侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛心因性疼痛

侵害受容性疼痛・神経障害性疼痛・心因性疼痛をどう見分け、どう説明し、臨床でどう扱うべきでしょうか。分類の限界や最新の考え方まで整理できていますか?

侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛と心因性疼痛

あなたの「心因性疼痛」判断で検査費が増えることがあります。


3つの痛みを臨床で整理する要点
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まず機序で捉える

侵害受容性、神経障害性、心理社会的因子の関与を分けて考えると、問診と説明がぶれにくくなります。

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三分類で決めつけない

厚労省資料でも、個々の症例を3つにきれいに分類できないと明記されています。混合病態を前提に見る視点が重要です。

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「心因性」の使い方を更新する

最近は心理だけで片づけず、痛覚変調性疼痛や生物心理社会モデルで説明するほうが、臨床でも患者説明でも実用的です。


侵害受容性疼痛の定義と神経障害性疼痛との違い



侵害受容性疼痛は、組織損傷で侵害受容器が興奮して起こる痛みです。日本ペインクリニック学会は、つねった時の痛みや熱いものに触れた時の痛み、炎症による痛みをこの枠で説明しています。つまり組織損傷ベースです。


参考)1. 痛みの種類


一方で神経障害性疼痛は、体性感覚神経系の病変や疾患による直接的な結果として生じる痛みです。帯状疱疹後神経痛幻肢痛が代表例で、電気が走るような痛み、灼熱痛、アロディニアが手がかりになります。ここが見分けどころです。


参考)1. 痛みの種類


この違いは治療の初手にも直結します。日本ペインクリニック学会は、炎症性痛はNSAIDsなどで治療できる場合が多い一方、神経障害性疼痛は発症機序が十分に解明されておらず、治療が現在も十分ではないと説明しています。薬の選び方が変わるということですね。


参考)1. 痛みの種類


たとえば足関節捻挫の腫脹と圧痛が前景なら侵害受容性疼痛を考えやすいですが、帯状疱疹後に衣服の接触だけで痛むなら神経障害性疼痛を強く疑います。読者にとってのメリットは、初診の問診で痛みの質を拾えるようになることです。早めに機序を絞れると、不要な再診や説明のやり直しを減らしやすくなります。結論は見分けです。


参考)1. 痛みの種類


痛みの質を整理したい場面では、狙いを「侵害刺激か神経病変かの切り分け」に置き、候補としてNRSやVASに加え、痛みの質を言語化する質問を1枚メモにしておくと運用しやすいです。厚労省資料でもVAS、NRS、VRS、FRS、MPQなど複数の評価法が挙げられています。評価軸を増やすのが条件です。


参考)慢性疼痛 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフ…


痛み評価法の参考になる厚労省資料です。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/dl/s1210-5e.pdf


侵害受容性疼痛と心因性疼痛を単純に分けない理由

ここで注意したいのが、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛の3つに機械的に振り分けないことです。厚労省の資料には、病態メカニズムからみた分類は概念的な分類であり、個々の症例を3つに分類することはできないと明記されています。三択ではないのです。


参考)慢性疼痛 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフ…


さらに同じ資料では、診断がつかないものをすべて心因性疼痛と定義する意味ではないと明示されています。これは臨床でありがちな「画像で説明できないから心因性」という流れを否定する重要な一文です。ここは誤解しやすい点です。


参考)慢性疼痛 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフ…


日本ペインクリニック学会も、組織損傷が見えにくくても強い痛みを訴える患者は少なくなく、その痛みにも共感し寄り添う治療が必要だと述べています。つまり、検査所見の乏しさと痛みの真実性は別問題です。所見が薄いだけで切り捨てないことが基本です。


参考)1. 痛みの種類


医療従事者にとってのデメリットはここです。痛みの機序を詰めずに「心因性」とラベルづけすると、患者説明が荒くなり、診療科をまたいだ受診が増えやすくなります。厚労省資料でも、どこの門をたたくかで治療法が異なる、ひとつひとつドアを開いていくのは大変と表現されています。痛いですね。


参考)慢性疼痛 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフ…


このズレは時間コストにも直結します。初診5分で言い切った分類が、のちの長期フォローやクレーム対応で何倍もの負担になることは珍しくありません。あなたが避けるべきなのは「原因不明=心因性」という近道です。つまり短絡は禁物です。


参考)慢性疼痛 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフ…


侵害受容性疼痛からみる神経障害性疼痛と痛覚変調性疼痛

実際、慢性疼痛には侵害受容刺激、神経系の感作、心理的因子が寄与しうるとMSDマニュアルも整理しています。1つのラベルで完結しないわけです。混合病態が原則です。


参考)慢性疼痛 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフ…


慢性痛の患者説明で使う言葉に迷う場面では、狙いを「責めない説明」に置き、候補として「神経が敏感になっている」「痛みの回路が過敏になっている」という表現をメモしておくと実践的です。新語を知っているだけで、紹介状やカンファでも話が通りやすくなります。つまり更新が必要です。


参考)Nociplastic pain の日本語訳について - 日…


痛覚変調性疼痛の整理に役立つ日本内科学会の資料です。


侵害受容性疼痛を起点にした問診と評価の進め方

現場では、病名より先に「どの機序が強そうか」を拾うほうが実用的です。侵害受容性疼痛なら、熱・機械・化学刺激、炎症所見、体動での再現性が手がかりになります。神経障害性疼痛なら、電撃痛、灼熱痛、しびれ、アロディニアを丁寧に聞くのが近道です。


参考)1. 痛みの種類


ここで役立つのが、強さだけでなく質も評価する姿勢です。厚労省資料では、VASやNRSだけでなく、MPQやPDAS、SF-36など、行動やQOLまで含めた評価法が示されています。強さだけでは足りません。


参考)慢性疼痛 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフ…


数字で考えるとわかりやすいです。NRSが8でも、炎症所見が明瞭で安静時は3まで落ちる症例と、衣服の接触だけで8が続く症例では、同じ「8」でも臨床的意味がまるで違います。つまり数字は入口です。


参考)1. 痛みの種類


あなたのメリットは、評価の軸を増やすことで「効かない理由」の説明がしやすくなることです。NSAIDsが効きにくい神経障害性疼痛に対し、薬が弱いからではなく機序が違うからと伝えられると、服薬アドヒアランスも保ちやすくなります。説明力が武器です。


参考)1. 痛みの種類


評価のばらつきを減らしたい場面では、狙いを「再現性のある問診」に置き、候補として問診テンプレートを電子カルテの定型文に1つ作る方法があります。確認項目は、発症契機、持続時間、誘発因子、アロディニア、しびれ、睡眠障害の6点程度で十分です。6項目なら回せます。


参考)慢性疼痛 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフ…


侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛心因性疼痛の独自視点

検索上位の記事は、3種類の定義紹介で終わることが少なくありません。ですが医療従事者に本当に効くのは、「この分類をどう患者説明に落とすか」という視点です。分類は説明の道具です。


参考)1. 痛みの種類


日本ペインクリニック学会は、痛みは感覚であると同時に情動や認知に関わる複雑な体験だと説明しています。だからこそ、身体か心かの二分法で話すほど、現場の説明は破綻しやすくなります。ここが臨床の落とし穴です。


参考)1. 痛みの種類


さらに厚労省資料では、痛みの質を的確に判断することで検査費用が抑えられ、痛みを管理することで医療費や社会的損失が抑えられると示されています。つまり分類の精度は学問のためではなく、時間とお金を守るためでもあります。これは使えそうです。


参考)慢性疼痛 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフ…


外来で説明負担を減らしたい場面では、狙いを「患者が納得できる一言を決めること」に置き、候補として3種類の説明文をスタッフ間で共有メモにしておくと効果的です。言い方がそろうと、紹介時も継続診療時もぶれにくくなります。結論は共有です。


参考)慢性疼痛 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフ…


分類の基本と教育向けの整理に使いやすい日本ペインクリニック学会のページです。
https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_bunrui.html

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