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飛沫感染と空気感染の違い、感染経路と予防策について
飛沫感染と空気感染の違いについて、粒子の大きさや感染メカニズムの違いから予防方法まで詳しく解説。それぞれの感染経路にはどのような特徴があるのでしょうか？
飛沫感染は、感染者が咳やくしゃみ、会話をした際に口から飛び出す水分を含んだ飛沫（直径5μm以上）に付着した病原体を、近くにいる人が吸い込むことで起こる感染経路です。
参考）飛沫感染と空気感染って、いったいなにがちがうの？
飛沫は水分を含んでいるため比較的大きく重いため、重力によって1〜2メートル程度で地面に落下します。このため、感染者から2メートル以上の距離を保てば感染リスクを大幅に減らすことができます。
参考）飛沫感染と空気感染
飛沫感染する主な病原体には、新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ムンプスウイルス（流行性耳下腺炎）、風疹ウイルス、肺炎マイコプラズマなどがあります。
参考）飛沫感染対策
空気感染は、飛沫が空気中を飛行している間に水分が蒸発して、飛沫核（直径5μm以下）という微小な微粒子となり、これが空気中を長時間浮遊することで起こる感染経路です。
参考）空気感染とは【新型コロナウイルスなどの感染予防知識】 href="https://amethyst.co.jp/1251/" target="_blank">https://amethyst.co.jp/1251/amp;#8…
飛沫核は非常に小さく軽いため、空気の流れに乗って広範囲に拡散し、換気の悪い室内では数時間から数日間も空気中を漂い続けることがあります。また、飛沫核は非常に小さいため、吸い込まれても気道粘膜上皮の線毛運動により排除されることが少なく、肺の奥深くまで到達することができます。
参考）https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/hp-lab/rinkenhome/subfile/DCMI/kannsennkeiro_pdf.pdf
空気感染する感染症は限られており、麻疹（はしか）、水痘（みずぼうそう）、結核の3つが代表的です。これらの病原体は、飛沫核の状態でも感染性を失わない特殊な性質を持っています。
参考）空気感染と飛沫感染
両者の最も重要な違いは、感染を引き起こす粒子のサイズです。飛沫感染では直径5μm以上の比較的大きな粒子が感染の主体となるのに対し、空気感染では直径5μm以下の極めて小さな飛沫核が感染を引き起こします。
参考）空気感染と飛沫感染の違いって？感染を防ぐための対策を詳しく解…
この粒子サイズの違いにより、飛沫は重力によってすぐに落下しますが、飛沫核は空気中を長時間浮遊し続けることができます。例えば、60μmを超える大きな飛沫は感染者から0.5m以内で落下するのに対し、飛沫核は空気の流れに乗って隣の部屋にまで到達することもあります。
参考）新型コロナウイルス情報
ウイルスや細菌の大きさを比較すると、ウイルスは0.02〜0.3μm、細菌は1〜10μmと、細菌の方がウイルスより一桁大きくなっています。新型コロナウイルスの場合、直径は0.05〜0.2μmと極めて小さく、この小ささが感染拡大の一因となっています。
参考）【新型コロナ】感染対策でのマスクの効果とデメリットについて解…
飛沫感染と空気感染では、必要な予防策が大きく異なります。飛沫感染予防では、サージカルマスクの着用と2メートル以上の距離を保つソーシャルディスタンスが有効とされています。
参考）https://www.mhlw.go.jp/content/001301258.pdf
一方、空気感染予防策では、N95マスク規格以上の高性能マスクの着用が必要です。N95マスクは0.3μmの粒子を95%以上捕集する能力を持ち、5μm以下の飛沫核に付着した病原体を効果的に遮断できます。
参考）安全器材と個人用防護具 - N95マスクの選び方・使い方
ただし、N95マスクを単に装着するだけでは十分ではなく、使用前にフィットテストやシールチェックを行い、個人の顔に適切に密着していることを確認する必要があります。空気感染隔離室（AIIR）などの陰圧個室での管理も重要な予防策の一つです。
参考）N95マスク装着だけでは空気感染は防げない
温度と湿度は、飛沫感染と空気感染の両方に大きな影響を与えます。低温と低湿度の環境では、エンベロープウイルスが生存力と感染力を増すことが知られています。
参考）新型コロナ：感染防止には「加湿」すべきか否か（石田雅彦） -…
相対湿度が低い環境では飛沫がエアロゾル化しやすく、空中に漂う飛沫の数が増加します。スーパーコンピュータ「富岳」のシミュレーションによると、相対湿度が30％から90％に上がると、対面する人に到達する飛沫の数は減少し、机に落ちる飛沫の数が増加することが示されています。
また、人が密集し、湿気が籠り、風通しの悪い「3密」状態では、ウイルスが存在するエアロゾルが水分を保った状態で長時間空気中を漂い続け、感染リスクが高まります。これが新型コロナウイルスのクラスター感染の主要な原因の一つとされています。
参考）エアロゾル感染とは？ 飛沫感染・空気感染との違い
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