あなた、腎機能正常でも3日で腎障害出ます

ポリミキシンBはグラム陰性菌の外膜に存在するリポ多糖(LPS)に結合し、膜の安定性を崩壊させます。特にリピドA部分のリン酸基と静電的に相互作用し、カルシウムやマグネシウムを置換します。ここが起点です。
この結果、外膜の透過性が急上昇し、細胞内容物の漏出が起こります。例えば直径1µm程度の大腸菌では、膜電位の崩壊が数分以内に起こると報告されています。つまり即効性です。
さらに内膜にも作用し、二重膜構造そのものを破壊します。殺菌的に働きます。結論は膜破壊です。
この機序はβラクタムのような細胞壁合成阻害とは異なり、直接的な物理破壊に近い性質を持ちます。そのため休止期菌にも効果を示すことがあります。これは強みです。
ポリミキシンBは濃度依存的殺菌作用を示します。Cmax/MICが重要です。
例えばMICが1 mg/Lの菌に対し、血中濃度が4 mg/Lを超えると急速な殺菌効果が観察されます。4倍が目安です。
一方で、AUCが高くなりすぎると腎毒性リスクが急上昇します。具体的にはAUCが100 mg・h/Lを超えると腎障害の発生率が30〜50%に上昇した報告もあります。痛いですね。
つまり「効かせる濃度」と「毒性」のバランス管理が必要です。これが基本です。
投与設計では負荷投与(loading dose)が推奨される場面もあります。初期から有効濃度に到達させるためです。初動が重要です。
耐性の中心はLPSの化学修飾です。ホスホエタノールアミン付加が代表です。
mcr-1遺伝子を持つ菌では、ポリミキシンBの結合部位が変化し、親和性が低下します。結合できないのです。
実臨床では、カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)に対する最終手段として使用されることが多いですが、この耐性の広がりは無視できません。ここが問題です。
例えば中国での報告では、畜産由来菌で10%以上のmcr保有率が確認された時期もあり、ヒトへの伝播リスクが議論されました。広がりやすいです。
このリスクを回避するには、必要時のみの適正使用が前提になります。つまり乱用しないことです。
腎毒性は近位尿細管への直接毒性です。再吸収障害が起こります。
臨床では5〜7日以内に血清クレアチニンが1.5倍以上に上昇するケースが20〜40%程度報告されています。短期間でも起こります。
さらに神経毒性として、しびれや筋力低下、呼吸抑制が報告されています。特に高齢者や併用薬がある場合はリスクが増大します。注意点です。
例えば筋弛緩薬との併用で呼吸抑制が強まるケースがあります。併用注意です。
このリスク管理の場面では、「腎機能モニタリング→早期中止」の流れが重要です。これが原則です。
現場では「最後の切り札」として使われがちです。しかしそれが落とし穴になります。
重症感染で広域抗菌薬が無効だった場合、経験的に追加されるケースがありますが、原因菌がグラム陽性や嫌気性菌の場合は無効です。効きません。
つまり適応外使用による時間ロスが致命的になります。数時間の遅れが予後に影響します。ここが重要です。
このリスクを避ける場面では、「グラム染色で陰性桿菌確認→投与判断」という流れを徹底するのが有効です。これなら問題ありません。
また近年は吸入投与や局所投与の研究も進んでいます。全身毒性を抑える狙いです。これは使えそうです。
参考:ポリミキシンの耐性機構や毒性の詳細レビュー
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