あなたが毎日触れている点滴器具、実はこの菌の温床になっていることがあります。
医療従事者の多くは、この菌を「皮膚の常在菌で、基本的に問題ない」と考えています。確かに健常者の皮膚や粘膜に広く存在し、感染を起こすことはまれです。しかし、免疫抑制患者では話が違います。スタフィロコッカス エピデルミディスは、中心静脈カテーテル(CVC)感染症の約35%を占めています。
つまり「普段 harmless な菌ほど、医療器具では危険」なのです。
感染コントロールが不十分な場合、敗血症に進行する事例もあります。
この違いを理解することが第一歩です。
いいことですね。
最大の特徴は「バイオフィルム形成能」です。ポリスチレン製デバイスやシリコンチューブ上で、24時間以内に強力な保護膜を形成します。これにより、抗菌薬の侵入を物理的に防ぐのです。
ある研究では、バイオフィルム内の菌はフリー状態の菌に比べて1000倍以上の抗菌薬耐性を示しました。
つまり通常投与量では殺菌困難です。
治療の遅れは患者の生命に直結します。したがって、除去手技が最も確実な対応になります。
バイオフィルム除去の基本です。
ICU調査では、カテーテル関連血流感染(CRBSI)の43%からスタフィロコッカス エピデルミディスが検出されています。この数値はMRSAを上回ります。特に長期留置デバイスでは、菌が皮膚表面から付着→増殖→バイオフィルム形成→感染という進行をたどります。
つまり「清潔操作=感染防止」では不十分なのです。
定期的なデバイス交換が推奨されます。
感染管理が原則です。
スタフィロコッカス エピデルミディス の約80%の臨床分離株が mecA 遺伝子を保持しています。これはβ-ラクタム系抗菌薬に対する耐性をもたらす要因です。
一見「コアグラーゼ陰性だから耐性はない」と誤解されがちですが、実はMRSE(Methicillin-resistant Staphylococcus epidermidis)として知られる存在です。
メチシリン耐性菌感染は治療期間が平均2倍、入院費用が約1.7倍に増大します。
医療経済的損失も看過できません。
つまり早期検出が条件です。
PubMed — mecA遺伝子を有するS. epidermidisの臨床的意義
現場では「アルコール消毒すれば問題ない」と考える人が多いですが、実際にはそれだけでは不十分です。バイオフィルム内に潜む菌は、エタノール70%以上でも生存率が10%程度保たれる報告があります。
つまり、強い抵抗力を持っているということ。
手指消毒剤の選択と接触時間の管理がカギを握ります。
皮膚上での再増殖を防ぐためには、塩化ベンザルコニウムなど残効成分の製品を選ぶのが効果的です。
つまり選び方がリスク管理です。