限局性強皮症と全身性強皮症を混同する医療従事者が実際にいます。
関連)https://qa.dermatol.or.jp/qa7/s5_q03.html

全身性硬化症(Systemic Sclerosis: SSc)と全身性強皮症は、まったく同じ病気を指す用語です。英語名のSystemic Sclerosisを直訳すると「全身性硬化症」、日本語の伝統的な呼称が「全身性強皮症」というだけの違いです。
関連)https://ryumachi.umin.jp/clinical_case/SS.html
つまり同一です。
関連)https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000066/
この疾患は、皮膚硬化を特徴とする原因不明の自己免疫疾患で、全身の小血管閉塞、免疫系活性化、皮膚および臓器の線維化を基本病理とします。皮膚だけでなく、腎・肺・消化管・心循環系など多様な臓器が侵される点が重要です。
関連)https://ryumachi.umin.jp/clinical_case/SS.html
医療現場では両方の用語が混在して使われているため、カルテ記載や患者説明の際には「全身性強皮症(全身性硬化症)」のように併記すると混乱を防げます。診療科によって好む呼称が異なることもあり、リウマチ内科では「全身性強皮症」、英語文献では「Systemic Sclerosis」が主流です。
強皮症という大きなカテゴリには、全身性強皮症と限局性強皮症という2つの異なる疾患が含まれます。この2つは名称が似ているものの、病態・予後・治療方針が根本的に異なるため、医療従事者は明確に区別する必要があります。
関連)https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/a61r9kry32m
限局性強皮症は主として皮膚だけに症状が出る疾患で、内臓病変を伴いません。厳密には膠原病ではなく、膠原病類縁疾患と呼ばれる位置づけです。限局した一部分に境界がはっきりとした皮膚硬化が生じるのが特徴で、全身性強皮症のような内臓の血管異常や硬化は起こりません。
関連)https://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/section/depts/skin/systemic_scleroderm.html
全身性強皮症はどうでしょうか。
一方、全身性強皮症は広い範囲で皮膚硬化を起こすだけでなく、心臓・肺・消化管といった内臓にも症状が出現する膠原病です。境界がはっきりとしない皮膚硬化が特徴で、末梢循環障害(手足の血行障害)も伴います。
関連)https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/a61r9kry32m
限局性強皮症の患者が医師から単に「強皮症」とだけ告げられ、全身性強皮症と間違えて不必要な心配をしているケースがしばしばあるため、説明時には「限局性」か「全身性」かを明確に伝えることが重要です。
関連)https://www.nanbyou.or.jp/entry/4026
全身性強皮症はさらに、皮膚硬化の範囲によって「びまん皮膚硬化型(dcSSc)」と「限局皮膚硬化型(lcSSc)」に分類されます。肘・膝を越える皮膚硬化があるかどうかが分類の基準です。
関連)https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/collagen/concerned/disease/disease05.html
びまん皮膚硬化型では、発症して1~2年という早期に皮膚硬化が急速に進行します。指の腫脹、関節痛、筋肉痛、疲労感などの全身症状とともに、消化管・肺線維症・心筋障害・腎障害などの内臓病変を高頻度で発症するため、注意深い経過観察が必要です。
関連)https://oogaki.or.jp/hifuka/connective-tissue-disease/systemic-sclerosis/
これは深刻ですね。
限局皮膚硬化型は、長期にわたり軽度の皮膚変化が続くタイプで、進行が緩徐です。CREST症候群と呼ばれる病像を示すことが多く、その特徴は以下の5つです。
関連)https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/collagen/concerned/disease/disease05.html
限局皮膚硬化型は比較的予後良好ですが、肺高血圧症のリスクには注意が必要です。
関連)https://oogaki.or.jp/hifuka/connective-tissue-disease/systemic-sclerosis/
全身性強皮症の予後は、病型と内臓病変の有無により大きく異なります。近年の医学進歩により生存率は改善しており、5年生存率は約87~96%、10年生存率は約72~88%という報告があります。
関連)https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/c_a3_akumkuf
肺病変の有無が予後の鍵です。
肺に問題がない場合、5年生存率は96.4%と非常に高いのに対し、間質性肺炎のみを併発した場合は92.8%、間質性肺炎と肺高血圧を併発した場合は約80%まで低下します。肺線維症や肺高血圧症が主要な死因となるため、早期発見と適切な治療介入が生命予後を大きく左右します。
関連)https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/w3kq7nafsjdd
強皮症腎クリーゼも重要な合併症です。リスク要因には、広範な皮膚硬化、皮膚病変の急速な進行、発症4年以内、抗RNAポリメラーゼIII抗体陽性、新出の貧血、新出の心嚢水または心不全、先行する高用量ステロイドがあります。これらのリスク要因を持つ患者には、血圧モニタリングと腎機能チェックを頻繁に行う必要があります。
関連)https://ryumachi.umin.jp/clinical_case/SS.html
早期診断、内臓障害の早期発見、免疫抑制療法や生物学的製剤、幹細胞移植などの新規治療法の導入が、予後改善に寄与しています。
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全身性強皮症の診断では、皮膚硬化の範囲と内臓病変の評価が不可欠です。診断基準では、大基準として「両手指を越える皮膚硬化」があり、小基準には手指に限局する皮膚硬化、爪郭部毛細血管異常、手指尖端の陥凹性瘢痕または指尖潰瘍、両側下肺野の間質性陰影、抗Scl-70(トポイソメラーゼI)抗体などが含まれます。
関連)https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/126101831.pdf
レイノー現象は重要な初発症状です。
大基準、あるいは小基準の手指硬化及び他の小基準1項目以上を満たせば全身性強皮症と診断されます。ただし、糖尿病性手関節症、Crow-Fukase症候群、Werner症候群など、皮膚硬化を呈する他疾患との鑑別が必要です。
関連)https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/126101831.pdf
診断後は、皮膚硬化の分布と病状進行速度、内臓病変の併発有無、内臓病変の重症度など全身状態を評価します。特に心臓・肺・消化管・腎臓の系統的評価が重要で、心電図、心臓超音波、胸部CT、肺機能検査、上部消化管内視鏡、腎機能検査などを定期的に実施します。
関連)https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/ssc/
自己抗体のパターンも病型予測に有用です。抗トポイソメラーゼI抗体(抗Scl-70抗体)はびまん型と肺線維症に関連し、抗セントロメア抗体は限局型とCREST症候群に関連します。抗RNAポリメラーゼIII抗体陽性者は腎クリーゼのリスクが高いため、血圧管理が特に重要です。
関連)https://ryumachi.umin.jp/clinical_case/SS.html
東京大学医学部附属病院アレルギー・リウマチ内科による全身性硬化症の詳細な解説
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