看護現場におけるとろみ剤の研修では、実際に飲み比べを通じた体験学習が頻繁に実施されています。弘前豊徳会での研修では、とろみのついた紅茶を実際に飲んだ職員から「もっと粉っぽいかと思ったけどそうでもない」という感想が聞かれました。これは多くの看護師が抱いている先入観とのギャップを示しています。
参考)https://houtokukai.org/staffblog/2019/11/2119/
穴吹医療大学校の研修では、「味がほとんど変わらない」「少し口の中に残る」「喉が渇いたときはこれは飲めないな」といった率直な感想が報告されています。特に興味深いのは、患者の状態や状況によって受け止め方が大きく変わるという視点です。
参考)https://anabuki-medical.jp/yawaragi/ekinishi202003/
👨⚕️ 研修で得られる感想の種類
現代のとろみ剤の品質向上について、看護師から多くのポジティブな感想が寄せられています。宇野記念病院の勉強会では、「食事を作る時にも専用のトロミ剤があることを知り、昔のトロミ剤と比べると現在のトロミ剤はあまり味が変わらずトロミ剤に対する意識が変わりました」という感想が記録されています。
参考)https://www.uno-upd.co.jp/news/csr/3205/
この感想は、とろみ剤の技術進歩を実感した看護師の体験を表しており、従来品との明確な差を感じていることがわかります。特に専用のトロミ剤の存在を知ったことで、患者ケアの選択肢が広がったという実感も示されています。
🥤 味覚変化への感想ポイント
広島県立大学の看護学科では、学生が自宅でとろみ水を作る体験を行い、その感想をリアルタイムでグラフ化して共有する取り組みが行われています。このような体験学習により、「とろみ水を飲むという患者体験をすることによって、飲み込むことが難しい患者さんへの安全な食事介助について考えることが出来ました」という感想が得られています。
参考)https://www.pu-hiroshima.ac.jp/site/health/kango-kiso-online-enshu.html
患者体験を通じた学習は、看護師の共感性を高め、より質の高いケアの提供につながる重要な要素です。実際に体験することで理論だけでは理解できない患者の気持ちや感覚を知ることができます。
💭 意識変化の感想要素
とろみ剤は飲み物だけでなく、固形食にも応用されており、この点についても看護師から貴重な感想が寄せられています。宇野記念病院での研修では、「おはぎ・おひたし・鶏の照焼き」を実際にとろみ剤で調理したものを試食し、「トロミ剤を加えても味の変化は大きくなく舌でつぶせる程度の食感で、想像よりおいしいことを実感できました」という感想が報告されています。
この感想は、とろみ剤の食事全般への応用可能性と、その品質の高さを示している重要な証言です。看護師にとって、患者の栄養状態を維持しながら安全な摂食を支援する上で、このような選択肢があることは大きな安心材料となります。
🍽️ 食事応用への感想ポイント
磯野千春の調査研究によると、看護師の28.5%がとろみ水で内服した場合に薬剤の崩壊や吸収に問題が生じる可能性を知っているという結果が報告されています。これは医師・歯科医師の18.3%と比較すると高い数値ですが、まだ多くの看護師が適正使用の重要性を十分に理解していない状況を示しています。
参考)https://www.jsdnnm.com/wp-content/uploads/2024/01/1263902b1dc530c53572d40ef264fe4e-1.pdf
現場では「内服時も水分摂取の延長としてとろみ水を利用する傾向やとろみ剤の手軽さ、服薬ゼリーとの価格差」が影響要因として挙げられており、経済的な観点も含めた総合的な判断が求められています。
看護師からは「とろみ剤の手軽さは認めるが、薬効への影響を考えると服薬ゼリーとの使い分けが必要」という意見も多く聞かれるようになってきています。これは専門職としての責任感と患者安全への配慮を示した重要な感想といえます。
📚 知識面での感想と課題
現在のとろみ剤技術の進歩により、味や食感の面での改善は著しく、多くの看護師がその品質向上を実感しています。しかし同時に、適正使用に関する知識の普及と、患者個別の状態に応じた最適な選択が今後の課題として浮かび上がっています。看護師の感想を通じて見えてくるのは、技術進歩への感謝とともに、より深い専門知識の必要性を認識する現場の声です。