MRIの費用について知ろう

MRI検査にかかる費用は保険適用の有無や機器の種類により大きく異なります。保険診療では1割負担で約3,000円、3割負担で約8,500円程度が相場となっています。自由診療や脳ドック検査の場合はどうなるでしょうか?

MRI費用の基本情報

MRI検査費用のポイント
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保険診療の費用

3割負担で約8,500円、1割負担で約3,000円程度

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自由診療の費用

全額自己負担で20,000円〜50,000円程度

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機器による違い

高性能機器ほど診療報酬点数が高く設定

MRI保険診療での費用内訳

MRI検査の保険診療における費用は、診療報酬点数に基づいて算定されます。3テスラ以上の高磁場MRI装置を使用した場合、基本撮影料は1,600点(16,000円)となり、これに画像診断料や各種加算が上乗せされます 。患者の自己負担割合に応じて、1割負担では約3,000円、3割負担では約8,500円程度の支払いになります 。
参考)料金

 

診療報酬点数は、使用するMRI装置の性能や撮影する部位によって異なる設定があります。頭部MRI撮影では100点の加算、心臓MRI撮影では400点の加算、全身MRI撮影では600点の加算が追加されるため、検査内容によって最終的な費用に差が生じます 。
参考)https://clinicalsup.jp/jpoc/shinryou.aspx?file=ika_2_4_3%2Fe202.html

 

施設基準を満たした医療機関では、より高精度な検査が可能な3テスラ以上の装置を使用でき、共同利用施設の場合は1,620点と若干高い点数が設定されています 。これらの点数差により、同じMRI検査でも医療機関によって費用に違いが生まれるのです。

MRI自由診療と脳ドック費用

自由診療でMRI検査を受ける場合、全額自己負担となり費用は20,000円〜50,000円程度が相場となります 。健康診断や脳ドックとしてMRI検査を受ける際は、明確な症状がないため保険適用外となり、医療機関が自由に価格設定を行います 。
参考)MRI検査とは?費用やわかる病気など解説

 

脳ドック検査では、シンプル脳ドック(脳MRI+脳MRA)で22,000円、プレミアム脳ドック(脳MRI+脳MRA+頚部MRA)で28,000円程度の費用がかかります 。全身がん検査を目的としたDWIBS検査では49,800円と、検査範囲の拡大に伴い費用も大幅に上昇します 。
参考)脳ドックや健康診断の料金表

 

予防医療としての位置づけから、自由診療のMRI検査には健康保険組合や自治体から補助金が支給される場合があります 。事前に所属する健康保険組合や市区町村に確認することで、実質的な負担額を軽減できる可能性があります。
参考)脳ドックにかかる費用は? 保険適用できる? 自由診療と保険診…

 

MRI造影検査の追加費用と特殊検査

造影剤を使用するMRI検査では、基本検査費用に加えて造影剤使用加算として250点(2,500円)が上乗せされます 。3割負担の場合、単純MRI検査が約8,500円に対し、造影MRI検査は約15,500円となり、7,000円程度の費用増となります 。
参考)料金

 

造影検査で使用されるガドリニウム製剤は、腫瘍の性質や血管の状態をより詳細に観察するために投与されます 。造影剤の薬剤料や注入手技料は加算点数に含まれるため、別途追加で請求されることはありません 。
心臓MRI検査や全身MRI検査など、特殊な撮影技術を要する検査では、それぞれ専用の加算点数が設定されています。心臓MRI撮影加算は400点、全身MRI撮影加算は600点となり、通常のMRI検査よりも高額な費用設定となっています 。

医療機関による費用差と選択基準

同じMRI検査でも、医療機関により費用に差が生じる主な要因は、使用する装置の性能と施設基準の違いにあります 。高磁場MRI装置を導入している医療機関では診療報酬点数が高く設定されており、その分患者の負担額も増加します 。
大学病院や総合病院では最新の3テスラMRI装置を導入していることが多く、より高精度な画像診断が可能な反面、クリニックや画像診断センターと比較して費用が高くなる傾向があります 。一方、画像診断専門施設では効率的な運営により、相対的に安価な料金設定を行っている場合もあります。
参考)検査の流れと検査料金について

 

医療機関選択の際は、費用だけでなく検査の目的や必要な画質レベルを考慮することが重要です。緊急性のない健康診断目的であれば費用を重視し、精密検査が必要な場合は設備の充実した施設を選択するなど、状況に応じた使い分けが推奨されます 。

MRI費用を抑える方法と注意点

MRI検査の費用を抑える最も効果的な方法は、明確な症状がある場合に医師の診断を受けて保険適用での検査を受けることです 。頭痛や手足のしびれなどの自覚症状があれば、脳ドックではなく保険診療での検査が可能となり、大幅な費用軽減につながります。
参考)脳ドックは保険適用になる?最低限必要な検査項目と保険診療にな…

 

健康保険の自己負担割合も費用に大きく影響します。70歳以上で一般的な所得の場合は2割または1割負担となり、3割負担と比較して費用を半分以下に抑えることができます 。後期高齢者医療制度の対象者では、さらに負担軽減の可能性があります。
画像診断専門クリニックでは、病院と比較して待ち時間が短く、費用も抑えられる場合があります 。ただし、検査後に異常が発見された場合の連携体制や、緊急時の対応体制を事前に確認することが重要です 。
厚生労働省の診療報酬点数表では、MRI検査の詳細な算定基準が定められています