ソフトコンタクトレンズを装用したままレボフロキサシン点眼液を使うと、防腐剤が吸着して角膜障害につながることがあります。
関連)https://www.ikec.jp/mailmag/mailmag-4175/

レボフロキサシン点眼液は、ニューキノロン系抗菌薬のひとつで、商品名「クラビット®」として広く知られています。 眼瞼炎、結膜炎、麦粒腫、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法など、幅広い細菌性外眼部感染症に対して使われます。
関連)https://www.kango-roo.com/word/20884
濃度は0.5%と1.5%の2種類があります。 通常の用法は1回1滴・1日3回点眼で、症状により増減します。 ジェネリック品も多数流通しており、薬局で名称が変わっていることに患者が戸惑うケースも少なくありません。
関連)https://uchikara-clinic.com/prescription/levofloxacin-ophthalmic-solution/
医療従事者が患者指導を行う際、知恵袋などのQ&Aサイトに投稿される疑問の多くは「コンタクトをしたまま使えるか」という点に集中しています。この点について正しい根拠を持って指導できているかどうか、改めて確認しておく価値があります。
| 項目 | 0.5%製剤 | 1.5%製剤 |
|---|---|---|
| 代表商品名 | クラビット点眼液0.5% | クラビット点眼液1.5% |
| 用法 | 1回1滴・1日3回 | 1回1滴・1日3回 |
| 主な用途 | 一般的な外眼部感染症 | 重症・術周期感染症 |
| 防腐剤 | ベンザルコニウム塩化物含有 | ベンザルコニウム塩化物含有 |
知恵袋でも最も多い疑問が「コンタクトをつけたまま点眼してもいいですか?」というものです。答えはコンタクトの種類によって異なります。 原則論としては、ハード・ソフトを問わずいったんコンタクトを外し、5〜10分以上の間隔をあけてから再装用することが望ましいとされています。
関連)https://www.santen.co.jp/medical-channel/di/faq/DK018_faq.html
問題の核心は防腐剤にあります。 レボフロキサシン点眼液には防腐剤としてベンザルコニウム塩化物(BAK)が含まれており、「含水性ソフトコンタクトレンズ装用時の点眼は避けること」と添付文書に明記されています。 BAKはソフトレンズに吸着・蓄積し、角膜に持続的に接触することで角膜上皮障害を起こす可能性があるためです。
関連)https://www.ikec.jp/mailmag/mailmag-4175/
ソフトCLの中でも種類によって対応が変わります。
関連)https://www.ikec.jp/mailmag/mailmag-4175/
関連)https://www.kawamotoganka.com/tayori/1163/
つまり「ソフトCLの種類で判断が変わる」が原則です。 患者が「コンタクトしたまま点眼した」と言っていても、ワンデーなのか2週間タイプなのかを必ず確認する習慣が指導精度を高めます。
BAK(ベンザルコニウム塩化物)は緑内障治療点眼剤の約8割に含有されている非常に一般的な防腐剤です。 殺菌力は強力ですが、細菌の細胞膜だけでなく角膜の細胞膜にも作用するという性質があります。
BAKによる角膜障害の代表的な形態は「点状表層角膜炎」で、角膜の中央寄りに点々と傷がつきます。 これはドライアイによる角膜障害(下方・結膜中心)と異なる分布を示すため、原因の鑑別に役立ちます。 ソフトコンタクトレンズの装用中に点眼すると、レンズ内にBAKが滞留し、コンタクトを外した後も持続的に角膜へBAKが放出されるという問題が起きます。
関連)https://www.nishishinjyuku-saito-ganka.com/archives/422/
角膜障害につながる条件は重なるほどリスクが高まります。
これは深刻ですね。 BAKによる角膜障害は、適切に中断すれば改善することが多いですが、長期にわたると不可逆的な角膜実質混濁が残った症例報告もあります。 医療従事者として患者に指導する際は、「外してから点眼・5分後に再装用」というシンプルなルールを繰り返し伝えることが最大の予防になります。
関連)https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1410903865
参考:BAKを含む点眼薬による角膜上皮障害の詳細と分類について
点眼薬の角膜上皮障害 | 西新宿さいとう眼科
患者からよく受ける質問に「点眼後、何分後にコンタクトをつけてもいいですか?」があります。 一般的な推奨は点眼後5〜10分のインターバルを置いてからの再装用です。 この時間は、点眼液が眼内に吸収されて涙液との交換が起こり、残留薬液がコンタクトに取り込まれるリスクを下げるためのものです。
関連)https://www.santen.co.jp/medical-channel/di/faq/DK018_faq.html
さらに重要なのは「治療期間中はできれば眼鏡に切り替える」という点です。 眼鏡とコンタクトを併用している患者であれば、抗菌薬点眼を行う治療期間中は眼鏡生活を勧めることがベストです。 眼科の疾患(結膜炎・角膜炎など)の治療中にコンタクトを継続することで、病原体がレンズに付着し再感染・悪化のリスクもあります。
関連)https://www.ikec.jp/mailmag/mailmag-4175/
関連)https://www.santen.co.jp/medical-channel/di/faq/DK018_faq.html
5〜10分が条件です。 もう一点、点眼後に目をこすると薬液が広がって角膜障害リスクが増すため、点眼後は1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫し、その後ゆっくり開瞼するよう指導することが添付文書でも推奨されています。
関連)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00070413.pdf
参考:コンタクトレンズ装用中の点眼の可否についての詳細な解説
服薬指導(点眼剤)| Santen Medical Channel
知恵袋の質問には「早めに治ったから点眼をやめた」「目薬が余ったから次のときも使った」という声も散見されます。これは医療従事者として見逃せないポイントです。 レボフロキサシン点眼液の添付文書には「耐性菌の発現を防ぐため、感受性を確認し、治療に必要な最小限の期間の投与にとどめること」と明記されています。
関連)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00070413.pdf
これが大きな落とし穴です。 症状が改善したからといって途中で中断すると、不十分な菌の除菌から耐性菌が出現しやすくなります。 特に繰り返し結膜炎を起こすコンタクトユーザーで同じ抗菌薬を繰り返し短期使用するパターンは、耐性菌育成の温床になりかねません。
関連)https://www.kango-roo.com/word/20884
また、コンタクトレンズ装用中に結膜炎・角膜炎を繰り返す患者には、レンズケアや交換サイクルの見直しも同時に必要です。
指導の際は「いつまで使うか」「なぜ途中でやめてはいけないか」を一言添えることで、患者のアドヒアランスが大きく変わります。これは使えそうです。
参考:看護師・薬剤師向けのレボフロキサシン点眼液の用語解説と副作用情報
レボフロキサシン点眼液 | 看護師・看護学生の用語辞典 かんごろ
参考:抗菌薬点眼とコンタクトレンズ使用の原則と例外について(眼科クリニックによる解説)
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