運動障害は神経系の異常により生じる運動機能の障害で、原因部位により錐体路系と錐体外路系に大別されます 。MSDマニュアルによると、運動障害は動きの減少または緩慢な動きを引き起こすタイプと、動きを増加させるタイプに分類されます 。
参考)運動障害の概要 - 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 - M…
錐体路系障害では、脳の運動野から脊髄を通る経路の損傷により随意運動の麻痺が生じます 。一方、錐体外路系障害は姿勢維持や平衡感覚を司る神経回路の異常により、パーキンソニズムや不随意運動が出現します 。
参考)錐体路とは?錐体外路障害の原因と治療
錐体路は脳の運動野から脊髄を通って筋肉へ達し、自分の意思で体を動かす際の主要な伝達経路です 。脳卒中などで体が麻痺して意思通りに動かないのは、錐体路が障害されている状態を指します 。
錐体外路は姿勢維持のための筋緊張や平衡感覚など、体が反射的に行う運動の情報を伝達します 。錐体外路障害では大脳基底核から大脳皮質の神経ルートで異常が生じ、運動減少症状と運動過多症状の両方が出現する可能性があります 。
参考)https://www.akira3132.info/etd.html
運動麻痺は筋肉の緊張状態により、弛緩性麻痺と痙性麻痺に分けられます 。弛緩性麻痺では麻痺した筋肉を動かそうとしても全く抵抗が起こらず、筋緊張が失われています 。
参考)運動障害に関するQhref="https://www.kango-roo.com/learning/3519/" target="_blank">https://www.kango-roo.com/learning/3519/amp;A
痙性麻痺では麻痺した筋肉を急に伸ばそうとすると痙縮という抵抗現象が生じ、筋緊張が亢進します 。痙縮は脳や脊髄の病気により「筋肉を収縮させる指令」と「筋肉を緩ませる指令」のバランスが崩れることで発生します 。
参考)https://jpn-spn.umin.jp/sick/g.html
運動失調は障害部位により小脳性、脊髄性、前庭性、大脳性失調に分類されます 。小脳性運動失調は運動失調の分類で最も頻度が高く、小脳梗塞・出血・腫瘍や脊髄小脳変性症などで生じます 。
参考)ふらつき(運動失調)│日吉台病院
小脳性失調症の特徴として、深部感覚は正常であるが酩酊歩行様の歩行、測定異常、企図振戦、両側または病巣同側の片側性症状出現があります 。小脳が障害されると運動プログラムが機能せず、共同運動不全により筋や神経がバラバラに作用してしまいます 。
参考)【療法士向け】運動失調症の理解とリハビリ方法について
錐体外路症状は大脳皮質-大脳基底核ループの障害に由来し、パーキンソン病が代表的疾患です 。錐体外路症状には固縮、無動、振戦、舞踏運動、アテトーゼ、ジストニアなどが含まれます 。
参考)錐体外路症状 - 脳科学辞典
ジスキネジアは不随意運動の一種で、特に抗精神病薬の長期使用により生じる遅発性ジスキネジアが問題となります 。遅発性ジスキネジアでは口をすぼめる、舌を左右に動かす、口をもぐもぐさせるなどの意味のない動きが反復し、自分の意思では止められません 。
参考)遅発性ジスキネジア - Wikipedia
機能性運動障害は神経系の基礎疾患が原因ではない運動異常で、転換性障害の一部として位置づけられます 。機能性歩行障害には過度の遅さ、「氷の上を歩く」パターン、クラウチング歩行、突然の膝崩れ、不安定歩行などがあります 。
参考)機能性運動障害 href="https://neurosymptoms.org/ja/symptoms/fnd-symptoms/functional-movement-disorders/" target="_blank">https://neurosymptoms.org/ja/symptoms/fnd-symptoms/functional-movement-disorders/amp;#8211; Functional Neu…
転換性障害の運動症状として、手足の麻痺や脱力、歩行障害、けいれん発作、嚥下困難、発声障害などが現れます 。これらの症状は身体的な異常が認められず、心理的要因による身体症状への転換として理解されます 。
参考)転換性障害