強い場合は、制吐剤や整腸剤の早期併用でコントロールできることがあります。
参考)テガフール・ウラシル配合(UFT ユーエフティ) &#821…
症状の強さと体重変化を週単位で記録しておくと、後の経過判断に役立ちます。
投与開始から1〜2ヶ月目は、ユーエフティの副作用管理において最も注意が必要な時期です。
この期間に劇症肝炎等の重篤な肝障害と骨髄抑制が集中して発現することが知られています。
参考)ユーエフティ配合カプセルT100の基本情報(副作用・効果効能…
重要な点があります。
添付文書では「投与開始から2ヶ月間は1ヶ月に1回以上」の肝機能検査が義務づけられています。
これは任意ではなく、医療従事者が遵守すべき管理基準です。検査を怠った場合、黄疸(眼球黄染)が出現してからの発見となり、介入が手遅れになるリスクがあります。
骨髄抑制の目安として白血球減少は25.0%、赤血球減少(グレード3以上)は50.0%という数値が報告されています。
参考)ユーエフティE配合顆粒T150の効能・副作用|ケアネット医療…
50%という数字はコインの表裏と同じ確率であることを考えると、決して稀な事象ではありません。
つまり2ヶ月以内が最大のリスク期間です。
骨髄抑制の管理には定期的な血液検査が条件です。
外来投与の場合、次回受診まで2〜3週間空くケースも多いため、患者自身に「発熱・出血傾向・息切れ」を感じたら即受診するよう事前に指導しておくことが重要です。
投与開始から3ヶ月以降になると、初期の警戒が薄れがちになります。厳しいところですね。
しかしこの時期に見落としやすい重篤な副作用が複数あります。
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間質性肺炎の初期症状(咳嗽・息切れ・発熱)は、患者が「風邪かもしれない」と軽視することが多いです。
参考)ユーエフティE配合顆粒T100の基本情報(副作用・効果効能・…
医療従事者側から積極的に問診で引き出す姿勢が必要です。
白質脳症は初期に記銘力低下や歩行の違和感として現れることがあり、患者や家族が「年のせい」として見過ごしやすい副作用です。
参考)ユーエフティE配合顆粒T150 - 基本情報(用法用量、効能…
3ヶ月以上投与が続く患者には、認知機能や神経学的所見のスクリーニングを定期的に行う価値があります。
胸部症状や神経症状は見逃し厳禁です。
術後補助化学療法として1〜2年投与されるケースでは、長期投与特有の副作用を理解しておく必要があります。
長期投与で問題になる副作用には以下があります。
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特に肝硬変については、「AST・ALTが正常値でも肝硬変に進行していた」という報告があります。
参考)http://www.sgsg.biz/upload/user/00002140-px4YwK.pdf
通常の肝機能検査値だけを根拠に「肝臓は問題なし」と判断するのは危険です。
ネフローゼ症候群は長期投与においても30ヶ月後まで出現しうるため、投与終了後も一定期間の尿検査フォローが推奨されます。
つまり投与終了後も油断は禁物です。
嗅覚障害は患者からの申告が少なく、問診で直接「においの変化はありますか?」と確認しないと見落とされやすい副作用です。投与6ヶ月以降は毎回の外来で必ず確認する習慣が大切です。
発現時期を正確に把握していても、患者への伝え方が不十分だと早期発見につながりません。これは使えそうです。
患者への説明時に伝えるべきポイントは時期別に整理できます。
| 時期 | 患者に伝える症状 | 受診基準 |
|---|---|---|
| 投与開始〜3週間 | 口内炎・皮膚症状・悪心 | 水疱・皮膚びらんが出た場合は即日受診 |
| 1〜2ヶ月 | 倦怠感・黄疸・発熱・出血 | 眼球が黄色い、38℃以上の発熱で即受診 |
| 2〜4ヶ月 | 咳・息切れ・胸の違和感 | 2週間以上続く咳で次回診察前でも連絡 |
| 3ヶ月以降 | 物忘れ・歩行の変化・においの変化 | 家族も含めて変化を報告してもらう |
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患者説明では「いつ何が起こりうるか」を具体的な時期と症状で伝えることが重要です。
「副作用に注意してください」という抽象的な説明では、患者は受診すべきタイミングを判断できません。
医療機関側の対応として、投与2ヶ月間の肝機能検査スケジュールを処方時にあらかじめ設定しておくことが、管理漏れを防ぐ実践的な方法です。
電子カルテのアラート機能を活用して、検査オーダーを自動的に促す設定を行っている施設もあります。
患者の状態を十分観察することが原則です。
また、S-1(ティーエスワン)投与中および投与中止後7日以内はユーエフティの投与が禁忌です。
ギメラシルによるフルオロウラシルの異化代謝阻害により、血中5-FU濃度が著しく上昇し、重篤な消化器・骨髄障害が発現するリスクがあります。他科からの処方歴の確認が条件です。
以下のリンクは添付文書の詳細情報や医療従事者向けの副作用管理に関する公式情報です。
投与開始後の肝機能検査スケジュールや重篤な副作用の早期発見に関する添付文書情報(MedPeer医療従事者向けデータベース)。
ユーエフティ 添付文書・副作用詳細(MedPeer)
副作用の種類別発現時期の詳細解説(Ubie医師回答データベース)。
テガフール・ウラシルの副作用の出現時期(Ubie)
PMDAによる適正使用ガイド(医療従事者向け公式資料)。
ユーエフティ 適正使用ガイド(PMDA)