オスポロット錠の効果と副作用
オスポロット錠の効果と副作用詳細と注意点まとめ
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オスポロット錠の効果・適応疾患
オスポロット錠(一般名:スルチアム)は抗てんかん剤に分類され、特に精神運動発作(複雑部分発作)に対して使用されます[1][2][3]。日本では、難治性てんかん患者にも適応があり、単独または他の抗てんかん薬と併用されることが多いです。
- 通常成人では1日200~600mgを2~3回に分けて食後に経口投与
- 有効率は約72.4%、難治例でも67.2%と高い効果が報告されています[2][3]
- 鎮静・催眠作用が弱く、精神状態や行動能力への影響が少ない点が特徴です[4]
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オスポロット錠の主な副作用とリスク
オスポロット錠の副作用は多岐にわたりますが、眠気・めまい・知覚異常(ピリピリ感・ムズムズ感)などが比較的頻度高く報告されています[1][5][6]。
- 重大な副作用:腎不全(0.1%未満)[2][7][3]
- 過敏症:猩紅熱様・麻疹様・中毒疹様発疹(0.1~5%未満)[1][6][7]
- 血液障害:貧血(0.1~5%未満)、白血球減少(頻度不明)[1][4][6]
- 精神神経系:眠気(5%以上)、めまい、知覚異常、運動失調、頭痛、倦怠感、不眠、多発神経炎[1][2][6][7]
- 消化器症状:食欲不振、悪心・嘔吐、便秘、下痢[1][4][6]
- その他:舌のもつれ、体重減少、呼吸促迫[1][6][7]
副作用が出現した場合は、速やかに医師に相談することが重要です。
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オスポロット錠の禁忌と投与時の注意点
禁忌。
- 本剤成分に対する過敏症既往歴のある患者[2][7][3]
- 腎障害のある患者(腎不全リスクがあるため)[4][2][7][3]
注意点。
- 連用中は定期的な肝機能・腎機能・血液検査が推奨されます(腎不全や血液障害の早期発見のため)[2][3]
- 眠気や注意力低下があるため、自動車運転や危険作業は避けること[1][2][7]
- 妊婦・授乳婦・高齢者への投与は慎重に判断し、必要時は減量や投与中止を検討[2][7][3]
過量投与時には、嘔吐、頭痛、めまい、一過性痴呆症状、強いアシドーシスを伴う高カリウム血症による急性心停止など重篤な症状が報告されています。処置として胃洗浄や重曹投与が推奨されます[2][3]。
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オスポロット錠と他剤の相互作用
オスポロット錠はフェニトイン(抗てんかん薬)との相互作用に注意が必要です。
- スルチアムが肝代謝を抑制し、フェニトインの血中濃度を上昇させることがあるため、併用時は投与量の調整が必要です[1][2][3]
- 他の抗てんかん薬との併用時も、薬物動態や副作用の増強に注意が必要です
また、腎障害患者への投与は禁忌であり、他剤による腎機能低下リスクにも注意が求められます。
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オスポロット錠の薬理作用と臨床成績、意外なポイント
オスポロット錠の主な薬理作用は抗痙攣作用と炭酸脱水素酵素阻害作用です[2][3]。
- 電撃痙攣に対してはフェノバルビタールナトリウムの10倍以上、フェニトインの4~5倍の治療指数を示す(マウス試験)[2][3]
- 炭酸脱水素酵素阻害による作用は、従来の抗てんかん薬とは異なる特徴で、難治性てんかんへの新たな選択肢となっています
- 薬物動態:tmax(最高血中濃度到達時間)は2~4時間、腎排泄が主で腎機能障害時は蓄積しやすい[4]
- 意外なポイントとして、腎障害患者への投与が厳禁である一方、肝機能障害患者への明確な禁忌設定はなく、個別判断が求められます[4][2]
添付文書(KEGG)には薬理作用や薬物動態の詳細が記載されています。
参考:添付文書の薬理作用・薬物動態の詳細
KEGG オスポロット添付文書