「IV度を知らずにIII度のまま処理すると、あなたの現場で救命できたはずの症例を毎年1~2例は確実に取り逃します。」

熱中症診療ガイドライン2024では、従来のIII度重症例の一部を切り出して「IV度」という最重症カテゴリーを新設しています。 具体的には、深部体温40.0℃以上かつグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)8以下の症例をIV度と定義し、従来のBouchama基準の重症例がここに相当します。 これはICUレベルでのActive Coolingを含む集学的治療を前提とした層であり、救命率と後遺症リスクの観点からもIII度とは切り離して考える必要があります。 つまりIV度は「単なる悪化したIII度」ではなく、初期対応の段階から搬送先や治療資源配分を変えるべき別枠のカテゴリーということですね。 carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/59020)
IV度の早期認識を補助するため、ガイドラインでは「qIV度(quick IV度)」という現場用の指標も提示しています。 qIV度は「表面体温40.0℃以上(または明らかな皮膚熱感)かつGCS≦8(もしくはJCS≧100)」という組み合わせで、深部体温測定を行う前に最重症疑いを拾い上げるためのツールです。 救急現場や救急外来トリアージでは、直腸温や膀胱温をすぐ測れない場面も少なくありません。つまりqIV度は「深部体温を待たずに、Active Coolingと高次医療機関への搬送を先に決めるためのスイッチ」と理解するのが実務的です。 weathernews(https://weathernews.jp/news/202509/240196/)
IV度の定義は一見シンプルですが、GCS8以下というカットオフは、例えば痛み刺激にわずかに反応する程度の患者も含むため、現場感覚的には「もう少し軽そう」に見えるケースも含まれます。 ここを「まだ呼びかけに反応するからIII度」と扱ってしまうと、Active Cooling開始が30分~1時間遅れて、その差がそのまま予後の差につながり得る点が重要です。 結論は、2024年版では深部体温40.0℃とGCS8という数字を、トリアージや申し送りでもそのまま口に出して確認する文化を現場に根付かせることが鍵ということです。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=-usz7653qhQ)
熱中症診療ガイドライン2024の作成経緯と重症度分類の詳細(国立保健医療科学院 保健医療科学)
2024年改訂では、新しいIV度が定義されたことに伴い、従来のIII度は「IV度に該当しないIII度(2015)」として再整理されています。 つまり、2015版でIII度とされていた症例の中で、深部体温が40.0℃未満、あるいはGCSが9以上の重症例は、依然としてIII度に含まれるという扱いです。 実務的には、これらのIII度も当然ながら入院・精査・積極的な冷却が必要であり、IV度との差は「最重症かどうか」つまり、より迅速な集中治療レベルの介入が必要かどうかにあります。 つまりIII度も依然として「重症熱中症」であることに変わりはないということですね。 yy-clinic(https://www.yy-clinic.jp/info/heatstroke-prevention-guidelines2025-7-19/)
トリアージ上のポイントは、「III度ならとりあえず地域中核病院へ、IV度疑いなら初療からICUを持つ高次施設を強く意識する」といった搬送判断に反映させることです。 たとえば、救急隊からのホットラインで「表面体温40.5℃、GCS7、qIV度疑い」と申し送りがあれば、受付段階でICUベッドの空き確認やActive Cooling機器の準備を開始する運用が望まれます。 一方で「GCS14だが見当識障害あり、ふらつき著明」といったIII度症例では、急変の可能性は高いものの、現場により幅広い搬送選択肢が残ります。結論は、III度とIV度の線引きが、単なる診断名ではなく「どのリソースをどのタイミングで動員するか」の差として意味を持つようになったということです。 tokuteikenshin-hokensidou(https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2024/013308.php)
また、III度からIV度に移行するスピードは、高齢者や基礎疾患を持つ患者ほど速い傾向があり、到着時にはIII度でも30分後にはqIV度に到達している例が珍しくありません。 そのため、外来レベルで経過観察と判断したIII度症例に対しては、30分~1時間ごとのGCS再評価と体温チェックをルーチン化するなど、モニタリングの密度を上げる必要があります。 つまりIII度症例は、「安定して見えてもIV度予備軍」であると意識して管理することが2024年版に即したスタンスということですね。 carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/59020)
外来医がまとめた熱中症重症度分類2024の変更点とIII度・IV度の具体例(YYクリニック)
I度は「立ちくらみ、生あくび、大量発汗、こむら返りなどがあるが意識障害はない状態」とされ、現場対応で完結し得る軽症と位置づけられています。 II度は「頭痛、嘔気・嘔吐、全身倦怠感などで救急搬送や医療機関受診が必要な中等症」であり、点滴や観察によって多くは改善しますが、特に高齢者では数時間単位でIII度へ進行するリスクを抱えています。 従来、「I度は休ませて水分補給でOK」「II度でも急変は稀」と考えていた医療従事者は少なくありませんが、猛暑日が連続する近年では、同一患者が数日間にわたってI~II度を反復しながら、ある日突然III~IV度へ移行するパターンが増えています。 つまりI度だから安心という時代ではないということですね。 osh-management(https://osh-management.com/essay/information/heatstroke-prevention-textbook/)
I度・II度で見落としやすいのは、「既に体温は下がっているが、中枢神経症状や臓器障害の前駆としての倦怠感が残っているケース」です。 たとえば、職場の熱中症予防管理のデータでは、I・II度と判断された労働災害のうち、翌日にIII度で再受診した例が一定割合存在することが報告されています。 このような症例では、初回受診時に「自宅での再燃兆候(ふらつき、言動の変化、尿量減少など)」を具体的に説明し、家族や同僚に観察ポイントを共有してもらうことが再受診・重症化防止につながります。 「I度・II度=説明短めで早く返す」というルーチンは、2024年版の文脈では見直しが必要ということですね。 niph.go(https://www.niph.go.jp/journal/data/74-2/202574020004.pdf)
また、小児のI・II度では「ぐったりしているけれど、一時的に機嫌が戻る」ケースが多く、保護者も「さっきまで元気だったので様子を見る」と判断しがちです。 外来や救急でのポイントは、症状の強さだけでなく「高温環境へのさらされ方(炎天下での部活時間、エアコンなしの室内滞在時間など)」を10分程度かけて聴取し、帰宅後のリスク時間帯(夕方~夜間)を想定した指導を行うことです。 結論は、I度・II度でも「その日のうちの重症化リスク」と「翌日の再受診リスク」の二軸で評価し、指導内容と観察者をセットで決めることが重要ということです。 osh-management(https://osh-management.com/essay/information/heatstroke-prevention-textbook/)
職場の熱中症予防管理者向けテキスト(I~III度の具体例と労災データ)
熱中症診療ガイドライン2024では、小児と高齢者、基礎疾患保有者を念頭に置いたClinical Questionも設定されており、重症度分類の解釈にも年齢や背景を加味することが示唆されています。 高齢者では、深部体温が40.0℃に達する前に中枢神経症状や循環不全が前景に立つことがあり、数字だけを見ると「39.5℃だからまだIII度」と誤認しやすいのが実際です。 たとえば、独居高齢者がエアコンなしの室内で倒れていた症例では、発見時の腋窩温が39℃台でも、発見までの時間経過や脱水の程度を考えると、IV度相当の臓器障害が進行している可能性があります。 つまり高齢者では「体温の数字より意識状態と循環動態を優先してIV度相当かどうかを判断する」ことが現実的ということですね。 yy-clinic(https://www.yy-clinic.jp/info/heatstroke-prevention-guidelines2025-7-19/)
小児では、GCS評価の難しさに加え、深部体温測定が施設によっては実施しづらいという制約があります。 この場合、qIV度の「表面体温40.0℃以上かつGCS≦8」という基準を、小児版に少しアレンジして運用する施設も出てきています。 具体的には、「皮膚の熱感+反応が乏しい+意味のある言葉が出ない」という3点を、qIV度相当のサインとして看護師が早期にピックアップし、医師に即時報告するトリアージルールなどです。 こうした院内ルールを決めておけば、「眠そうだけど大丈夫そう」という主観的評価だけで様子を見るリスクを減らせます。結論は、小児と高齢者では、数値よりも「普段との違い」を家族・介護者から具体的に聞き出すことが分類の補助になるということです。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=-usz7653qhQ)
基礎疾患としては、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、アルコール依存症、利尿薬内服中などが、III度・IV度への移行リスクとしてガイドラインや解説記事でも繰り返し挙げられています。 外来でI・II度と判断したとしても、これらの背景因子を2つ以上持つ患者では「実質的にはIII度に近いリスク層」として、低めの閾値で入院や短期経過観察入院を検討する運用が望まれます。 このような患者では、入院を見送る場合でも、家族に「数時間以内に再度頭痛やふらつきが出たら迷わず救急要請」といった具体的な行動目標を伝えることが、重症化時の受診遅れ防止に直結します。 つまり背景因子は「何度か聞く問診項目」ではなく、「III度以上へどれだけ傾きやすいかを評価するためのスコアの一部」として扱うべきということですね。 weathernews(https://weathernews.jp/news/202509/240196/)
熱中症診療ガイドライン2024の概要と重症度分類・IV度の解説(ケアネット)
熱中症重症度分類2024を現場で活かすためには、「医師だけが知っている分類」から「チーム全体で共有する運用ルール」へ落とし込むことが重要です。 まず救急外来では、トリアージナースが初期評価の段階で「I~IV度の仮判定」を入力し、GCSと体温(可能なら深部体温)を必ずセットで記録するフローを整えると、診療の抜け漏れを減らせます。 たとえば電子カルテのテンプレートに「qIV度疑いチェック項目」を一行追加するだけでも、年間数十例レベルでの早期認識につながる可能性があります。 つまり分類を「書類上の区分」から「入力必須項目」に格上げするのが実務的な一歩ということですね。 carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/59020)
病棟では、III度・IV度症例の経過観察において、「体温」「GCS」「尿量」の3点セットを2~4時間ごとに確認し、IV度の基準に近づいたタイミングで主治医とICUチームにアラートを上げる運用が効果的です。 ここで使えるのが、看護記録に組み込んだ「熱中症ラダー」で、たとえば「GCS2点以上低下」「尿量0.5mL/kg/h未満」「表面体温再上昇」などの条件を満たした場合に、Active Coolingの再評価や輸液調整を義務づけるような簡易スコアです。 医療安全の観点からも、このようなラダーを作成して職員研修でケースレビューを行うことで、現場全体の感度を上げることができます。 結論は、「IV度を知っている人を増やす」だけでなく、「IV度を見逃さないためのチェックポイントをチームで共有する」ことが2024年版の本当の狙いということです。 niph.go(https://www.niph.go.jp/journal/data/74-2/202574020004.pdf)
さらに、地域連携の視点では、救急隊・かかりつけ医・急性期病院の間で、熱中症重症度分類2024を共通言語として用いることが重要になります。 具体的には、救急要請時のプロトコルに「I~IV度の簡易判定項目」を追加し、かかりつけ医が「II度だがIII度に近い」「qIV度疑い」といった情報を救急隊に伝えることで、搬送先選定がスムーズになります。 この連携がうまく機能すれば、IV度患者がCTやPCI待ちでベッドが空いていない病院に集中的に搬送されてしまう、といったミスマッチを減らせます。 つまり分類2024は、院内の話にとどまらず「地域単位での熱中症診療ネットワーク」を組み直すきっかけとして活用できるということですね。 tokuteikenshin-hokensidou(https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2024/013308.php)
日本救急医学会『熱中症診療ガイドライン2024』改訂と職場・地域の熱中症対策(保健指導リソースガイド)
最後に、あなたの所属施設ではIV度・qIV度を含めた熱中症重症度分類2024を「誰が・どのタイミングで・どう記録するか」というルールはすでに明文化されていますか?

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