インスリン製剤一覧2026年版で知る種類と使い分け

2026年最新のインスリン製剤一覧を超速効型・速効型・持効型・混合型など種類別に解説。バイオ後続品や週1回製剤アウィクリ®の登場で選択肢が広がった今、医療従事者が知っておくべき使い分けのポイントとは?

インスリン製剤一覧2026:種類と使い分けを徹底解説

1回のインスリン注射に切り替えると、最初の2〜3日に低血糖リスクが最も高くなります。


💉 インスリン製剤 2026年版 3つのポイント
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週1回製剤が登場

アウィクリ®(インスリン イコデク)が2025年1月30日より販売開始。世界初の週1回基礎インスリン製剤として患者負担を大幅軽減。

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2026年2月改訂版一覧表

日本糖尿病学会・JADEC監修の最新インスリン製剤一覧表が2026年2月に更新。超速効型〜持効型まで全剤種を網羅。

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バイオ後続品の選択肢拡大

インスリン アスパルトBS・インスリン リスプロBS・インスリン グラルギンBSなど後発品が複数揃い、薬価差を活用した処方選択が重要に。


インスリン製剤の種類一覧:超速効型から持効型溶解まで


インスリン製剤は作用発現時間と持続時間によって、大きく6種類に分類されます。それぞれで使うタイミングがまったく異なります。これが基本です。


日本糖尿病学会・JADEC監修の2026年2月改訂版一覧表によると、現在流通しているプレフィルド製剤は以下のように整理されます。


分類 代表的な製剤名 注射タイミング 特徴
⚡ 超速効型(食後注射可) フィアスプ®、ルムジェブ® 食事開始時〜開始後 最速クラス、食直後でも対応可
⚡ 超速効型(食直前) ノボラピッド®、ヒューマログ®、アピドラ® 食直前 10〜20分で効果発現
🔵 速効型 ノボリンR®、ヒューマリンR® 食事30分前 ヒトインスリン構造、30〜60分で発現
🟤 中間型 ノボリンN®、ヒューマリンN® 時刻固定 NPH製剤、混濁タイプ
🟣 持効型溶解(1日1回) トレシーバ®、ランタスXR®、レベミル® 1日1回・任意 ピークレスでベーサル補充
🌟 持効型溶解(週1回) アウィクリ® 週1回 2025年1月販売開始・世界初
🔀 混合型 ノボラピッド30ミックス®、ヒューマログミックス25® 食直前 超速効型+中間型の配合製剤
🟢 配合溶解 ライゾデグ®配合注 食直前 超速効型+持効型の組み合わせ


超速効型の中でも、フィアスプ®とルムジェブ®は「食事開始後」でも投与できる点が他の超速効型と大きく異なります。これは使えそうです。例えば高齢者や認知症患者で「食べるかどうかわからない」場面では、この2剤が臨床上の選択肢になります。


バイオ後続品(BS製剤)も存在感を増しています。インスリン アスパルトBS(ノボラピッド®のBS)、インスリン リスプロBS(ヒューマログ®のBS)、インスリン グラルギンBS(ランタス®のBS)が現在流通中です。先行品と比較して薬価が低く設定されており、長期処方では患者負担額の差が積み重なる点を意識しておく必要があります。


【日本糖尿病学会公式】インスリン製剤・GLP-1受容体作動薬一覧表(2026年2月版)PDF
全剤種の製剤区分マーク付き最新一覧。監修:日本糖尿病学会・JADEC。診察室での参照や患者指導に活用できます。


インスリン製剤2026の注目:アウィクリ®週1回製剤の特性と注意点

アウィクリ®(一般名:インスリン イコデク)は、2024年6月に日本で承認され、2025年1月30日より販売が始まった世界初の週1回投与基礎インスリン製剤です。意外ですね。


アウィクリ®は皮下注射後、血中のアルブミンと結合することで作用時間が延長されます。これにより1週間にわたって持続的な血糖降下作用を示します。初回投与量は患者の状態に応じて30〜140単位と幅があり、その後は血糖値を見ながら段階的に調整します。


ただし、重要な注意点があります。アウィクリ®は従来の基礎インスリンと比べて、低血糖の頻度が高いことが報告されており、特に注射後2〜3日目に低血糖が最も多いとされています。毎日打つインスリンとはリスクのピークタイミングが全く異なります。これは覚えておけばOKです。


また、アウィクリ®は1クリック10単位の設計で、300単位/0.43mLまたは700単位/1.0mLの高濃度製剤です。他のインスリンと濃度が異なるため、シリンジで抜き取ることは絶対に行ってはなりません。同様の注意はランタスXR®(450単位含有)にも適用されます。


薬価についてはトレシーバ®フレックスタッチ®とほぼ同等水準とされており、週1回注射という利便性が追加されていながらコスト面でも従来製剤と遜色がない点は処方検討のしやすさに繋がります。


【おおたけ内科クリニック】週1回インスリン・アウィクリの詳細解説
アウィクリ®の薬理機序、投与量設定、低血糖リスクについて臨床的な視点でわかりやすくまとめられています。


インスリン製剤のバイオ後続品(BS):処方選択で注意すべき互換性の落とし穴

インスリンのバイオ後続品は先行品と「同等」ですが、注入器との互換性は同等ではありません。ここが盲点です。


2026年2月版の一覧表で確認できる通り、カートリッジ製剤は注入器との組み合わせが厳密に決まっています。例えばサノフィのバイオ後続品(インスリン アスパルトBS注カート NR「サノフィ」・インスリン リスプロBS注カート HU「サノフィ」)は、イタンゴ®(マットゴールド)専用注入器との組み合わせが指定されています。ヒューマログ®カートが使えるヒューマペン®サビオ®とは互換性がありません。


つまり、先行品からBS製剤に切り替えた際、患者がすでに持っている注入器では使えないケースが発生します。これが原因で注射ミスや製剤投与不能といったトラブルに繋がる可能性があります。痛いですね。


処方変更時には以下の3点を必ず確認してください。


  • 患者が使用している注入器の機種(ノボペン6・ヒューマペンサビオ・イタンゴなど)
  • 変更後のBS製剤が当該注入器に適合するか(日本糖尿病学会の一覧表で確認)
  • 新しい注入器が必要な場合は、処方変更と同時に注入器も切り替える手配


BS製剤への切り替えは薬剤費削減の観点から推奨される場面も増えていますが、注入器の互換性確認を省略すると患者への説明不足・インシデントリスクに直結します。確認を習慣化すれば問題ありません。


【管理薬剤師.com】インスリン製剤一覧(バイオ後続品含む)
先行品・BS製剤の薬価比較や適応の整理に役立つ情報がまとめられています。薬局での疑義照会の場面などでも参照できます。


インスリン製剤2026年の作用プロファイル比較:超速効型の使い分けポイント

超速効型は「食直前」という共通イメージがありますが、2026年現在では食事のタイミングに合わせて3パターンに分かれています。これが原則です。


フィアスプ®(インスリン アスパルト+ニコチンアミド)とルムジェブ®(インスリン リスプロ+クエン酸+アスコルビン酸)は、添加物によって皮下からの吸収速度を高速化した第3世代の超速効型です。注射可能なタイミングは「食事開始時」または「食事開始後20分以内」とされており、これが従来製剤と最大の違いです。


一方で、ノボラピッド®・ヒューマログ®・アピドラ®といった第2世代超速効型は「食直前(15分前まで)」が基本です。これらを食後に打ってしまうと、食後血糖ピーク(通常30〜60分後)に対してインスリン作用が遅れる形になり、血糖コントロールの乱れを招きます。どういうことでしょうか?


具体的な数字で見るとイメージしやすいです。ノボラピッド®の効果発現時間は注射後10〜20分、ピークは1〜3時間、持続時間は3〜5時間です。フィアスプ®は発現がさらに早く、注射後2〜4分で作用が始まります。その差は約15分程度ですが、術後や嚥下困難など食事摂取量が不安定な場面ではこの15分の差が低血糖リスクの有無に直結します。


ルムジェブ®にはミリオペン®HDという0.5単位刻みの製剤もラインナップに含まれています。ヒューマログ®ミリオペン®HDも同様で、これらは小児や細かい用量調整が必要な患者に対して処方されます。通常製剤は1単位刻みであることを理解した上で使い分けることが大切です。


医療従事者が見落としやすいインスリン製剤の濃度差と投与器具の独自リスク

インスリンはすべて「100単位/mL」と思い込んでいると、重大な投与過誤につながります。結論はこれです。


2026年現在、以下の製剤は通常の100単位/mLとは濃度が異なります。


  • 🔴 ランタス®XR注ソロスター®:300単位/mL(1.5mL・450単位含有)→ 通常の3倍濃度
  • 🔴 アウィクリ®注フレックスタッチ®(300単位):約700単位/mL相当(300単位/0.43mL)
  • 🔴 アウィクリ®注フレックスタッチ®(700単位):700単位/1.0mL


これらの高濃度製剤をインスリン専用シリンジで抜き取って投与すると、単位数の計算が破綻します。例えばランタスXR®を100単位/mLと誤認してシリンジで0.1mL抜き取ると、実際には30単位ではなく30単位が注入されてしまうように見えても、実際は想定の3倍量が入っている可能性があります。厳しいところですね。


アウィクリ®の1クリック10単位という設計も特殊です。他のフレックスタッチ®製剤は通常1クリック1単位ですが、アウィクリ®は1クリック10単位であるため、うっかり他製剤と同じ感覚で操作すると、意図した用量の10倍を投与するリスクがあります。


また、ゾルトファイ®配合注(持効型インスリン+GLP-1受容体作動薬)やソリクア®配合注(グラルギン+リキシセナチド)のような配合薬は、インスリン成分の単位換算に加えGLP-1成分の用量管理も必要です。単独製剤との同時使用可否、追加投与の禁止など、処方前に添付文書を必ず確認することが条件です。


医療機関での調剤・投与前確認として、特殊濃度製剤には製品ラベルに明示されていますが、処方指示の段階で製剤名と濃度を一致させる確認フローを院内ルールとして設けることが、インシデント防止の観点から重要です。


製剤区分マークの解説や最新の供給情報・販売終了情報も含む。定期的に更新されるため、ブックマーク推奨。


【糖尿病リソースガイド】インスリン製剤早見表2026-2027(2026年4月改定薬価反映版)
2026年5月発行の最新版。薬価改定後の情報を一覧で確認できる。施設内勉強会や患者指導の資材としても活用可能。


分類 一般名 語尾 投与経路
デイリー型 リラグルチドビクトーザ グルチド 注射1日1回
デイリー型 エキセナチドバイエッタ セナチド 注射1日2回
週1回型 セマグルチド(オゼンピック グルチド 注射週1回
経口 セマグルチド(リベルサス グルチド 内服1日1回
週1回型 デュラグルチド(トルリシティ) グルチド 注射週1回


ホルモン 分泌部位 インスリンへの主な作用 臨床的注意点
アドレナリン 副腎髄質 分泌抑制・組織取り込み阻害 褐色細胞腫、周術期
ノルアドレナリン 交感神経節・副腎髄質 分泌抑制 敗血症性ショック昇圧時


レジメン 特徴 注意点
BIC/FTC/TAF(ビクタルビ 完全単一錠・食事の影響なし・ブースター不要 薬価が高い(月約21万円)
DTG/ABC/3TC(トリーメク) 完全単一錠・長期安全性データ豊富 HLA-B5701確認必須・B型肝炎合併症例非推奨
DTG/3TC(ドウベイト) 2剤療法で腎・骨毒性低減 HIV-RNA 50万コピー/ml未満・3TC耐性なし・B型肝炎非合併が条件




「猫の糖尿病」の概要と治療の実際〜各種インスリン製剤の特徴と臨床症例〜[獣医 VM63-S 全3巻]