アレックスビーの効果と副作用を徹底解説、対象者や費用も解説

アレックスビー（AREXVY）は、グラクソ・スミスクライン社が開発した高齢者向けRSウイルス（RSV）ワクチンです。主に60歳以上の成人を対象に、RSウイルス感染症の発症や重症化を予防する目的で使用されます。
臨床試験では、RSウイルス関連下気道疾患の発症リスクを約82.6％減少させ、重症化や入院リスクも70～80％減少させる効果が示されています[1][2][3][4]。また、基礎疾患を持つ高齢者においても、同等以上の高い有効性が報告されています[4]。
特筆すべきは、インフルエンザワクチンの予防効果が約50％であるのに対し、アレックスビーはそれを大きく上回る有効性を持つ点です[4]。RSウイルス感染症は高齢者の死亡リスクが高く、アレックスビーの登場は大きな意義を持ちます。

アレックスビーの主な副作用は、注射部位の疼痛、紅斑、腫脹で、10％以上の頻度で報告されています[1][3][4][5]。また、頭痛、筋肉痛、関節痛、疲労、発熱などの全身症状も比較的多く見られます。
1～10％未満では皮膚の赤み、腫れ、発熱、1％未満では過敏反応（発疹等）、鼻漏、そう痒感が報告されています[1][3]。
これらの副作用は多くが軽度かつ一過性で、数日以内に自然軽快するケースがほとんどです[2][6][7][4]。ただし、極めてまれにアナフィラキシーなどの重篤なアレルギー反応が起こる可能性もあり、接種後の観察や既往歴の確認が重要です[2][6][4]。

アレックスビーの主な対象者は60歳以上の高齢者です[3][4]。特に、慢性の心疾患、肺疾患、糖尿病、腎疾患、免疫不全などの基礎疾患を持つ方、老人ホームや長期介護施設で生活する方は接種が推奨されています[3][4]。
妊婦や妊娠の可能性がある女性への接種は原則推奨されていません[6][3]。また、過去にアレックスビー成分や他のワクチンでアレルギー反応を起こしたことがある方は、必ず医師と相談の上で接種を検討してください[2][6][4]。
接種は1回0.5mLの筋肉注射で行われます[3][4]。新型コロナワクチン以外のワクチンとは同時接種が可能です（コロナワクチンとは2週間の間隔を推奨）[3][4]。

アレックスビーの費用は約25,000～27,000円（税込）が一般的です[3][4]。予防接種のため、保険適用外となります[4]。
接種は医療機関で予約制となっていることが多く、ワクチンの在庫状況によっては取り寄せに1週間ほどかかる場合もあります[4]。
効果の持続期間は1年以上とされており、今後さらに延長される可能性も示唆されています[4]。

アレックスビーは、RSウイルス感染症の予防に高い有効性を示していますが、高齢者の免疫応答や基礎疾患の影響、長期的な効果持続性については今後の研究が必要です[6][4]。
現時点では、接種後1年以上の有効性が示唆されていますが、複数年にわたる長期データや、他ワクチンとの相互作用、より重症例への効果検証が期待されています[4]。
また、接種後の副反応モニタリング体制や、基礎疾患患者への最適な接種時期、費用対効果のさらなる検証も今後の課題です。
アレックスビーは新しいワクチンであるため、日々アップデートされる知見を医療従事者がキャッチアップし、患者に最適な情報提供を行うことが求められます。