C型肝炎のうつる確率と感染経路の詳細解説

C型肝炎の感染確率はどの程度なのでしょうか?針刺し事故や性行為、母子感染における具体的な感染率データを医学的根拠とともに解説し、効果的な予防法もご紹介します。感染リスクを正しく知りたい方は必見です

C型肝炎のうつる確率

C型肝炎の感染確率
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針刺し事故の感染率

医療従事者の針刺し事故による感染率は約1.8%

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夫婦間の感染確率

配偶者間での年間感染率は0.23%程度

👶
母子感染率

母体から子への感染確率は5~10%弱

C型肝炎の針刺し事故感染確率

医療従事者にとって最も重要な感染リスクとして、針刺し事故による感染があります。C型肝炎ウイルス陽性血液に汚染された針刺し事故等の後、約1.8%前後の保健医療従事者がC型肝炎ウイルスに感染している統計データが示されています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/dl/s0303-12n3.pdf

 

この感染率は、B型肝炎の30%以上やHIVの0.3%と比較すると中程度のリスクに位置しています。針刺し事故が発生した場合、医療現場では産業医への届け出と経過観察が必要とされ、感染した人の2/3は慢性肝炎となるため長期的な健康管理が重要です。
参考)http://www.kankyokansen.org/other/edu_pdf/3-3_13.pdf

 

血液透析による新規感染については、平均年率約2%という報告もあり、医療現場における感染管理の重要性が強調されています。
参考)C型肝炎について解説

 

C型肝炎の性行為うつる確率

C型肝炎の性行為による感染確率は、B型肝炎と比較して著しく低いことが特徴です。具体的な感染率は明らかにはなっていませんが、夫婦のどちらかがC型肝炎に感染していた場合、パートナーにうつる確率は年間0.23%という報告があります。
参考)C型肝炎《男性》

 

この低い感染率の背景には、C型肝炎ウイルスの感染力がB型に比べ弱いことがあります。ただし、アナルセックスや生理中の性行為など出血を伴う可能性がある性行為の場合は、感染リスクが高まります。
参考)B型肝炎・C型肝炎は性行為で感染する?感染経路や検査・治療方…

 

通常のキスや入浴でC型肝炎ウイルスに感染する可能性は極めて低く、日常的な接触での感染リスクは心配する必要がありません。
参考)C型肝炎

 

C型肝炎の母子感染確率

C型肝炎の母子感染は、B型肝炎ほど頻度が高くありません。C型肝炎ウイルス感染の母親から生まれる子供の感染率は約10%程度で、感染しても3歳までに約30%が自然治癒することが報告されています。
参考)C型肝炎は母子感染しますか?

 

母親のC型肝炎ウイルス量が多い場合には、母子感染率が高くなるとの報告があるため、妊娠中の定期的な検査が重要です。また、授乳でC型肝炎に感染したという報告はないとされていますが、母親の乳首に傷がある場合には一時的な授乳中止が推奨されています。
感染した子供の約半数が数年で治癒するとされており、早期の診断と適切な管理により良好な予後が期待できます。

C型肝炎感染経路別リスク比較

C型肝炎の感染経路別にリスクを比較すると、血液感染が最も高リスクとなります。主な感染経路として以下が挙げられます:
参考)FORTH

 

  • 注射器具の使い回しによる注射麻薬の使用(高リスク)
  • 医療器材の再使用や不十分な滅菌処理(中リスク)
  • スクリーニング検査されていない血液および血液製剤の輸血(高リスク)
  • ピアス、入れ墨など出血を伴う民間療法(中リスク)

現在では適切なスクリーニングシステムにより、輸血などの血液製剤による新規患者の発生はゼロに近づいているとの報告があります。しかし、注意が必要なのは歯ブラシやカミソリなど血液が付着する可能性のある日用品の共用で、これらの共有は避けるべきです。
参考)https://hospital.ompu.ac.jp/liver_disease/ctype.html

 

C型肝炎の予防と早期発見戦略

C型肝炎にはワクチンが存在しないため、感染予防が最も重要な対策となります。予防策として、他人の血液に安易に触れないことが基本原則です。
参考)https://www5.city.kurume.fukuoka.jp/web/civic_voice/cv_detail.asp?list=2amp;hidListFlg=0amp;id=7103

 

具体的な予防法には、使い捨て手袋の着用、注射器や注射針の共用禁止、入れ墨やピアス施術時の清潔な器具確認などがあります。医療従事者の場合、適切な感染管理により針刺し事故のリスクを最小限に抑えることが可能です。
早期発見のための検査体制も重要で、HCV抗体検査からHCV-RNA検査への段階的診断により正確な感染状況を把握できます。感染経路に該当する可能性がある方は、症状の有無に関わらず定期的な検査受診が推奨されています。
参考)検査と診断について