症状が消えても、6日間の投与を中断すると再発率が約3倍になります。
クロトリマゾールはイミダゾール系抗真菌薬に分類され、真菌細胞膜のエルゴステロール合成を阻害することで抗菌作用を発揮します 。具体的には、真菌細胞の細胞膜・核膜等の膜系構造にあるリン脂質分子に特異的親和性を持って結合し、膜の透過性を変化させます 。結果として細胞内成分が漏出し、真菌が死滅します。 pins.japic.or(https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00008555.pdf)
ドイツのBayer社が広い抗菌スペクトルを有することを見いだし、本邦では1976年に上市された歴史ある薬剤です 。現在流通しているクロトリマゾール腟錠100mg「F」は富士製薬工業の後発医薬品で、2018年に承認名が変更されました 。長い使用実績があるということですね。 pins.japic.or(https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00008555.pdf)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 薬効分類 | 抗真菌剤(2529) |
| ATCコード | G01AF02 |
| 主な標的菌 | カンジダ・アルビカンス |
| 剤形 | 白色の発泡性腟用錠 |
| 有効成分含量 | 1錠中100mg |
用法は「1日1回1錠を腟深部に挿入」が基本です 。就寝前に使用することが推奨されており、薬剤が腟内に留まりやすく効果が安定します 。手を清潔に洗ってから挿入することが必須です。 meds.qlifepro(https://meds.qlifepro.com/detail/2529702H1087/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%85%9F%E9%8C%A0%EF%BC%91%EF%BC%90%EF%BC%90%EF%BD%8D%EF%BD%87%E3%80%8C%EF%BC%A6%E3%80%8D)
投与期間は原則6日間の連続使用です 。これが原則です。 pins.japic.or(https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00067870.pdf)
ここで注意が必要なのが、「症状が改善されても6日間は使用を継続する」という点です 。途中で止めると菌が完全に排除されず、再発リスクが高まります。また、湿気で崩壊することがあるため、濡れた手での取り扱いは厳禁です 。必要に応じて使用期間を延長することも可能で、臨床所見に応じた柔軟な対応が求められます 。 neoclinic-w(https://neoclinic-w.com/std_medicines/364)
承認時および承認以降に行われた12,620例を対象とした調査では、副作用の発現率はわずか1.5%(195例)でした 。これは使えそうなデータですね。 nyredcross(https://www.nyredcross.org/component9)
副作用の内訳は主に局所症状で、腟における熱感・刺激感・発赤・紅斑が報告されており、発赤・紅斑は33例(0.48%)、熱感は3例(0.04%)と非常に低頻度です 。クロトリマゾールは皮膚や粘膜からの吸収量が少ないため、内服薬で見られるような肝機能障害・吐き気・頭痛といった全身性副作用のリスクは極めて低いとされています 。 oogaki.or(https://oogaki.or.jp/hifuka/medicines/clotrimazole/)
特別調査3,106症例では副作用発現は5例5件(0.2%)のみで、重篤な副作用はゼロでした 。全身性副作用の心配は少ない薬です。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000076893.pdf)
妊婦(妊娠3ヵ月以内)または妊娠している可能性のある女性には、有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用することとされています 。妊娠中の使用に関する安全性は確立していないため、慎重な判断が必要です 。厳しいところですね。 kegg(https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067870)
一方で、妊娠中は女性ホルモンバランスが大きく変化するため、腟カンジダ症に罹患しやすい状況でもあります 。腟錠は腟内に直接作用し全身への影響は少ないため、胎児への安全性は比較的高いと考えられていますが、添付文書の指示を遵守することが大前提です 。 kinomaternityclinic(https://kinomaternityclinic.jp/column/pregnancy/3618/)
授乳婦については、添付文書上で授乳を禁止する項目はありません 。ただし、各ケースの状況に応じた判断が求められます。妊娠3ヵ月以内かどうかの確認が最初のステップになります。 wic-net(https://www.wic-net.com/material/document/3233/24)
再発までの期間が2ヵ月以内の場合、市販薬での自己治療は適応外です 。これは医療従事者として患者指導に必ず組み込むべき情報です。自己判断での再治療は診断の遅れや治療薬の不適切な選択につながるリスクがあります。 image.yodobashi(https://image.yodobashi.com/etcobject/100000001003503272/M0000007166.pdf)
また、無症状のパートナー男性の治療は通常不要とされていますが、パートナーに発疹・かゆみなどの症状がある場合は受診を促すことが重要です 。パートナー指導も治療の一部と考えるのが原則です。 torch(https://www.torch.clinic/contents/221)
参考:腟カンジダの再発・治療管理に関する詳細情報(予防会)
参考:PMDA医療用医薬品情報(クロトリマゾール腟錠100mg「F」添付文書)
PMDA:クロトリマゾール腟錠100mg「F」医療関係者向け情報