有酸素運動は、酸素を体内に取り込み、その酸素を使って筋肉を動かすエネルギーを産生する運動です 。代表的な有酸素運動には、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクスなどがあります 。
参考)運動療法 種類と目的
有酸素運動の主要な医学的効果として以下が挙げられます。
参考)徳島平成病院
参考)運動の種類と強度
有酸素運動は比較的筋肉への負荷が軽く、長時間継続して行える特徴があります 。運動中に筋を収縮させるためのエネルギー「アデノシン三リン酸(ATP)」を、体内の糖や脂肪が酸素とともに作り出すことから有酸素運動と呼ばれています 。
参考)トレーニング:有酸素運動とは
無酸素運動は、酸素を使わずに筋肉を動かす負荷の強い運動で、代表的なものにレジスタンストレーニング(筋力トレーニング)があります 。無酸素運動では、有酸素運動に比べて短い時間にエネルギーを多く必要とし、時間当たりの消費エネルギーは大きいですが、乳酸が溜まりやすく疲労しやすいため長時間の運動には向いていません 。
参考)トレーニング:無酸素運動とは
レジスタンストレーニングの目的別分類。
無酸素運動の主要な効果として、基礎代謝の向上、除脂肪体重の増加、インスリン感受性の改善などが認められています 。特に筋のエネルギー貯蓄量が増加することで、筋力が向上し、日常的な動作においてのエネルギー効率が上昇します 。
ストレッチングは、筋肉の柔軟性を高めて関節可動域を改善する運動療法です 。日常生活で座位など同じ姿勢が続いたり、運動で同じ動作が繰り返されることで筋の柔軟性に偏りが出ると、硬くなった部分では動きが制限されるようになります 。
参考)運動療法とは?種類・目的・注意点をポイント解説
ストレッチングの医学的効果。
参考)第49回日本理学療法学術大会/関節可動域制限に対する運動療法…
興味深い研究知見として、8週間未満の慢性的なストレッチングへの適応は、主に感覚レベルで発生することが報告されています 。これは「ストレッチトレランス」と呼ばれる現象で、抵抗感が変わらずに伸張痛や不快感の閾値が高まることで関節可動域が拡大することを指します 。
参考)ストレッチで骨格筋は柔らかくなるのか? ~ストレッチトレラン…
運動療法は、物理療法と組み合わせることでより効果的な治療結果を得ることができます 。物理療法とは、温熱、超音波、低周波、電気などの物理的刺激を用いて症状を軽減し、組織の回復を促すリハビリテーション手法です 。
参考)リハビリの物理療法って?
統合的アプローチの利点。
理学療法士が個々の患者に合ったリハビリテーションプログラムを作成し、運動療法と物理療法を適切に組み合わせることで、早期の機能回復や疼痛緩和を図り、社会復帰やスポーツ復帰を支援しています 。
参考)301 Moved Permanently
近年注目されているバランストレーニングは、従来の運動療法に加えて、認知機能向上や転倒予防に特に効果的とされています 。コーディネーショントレーニングとも呼ばれ、脳でイメージした動きを上手く体に伝えて動かす、ゲーム感覚で楽しみながらできる運動として注目されています 。
参考)https://inh.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/11/71968dd1954e3e1608875985f884ad0f.pdf
最新のバランストレーニング手法。
参考)【2025年最新】アルツハイマー病患者のバランス機能改善と転…
参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/32/3/32_459/_pdf
これらの新しいアプローチは、特に高齢者の転倒予防や認知症患者のバランス機能改善において、従来の運動療法以上の効果を示しています 。Core Stability Training(CST)などの手法では、体幹と四肢の協調的な活動を集中的に促すことで、重度の失調症患者の立位バランス能力や上下肢の失調症状を改善する可能性が示されています 。