レナリドミドカプセル fの用法と副作用と注意点

レナリドミドカプセル「F」の適正使用に必要な用法・用量、RevMate®管理手順、主な副作用と対処法を解説します。医療従事者として知っておくべき注意点とは?

レナリドミドカプセル fの適正使用と副作用・管理手順

高脂肪食と一緒に服用すると、血中濃度が通常の約半分に下がってしまいます。


レナリドミドカプセル「F」:3つの重要ポイント
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適応疾患

多発性骨髄腫、5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群(MDS)の2疾患が承認適応です。

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RevMate®必須登録

催奇形性リスクのため、医師・薬剤師の登録と処方ごとの遵守確認が義務付けられています。

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主要な重大副作用

好中球減少症40.1%、感染症22.0%、深部静脈血栓症6.2%が上位を占め、定期的な血液学的検査が必須です。

レナリドミドカプセル fの効能・用法と投与スケジュール

レナリドミドカプセル「F」(富士製薬工業)は2024年1月に販売が開始されたジェネリック医薬品です。 承認適応は「多発性骨髄腫」と「5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群(MDS)」の2疾患です。


参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00070989.pdf


疾患によって投与スケジュールが異なります。


  • 🔴 多発性骨髄腫(A法):1日1回25mgを21日間投与→7日間休薬(1サイクル28日)
  • 🔴 多発性骨髄腫(B法):1日1回25mgを14日間投与→7日間休薬(1サイクル21日、最大8サイクル)
  • 🔵 MDS(5q欠失):1日1回10mgを21日間投与→7日間休薬(1サイクル28日)

単独投与での有効性・安全性は確立されていないため、必ず他の抗悪性腫瘍剤との併用で使用します。 これが原則です。


服薬を忘れた場合、通常の服用時刻から12時間以上経過していれば服用せず、次の分から服用するよう患者に指導してください。 腎機能が正常な患者(CLcr 60mL/min以上)では、投与量の約90%が12時間以内に血漿中から消失するため、この基準が設けられています。


レナリドミドカプセル fと高脂肪食・腎機能による用量調節

食事の影響は見落とされやすい点です。高脂肪・高カロリー食の食後に服用すると、AUCが約20%、Cmaxが約50%低下し、tmaxが約1.6時間延長することが外国人データで報告されています。 つまり血中濃度が大幅に低下します。


参考)医療用医薬品 : レナリドミド (レナリドミドカプセル2.5…


腎機能障害がある患者への開始用量は以下の通り調整が必要です。


腎機能分類 CLcr 多発性骨髄腫 MDS(5q欠失)
中等症 30≦CLcr<60 mL/min 10mg/日(2サイクル後15mgへ増量可) 5mg/日
重症(透析不要) CLcr<30 mL/min 15mgを2日に1回 2.5mg/日
重症(透析必要) CLcr<30 mL/min 5mg/日(透析後投与) 2.5mg/日(透析後投与)

腎機能障害患者では血中濃度が正常腎機能と比べて中等症~重症(透析必要)で約3~5倍に上昇します。 腎機能確認が前提です。


レナリドミドカプセル fの重大な副作用と対処法

臨床試験(MM-020試験等の集計)から把握すべき重大副作用の発現頻度は以下の通りです。


  • 🩸 好中球減少症:40.1%(最も高頻度)
  • 🦠 感染症(肺炎・敗血症等):22.0%
  • 🩸 貧血:20.4%
  • 🩸 血小板減少症:19.2%
  • 🫀 深部静脈血栓症:6.2%/肺塞栓症:3.0%
  • ❤️ 不整脈心房細動等):3.1%

骨髄抑制が最大の懸念事項です。好中球数が500/μL未満、または血小板数が25,000/μL未満に低下した場合は休薬し、回復後に5mg減量して再開します。 2.5mg投与中に再発した場合は2.5mgで再開します。


血栓リスクへの対処として、深部静脈血栓症や肺塞栓症の既往がある患者には低分子ヘパリン・ヘパリン・ワルファリンの予防投与を4ヵ月間実施し、その後は低用量アスピリンまたは抗凝固薬を継続することが臨床試験で規定されていました。


また、ジギタリス製剤(ジゴキシン等)との併用時はジゴキシンのCmax・AUCが約14%増加するため、血中濃度モニタリングが必要です。


以下の参考リンクは添付文書・適正使用ガイドの全文です(副作用発現頻度の詳細と休薬基準の確認に有用)。
レナリドミドカプセル「F」適正使用ガイド(富士製薬工業・PMDA掲載、副作用対策・RevMate遵守事項の詳細)。
レナリドミドカプセル「F」適正使用ガイド(PMDA)

RevMate®遵守手順と医師・薬剤師の登録義務

RevMate®(レナリドミド・ポマリドミド適正管理手順)は、催奇形性による胎児曝露を防ぐために設けられた必須の管理プログラムです。 レナリドミドはカニクイザルの非臨床試験で催奇形性が確認されており、ヒトでも同様のリスクがあると判断されています。


医師・薬剤師はRevMate®に登録した上で、処方ごとに患者の遵守状況を確認することが義務付けられています。


患者区分ごとの主な遵守事項は以下の通りです。


  • 男性患者(A男性):治療中および治療終了4週間後まで精子・精液の提供禁止・献血禁止・コンドーム着用必須
  • 妊娠可能性のない女性(B女性):治療中および治療終了4週間後まで献血禁止
  • 妊娠可能性のある女性(C女性):上記に加え、治療開始4週間前から終了4週間後まで妊娠検査を複数回実施し、1種類以上の避妊法を徹底

RevMate®への登録と遵守確認が前提です。これを遵守できない患者への投与は禁忌とされています。 詳細はRevMate®公式サイト(https://www.revmate-japan.jp/)でも確認できます。


レナリドミドカプセル fでの二次発がんリスクという独自視点の管理課題

あまり注目されない点として、レナリドミド投与患者では二次発がんのリスクがあります。未治療の多発性骨髄腫を対象とした外国臨床試験で、レナリドミド投与群は対照群と比べて悪性腫瘍の発現割合が高く、急性骨髄性白血病・骨髄異形成症候群・B細胞性悪性腫瘍・固形癌等が発現したと報告されています。 意外ですね。


さらに、未治療の慢性リンパ性白血病(承認外効能・効果)の海外臨床試験では、レナリドミド投与群で対照群(クロラムブシル)と比較して死亡リスクが92%増加したことも報告されており、適応外使用の危険性を示しています。


これは骨髄腫・MDS以外への適応外使用が重大な健康リスクにつながるということです。二次発がんリスクへの対処として、治療中は定期的に患者の全身状態を観察し、異常が認められた場合は直ちに投与を中止してがん専門医による治療を検討します。


投与中は疲労、めまい、傾眠、霧視、錯乱が報告されているため、患者への自動車運転等の危険を伴う機械操作の禁止指導も必要です。 指導の徹底が条件です。


添付文書の最新版(PMDA掲載、用法・用量・副作用の詳細確認に必須)。
レナリドミドカプセル「F」添付文書(JAPIC掲載)