テルモの電子体温計シリーズ(ET-C231P、ET-C232P01、ET-P265WZなど)では、アルカリマンガン電池のLR41を2個使用します。LR41は直径7.9mm、高さ3.6mmの小型ボタン電池で、体温計以外にも電卓や小型電子機器に広く使われている規格です。医療機関では大量購入によるコスト削減も可能ですが、100円均一ショップでも2個セットで入手できるため、個人での交換も経済的です。youtube
参考)テルモの体温計の電池を交換する方法 href="https://usedoor.jp/howto/life/life-item/terumo-taionkei-denchi-koukan/" target="_blank">https://usedoor.jp/howto/life/life-item/terumo-taionkei-denchi-koukan/amp;#8211; C230…
電池の電圧はDC 3.0Vで、2個直列接続により動作します。このため、電池交換時には必ず同じ種類の新品電池を2個同時に交換することが求められます。古い電池と新しい電池を混在させると、電池が発熱して故障の原因となるだけでなく、正確な測定ができなくなる可能性があります。また、指定以外の電池(LR44やCR2032など)を使用すると、電圧や形状が合わずに機器が破損するリスクがあります。
参考)https://www.terumo.co.jp/consumer/products/healthcare/thermometer/pdf/c231_tenp.pdf
電池交換は小型のプラスドライバー(サイズ:0番用)を使用して行います。まず、体温計背面のネジをドライバーで反時計回りに回して外し、電池カバーを取り外します。次に、爪楊枝やピンセットなどの先端が細い道具を使って、使用済み電池を慎重に取り出します。電池は金属フレームで固定されているため、取り出しにくい場合がありますが、無理に力を加えると内部基板を傷つける恐れがあるため注意が必要です。
参考)体温計の修理
新しい電池を挿入する際は、プラス極とマイナス極の向きを確認してから、2個同時に装着します。電池の極性を間違えると通電せず、機器が動作しません。電池を正しく装着したら、電池カバーを本体にはめ込み、ネジをしっかりと締めます。最後に、スイッチを入れて液晶画面が正しく表示されるか、検温動作が正常に行われるかを確認してください。この確認作業を怠ると、実際の使用時にトラブルが発生する可能性があります。
医療機関では、電池交換前に体温計本体を消毒用アルコール綿で清拭し、衛生的な環境で作業を行うことが推奨されます。また、取り外したネジや電池カバーは紛失しやすいため、作業用トレイなどにまとめて置くと良いでしょう。
参考)https://medical.terumo.co.jp/sites/default/files/assets/equipment/me97/pdf/22SP083.pdf
テルモ電子体温計ET-C231Pの電池寿命は、予測測定時で約1,000回、実測測定時で約300回(連続測定時)が目安とされています。医療機関で1日に20名の患者に対して1日2回の検温を行う場合、1日あたり40回の使用となり、約25日で1,000回に達する計算になります。このような高頻度使用環境では、約1ヶ月ごとに電池交換が必要となる場合があります。
参考)https://www.terumo.co.jp/consumer/products/healthcare/thermometer/c231.html
電池電圧が低下すると、体温計の液晶画面に電池マークが点滅または点灯して交換時期を知らせます。また、「℃」マークが薄くなったり、検温ができなくなったりする症状も電池切れのサインです。これらの症状が現れたら、速やかに電池交換を行う必要があります。電池切れの状態で無理に使用を続けると、測定値の精度が低下したり、測定時間が長くなったりするため、医療現場では患者への対応に支障をきたす可能性があります。
一般家庭での使用頻度(1日1回程度)であれば、2〜3年程度の電池寿命が期待できます。ただし、保管環境や気温によっても電池の消耗速度は変化するため、定期的な動作確認が重要です。
参考)体温計の電池交換と寿命|ボタン電池の型番でこんなに違うとは|…
電池交換時に最も注意すべき点は、2個の電池を必ず同時に新品に交換することです。片方だけを交換したり、古い電池と新しい電池を混ぜて使用したりすると、電池の電圧差により発熱や液漏れが発生するリスクがあります。特に医療機関では、複数の体温計を管理しているため、使用済み電池と新品電池を混同しないよう、作業環境を整理することが重要です。
電池交換後に体温計が正常に動作しない場合、まず電池の極性が正しいか、電池カバーがしっかりと閉まっているかを確認してください。それでも動作しない場合は、電池端子部分の汚れや腐食が原因の可能性があります。綿棒に少量のアルコールを含ませて端子部分を清掃すると改善する場合があります。また、10年以上前の古いモデルや、液漏れの痕がある体温計は、電池交換だけでは復旧しない可能性が高く、本体の買い替えを検討する必要があります。
使用済み電池は、各自治体のルールに従って適切に廃棄してください。ボタン電池には微量の水銀や亜鉛などが含まれているため、一般ゴミとして廃棄せず、電器店や公共施設に設置されている回収ボックスを利用することが環境保護の観点からも重要です。また、取り外したネジや電池カバーは子供の手の届かない場所に保管し、誤飲事故を防止してください。youtube
テルモの体温計には電池交換が可能なモデルと不可能なモデルが存在します。ET-C231P、ET-C232P01、ET-P265WZなどは電池交換可能モデルで、LR41を2個使用します。一方、ET-C205PやET-C207Sなどの病院用モデルは電池交換不可の設計となっており、耐用期間5年または予測検温約10,000回が寿命の目安です。
参考)https://www.terumo.co.jp/consumer/products/healthcare/thermometer/c205p.html
電池交換不可モデルは、ケースからの出し入れで電源が自動的にON/OFFされる設計により、電池の無駄な消耗を防いでいます。これらのモデルは衛生管理を重視した病院用途に特化しており、本体と専用ケースが清拭・浸漬消毒に対応しています。電池交換可能モデルを選ぶか、長期使用を前提とした交換不可モデルを選ぶかは、使用頻度や管理体制によって判断する必要があります。
参考)テルモ - 電子体温計 C207 ET-C207S の評価
また、ET-P265WZなどの新しいモデルでは、前回値メモリー機能やオートパワーオフ機能が搭載されており、電池寿命の延長が図られています。医療機関では、電池交換の手間とコスト、衛生管理の容易さを総合的に考慮して、最適な機種を選定することが求められます。
参考)テルモ体温計電池交換(体温計)|健康管理、計測計
医療機関では、体温計の電池交換だけでなく、定期的な消毒と清掃が感染管理上重要です。テルモ電子体温計ET-C207SやET-C217Sは防水性能IPX7を備えており、水洗いが可能です。消毒用アルコール、クロルヘキシジングルコン酸塩、ベンザルコニウム塩化物、次亜塩素酸ナトリウム、グルタラールなどの消毒液が使用できます。ただし、消毒液に浸す時間は添付文書に記載された必要時間を守り、50℃以上の熱湯消毒は避ける必要があります。
電池交換作業は、清潔な環境で行うことが基本です。作業前には手指衛生を実施し、必要に応じて手袋を着用します。電池カバーを開けた際、内部にホコリや汚れが付着している場合は、乾いた綿棒で軽く拭き取ります。水分が内部に入ると故障の原因となるため、水気のある状態での電池交換は避けてください。
医療機関では、複数の体温計を管理しているため、電池交換時期を記録するメンテナンス台帳の作成が推奨されます。各体温計にIDナンバーを付与し、購入日、電池交換日、使用回数(可能であれば)を記録することで、計画的な電池交換と機器の更新が可能になります。これにより、診療中の電池切れによる業務停滞を防ぐことができます。
また、院内感染対策として、患者ごとに体温計を使い分ける運用を行っている施設もあります。この場合、使用後の消毒と電池残量の確認をセットで行うことで、次回使用時のトラブルを未然に防ぐことができます。電池交換を含めた体温計の適切なメンテナンス管理は、医療の質と安全性を支える重要な要素です。