アトロピンの効果と作用機序、副作用

アトロピンは抗コリン作用を持つ医薬品として、徐脈治療や有機リン中毒の解毒、近視進行抑制など幅広い臨床応用があります。その薬理作用と副作用、禁忌事項について医療従事者はどのように理解すべきでしょうか?

アトロピンの効果と作用機序

この記事のポイント
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作用機序

ムスカリン受容体を競合的に遮断し、副交感神経系の作用を抑制する抗コリン薬

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臨床応用

徐脈治療、有機リン中毒の解毒、麻酔前投薬、低濃度製剤による近視抑制など多彩な用途

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副作用と禁忌

緑内障、前立腺肥大、麻痺性イレウス患者には禁忌。散瞳、口渇、頻脈などの副作用に注意

アトロピンのムスカリン受容体遮断作用

 

アトロピンは、ナス科植物のベラドンナ(Atropa belladonna)から抽出される天然アルカロイドで、典型的な抗コリン薬として知られています。その作用機序の中心となるのは、ムスカリンアセチルコリン受容体(M受容体)の競合的遮断です。
参考)Review on Pharmacology of Atro…

ムスカリン受容体にはM1からM5までのサブタイプが存在し、アトロピンはこれらの受容体に対してアセチルコリンと競合的に結合することで、副交感神経系の作用を抑制します。特に心房筋や結節細胞(洞房結節、房室結節)では、M2受容体を介した作用が重要であり、アトロピンはこの受容体を遮断することでアセチルコリンの陰性変時作用を打ち消し、心拍数を増加させます。
参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jse/33/2/33_121/_pdf

具体的な分子レベルでの作用として、アトロピンはGi/Goタンパクを介したアセチルコリン感受性K⁺チャネルの活性化を阻害し、さらにアデニレートシ

 

 


【第2類医薬品】ロートデジアイ 12mL