不正出血と生理の違いや原因と症状

不正出血と生理の違いについて、症状や色の特徴から原因まで詳しく解説します。ホルモンバランスの乱れや病気のサインを見分けるポイントとは?

不正出血と生理の違い

不正出血と生理の基本的な違い
📅
生理の特徴

25~38日の一定周期で起こる、子宮内膜の自然な剥離による出血

⚠️
不正出血の特徴

生理期間以外に起こる、予期せぬタイミングでの性器からの出血

🔍
見分けるポイント

出血の周期性、色や量、随伴症状の違いから判断する

不正出血の基本的な定義と特徴

不正出血とは、月経(生理)時以外に性器から起こるすべての出血を指します 。基本的に膣からの出血で、生理以外の理由で起こるもの全てを不正出血と呼び、健康な女性に起こる膣からの出血は、月経もしくは排卵出血によるもの以外は注意が必要です 。
参考)不正出血の原因とは?セルフチェックや病院を受診する目安も紹介…

 

不正出血の症状は非常に多様で、血液の色が茶色っぽいこともあれば、真っ赤な鮮血である場合もあります 。出血量もさまざまで、下着に点状に付着する程度のこともあれば、大量に出血するケースもあり、原因によっては下腹部痛など痛みを伴うこともあります 。
参考)不正出血

 

出血の色について詳しく説明すると、出血から時間があまり経っていない出血は赤色、ある程度経過している出血は茶色、微量の出血は黄色に見えることがあります 。経血のように量が多い場合もあれば、ごく少量の茶色っぽい出血として現れることも多いです 。
参考)生理?不正出血?違いが分からない女性へ

 

生理の正常な周期と症状の特徴

正常な生理は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの周期的な変動によって厳密にコントロールされています 。生理周期は25~38日が正常範囲で、生理期間は通常3~7日間続き、出血量は初日~2日目が多いという特徴があります 。
参考)不正出血の原因は?不正出血と生理の違いとは?婦人科受診の目安…

 

生理は、妊娠に至らなかった場合に、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに体外に排出される現象です 。この一連のサイクルは、ホルモンの周期的な変動とともにほぼ一定の周期で繰り返されるため、「計画的な出血」と捉えることができます 。
生理期間中の経血は、鮮血~茶色い血が混じり、子宮内膜も含まれているため特有の性状を示します 。また、下腹部痛や腰痛が伴うことが多く、これらは子宮内膜が剥がれ落ちる際の自然な反応として起こります 。

不正出血と生理の症状比較と見分け方

不正出血と生理の違いを詳しく比較すると、まず出血の周期性に大きな違いがあります。生理は一定の周期(通常25~38日ごと)で起こりますが、不正出血は周期に関係なく予期せず起こります 。
出血の量と期間についても明確な違いがあり、生理は通常3~7日間続き、出血量は初日~2日目が多い一方、不正出血は量が少ないことが多いものの、長引く場合もあります 。色や性状では、生理は鮮血~茶色い血が混じる(経血には子宮内膜も含まれる)のに対し、不正出血はピンク・赤・茶色などさまざまで、鮮血のまま続くこともあります 。
痛みの有無についても、生理は下腹部痛や腰痛が伴うことが多いですが、不正出血は痛みがないこともあり、病気が原因なら痛みを伴う場合もあります 。主な原因として、生理は子宮内膜が剥がれ落ちる自然な現象である一方、不正出血はホルモンバランスの乱れ・病気・ストレス・ピルの影響など多岐にわたります 。

不正出血の主な原因とホルモンバランスの関係

不正出血の原因は多岐にわたりますが、最も多いのがホルモンバランスの乱れによるものです 。思春期や更年期など、ホルモンバランスの乱れが生じやすい時期に、不正出血はよくみられます 。
参考)不正出血の原因は?クリニックを受診する目安について医師が解説

 

ホルモンバランスによる不正出血には、排卵期出血と無排卵性出血があります 。排卵期出血は、排卵期にエストロゲンの分泌が急激に増減することにより、子宮内膜が剥がれ落ちて起こる出血です 。一方、無排卵性出血は、過度のストレスや環境の変化、加齢によって排卵障害が起きると発生し、プロゲステロン分泌がなされないままエストロゲン分泌が滞るため出血が起こります 。
参考)生理じゃないのに不正出血するのはなぜ、何日続くとやばい?

 

更年期における不正出血は特に注意が必要で、卵巣機能が衰え始めることからホルモンの分泌が不安定になります 。更年期になると、月経が今までのような周期や量で起こらなくなったり、不正出血が起こったりするようになります 。しかし、不正出血をホルモンのせいだと決めつけるのは危険で、特に閉経後の出血は必ず検査が必要です 。
参考)月経異常か不正出血か、更年期の生理周期-生理用品のソフィ

 

不正出血で注意すべき病気と受診のタイミング

不正出血の背景には、時に重篤な疾患が隠れている場合があります 。器質性出血と呼ばれる、子宮や膣などに疾患があることが原因で起こる出血では、子宮頸がん、子宮体がん、子宮頚管ポリープ、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫などの腫瘍が原因となる場合があります [