免疫グロブリン製剤一覧と種類・適応疾患の使い分け

免疫グロブリン製剤には静注用・皮下注用・筋注用など複数の種類があり、製品名や適応疾患も異なります。医療現場での適切な選択に必要な知識とは何でしょうか?

免疫グロブリン製剤の一覧と種類・適応を徹底解説

💡 この記事の3ポイント要約
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製剤の種類は3カテゴリ

静注用(IVIG)・皮下注用(SCIG)・筋注用の3種類に大別され、投与経路ごとに適応疾患と特性が大きく異なります。

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国内の代表的な製品を整理

献血ヴェノグロブリンIH・献血ベニロン-I・献血グロベニン-Iなど複数の製品が承認されており、適応症や薬価が製品によって異なります。

⚠️
血栓塞栓症リスクに要注意

IVIG大量投与後7日以内に脳梗塞・心筋梗塞などの血栓塞栓症が報告されており、既往のある患者への慎重投与が必要です。


免疫グロブリン製剤の一覧:静注用(IVIG)主要製品と薬価



静注用人免疫グロブリン製剤(IVIG)は、国内で現在最も多く使用されている製剤カテゴリです。 主要な製品を以下の表で整理します。


関連)http://www.ketsukyo.or.jp/plasma/globulin/glo_05.html















関連)https://www.data-index.co.jp/kusulist/detail.php?trk_toroku_code=6343427H1020








関連)https://www.data-index.co.jp/kusulist/search.php?hl=AB012&ml=CD120400&ll=CD120404














関連)https://chigasaki-localtkt.com/menekiguroburinatofukusayounitsuite/



製品名 販売会社 濃度 代表薬価(例)
献血ヴェノグロブリンIH 日本血液製剤機構 10%製剤 10g/100mL:78,381円
献血ベニロン-I 帝人ファーマ 5%製剤 2.5g/50mL:28,172円
献血グロベニン-I 日本赤十字社 5%製剤 院内採用品による
ハイキュービア10% 皮下注セット 武田薬品工業 10%(皮下注) 2025年6月承認


10%製剤は5%製剤と比べて投与容量を半減できるため、患者への負担軽減につながります。これは使えそうですね。


大量投与時の薬価は非常に高額になりやすく、例えば献血ヴェノグロブリンIH 10%・20g製剤の薬価は1瓶で199,987円(2026年4月改定)に達します。 川崎病や重症筋無力症など体重ベースで用量を決定する疾患では、特に薬剤費管理の意識が重要です。


関連)https://yakkalab.jp/drug/6343428H1024


免疫グロブリン製剤一覧:種類別の分類と投与経路の違い

免疫グロブリン製剤は投与経路によって大きく3つに分類されます。


関連)http://www.ketsukyo.or.jp/plasma/globulin/glo_05.html


  • 💉 静注用(IVIG):現在最も広く使用。無または低ガンマグロブリン血症・重症感染症・川崎病・ITPなど多数の疾患に適応
  • 💊 皮下注用(SCIG):主に原発性免疫不全症に使用。自宅での自己投与が可能で、血中濃度が安定しやすい
  • 🩺 筋注用(IMIG):麻疹・A型肝炎など限定的な疾患に使用。大量投与不可・速効性に欠けるなど制約が多い


皮下注用製剤は全身性副作用が少ない点が強みです。 2025年6月に承認されたハイキュービア10%皮下注セットは、ボルヒアルロニダーゼ アルファとの併用によって従来困難だった大量投与を実現し、3〜4週間隔での投与が可能になりました。 QOL向上の観点から、外来・在宅管理を行う医療従事者にとっては知っておきたい選択肢です。


関連)https://chigasaki-localtkt.com/menekiguroburinatofukusayounitsuite/


さらに「特殊免疫(高度免疫)グロブリン製剤」として、抗HBs人免疫グロブリン・抗D人免疫グロブリン・抗破傷風人免疫グロブリンの3種類が医療現場で使われています。 これらは特定病原体に対する抗体を高濃度に含むため、曝露後予防など限定された目的に使用されます。つまり用途が明確に絞られた製剤です。


関連)http://www.ketsukyo.or.jp/plasma/globulin/glo_05.html


免疫グロブリン製剤一覧:適応疾患と保険適用の範囲

IVIGの適応疾患は製品ごとに一部異なります。 全製品共通で認められている基本適応は「無または低ガンマグロブリン血症」「重症感染症」の2つです。これが原則です。


関連)http://www.ketsukyo.or.jp/plasma/globulin/glo_05.html


一方、以下の疾患については製品によって適応の有無が変わります。


関連)https://www.ketsukyo.or.jp/plasma/globulin/glo_07_01.html



例えばPM/DMにおける筋力低下の改善では、1日400mg/kg体重を5日間点滴静注するプロトコルが標準的です。 体重60kgの患者であれば1日24g、5日間で合計120gという大量投与になります。薬剤選択前に添付文書で適応疾患を必ず確認することが条件です。


関連)https://www.jbpo.or.jp/med/di/simulator/vg/doc.php


天疱瘡・類天疱瘡への適応は2024年8月時点で一部製剤のみに限られています。 処方時は最新の添付文書および厚生労働省の効能・効果一覧を参照する習慣をつけましょう。


関連)https://www.jbpo.or.jp/vg/immunoglobulin.html


参考:免疫グロブリン製剤の効能・効果一覧(厚生労働省PDF)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001dj72-att/2r9852000001djhc.pdf


免疫グロブリン製剤の副作用と血栓リスク:知らないと患者に重篤な転帰をもたらす

IVIGの大量投与後に最も警戒すべき合併症が血栓塞栓症です。 脳梗塞・心筋梗塞・深部静脈血栓症(DVT)・肺塞栓症(PE)の発症報告があります。


関連)http://igakukotohajime.com/2020/10/01/%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%B3%E7%99%82%E6%B3%95/


血栓リスクが高い主なケースをまとめます。


関連)https://www.jrc.or.jp/vcms_lf/iyakuhin_seihin110218_01.pdf


  • ⚠️ 脳・心臓血管障害またはその既往歴がある患者
  • ⚠️ 血栓塞栓症リスクの高い患者(長期臥床、肥満、高齢者など)
  • ⚠️ 大量投与による血液粘度の上昇が著しいケース


発現時期は主に投与中または投与終了後7日以内とされています。 「点滴が終わったから大丈夫」ではなく、投与後1週間は患者の状態を継続的に観察することが求められます。


関連)https://www.jrc.or.jp/vcms_lf/iyakuhin_seihin110218_01.pdf


その他の主な副作用として、アナフィラキシー・肝逸脱酵素上昇・急性腎障害・血球減少なども報告されています。 特に先天性IgA欠損症の患者では、患者が持つ抗IgA抗体がIVIG中のIgAと反応してアナフィラキシーを引き起こすリスクがあるため注意が必要です。 IgA欠損症の有無を事前確認しておくことは必須です。


関連)http://igakukotohajime.com/2020/10/01/%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%B3%E7%99%82%E6%B3%95/


血栓リスクの高い患者に対して予防的な補液や抗凝固療法を行うべきかどうかは、2025年現在でもコンセンサスが得られていません。 そのため各施設のプロトコルと担当医の判断に基づいた個別対応が求められます。これが現状です。


関連)http://igakukotohajime.com/2020/10/01/%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%B3%E7%99%82%E6%B3%95/


参考:IVIgと血栓リスクに関する研究(MHLW研究班PDF)
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2019/192051/201911036A_upload/201911036A202005191427481610029.pdf


免疫グロブリン製剤一覧:製品選択で現場が見落としがちな「適応の差」

IVIG製品はどれも同じ、と思っている医療従事者は少なくありません。実際には承認されている適応疾患の数が製品ごとに異なります。 これは意外ですね。


関連)https://med.zenhp.co.jp/menekiguroburinchouwotetteikaisetsu.html


例えば川崎病や重症筋無力症の治療で使用できる製品は限定されており、院内採用品がその疾患の適応を持っていない場合、そのまま投与すると適応外使用になります。 フォーミュラリーと実際の疾患適応のマッチングを定期的にチェックすることが対策になります。確認する手間は1回で済みます。


関連)https://www.spch.izumo.shimane.jp/hospital/org/pharmacy/pdf/guroburin.pdf


適応外使用は保険請求上のリスクにもつながります。個別の製品の最新添付文書は以下のPMDA情報を確認するのが最も確実です。


参考:PMDAによる静注用免疫グロブリン製剤の品質特性比較評価
https://www.pmda.go.jp/files/000263211.pdf


国内でよく採用されている静注用製剤の特徴を以下に整理します。


関連)https://med.zenhp.co.jp/menekiguroburinchouwotetteikaisetsu.html


  • 🟢 献血ヴェノグロブリンIH(10%製剤)ポリエチレングリコール処理。適応疾患の種類が多く、第1選択に採用する施設が多い
  • 🟡 献血ベニロン-I(5%製剤):スルホ化処理。5%製剤のため投与速度の微調整がしやすい
  • 🔵 献血グロベニン-I(5%製剤):低pH処理。5%製剤として院内第2選択に位置づけられることが多い


IgGのサブクラスについても理解しておくと臨床の理解が深まります。人免疫グロブリンはIgG1が65〜70%、IgG2が20〜30%、IgG3が4〜8%、IgG4が2〜6%という構成です。 IgGのサブクラスが抗体機能の多様性を担っているというのが基本です。


関連)https://www.ketsukyo.or.jp/plasma/globulin/glo_07_01.html


参考:血液製剤機構による免疫グロブリン製剤の分類・適応解説
http://www.ketsukyo.or.jp/plasma/globulin/glo_05.html

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