代謝性アシドーシス 原因 アニオンギャップ 下痢 腎不全

代謝性アシドーシスの原因を、アニオンギャップ、高クロール性、乳酸、ケトアシドーシス、腎不全から整理します。見落としやすい輸液や薬剤まで、どこで見分けるべきでしょうか?

代謝性アシドーシスの原因

あなた、生食だけで高クロール性アシドーシスです。


原因の全体像
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まず分類する

高アニオンギャップか、正常アニオンギャップかで原因検索の速度が大きく変わります。

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定番だけでは足りない

乳酸、ケトン、腎不全だけでなく、生理食塩水負荷やアセタゾラミドも重要な原因です。

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治療より先に原因

重炭酸投与の前に、何がHCO3-を減らし、どの酸が増えているかを見極める視点が欠かせません。


代謝性アシドーシス 原因 を分類する基本



代謝性アシドーシスは、血中HCO3-の低下で起こる病態です。原因は大きく、酸が体内に増える場合と、HCO3-が失われる場合に分けて考えるのが基本です。結論は分類です。


臨床では、まずアニオンギャップ(AG)が開大しているかを確認します。AG開大型では乳酸アシドーシス、ケトアシドーシス、尿毒症、各種中毒が代表で、正常AG型では下痢、尿細管性アシドーシス、アセタゾラミド、塩化物負荷などが並びます。つまり入口が大事です。


この順番で見ると、原因検索が一気に整理されます。たとえば血液ガスでHCO3-低下を見た直後に、Na、Cl、Alb、乳酸、ケトン、Crを横並びで確認すると、検査の追加が最小限で済みます。分類が原則です。


代謝性アシドーシス 原因 とアニオンギャップ 開大

高アニオンギャップ代謝性アシドーシスでは、不揮発酸が体内に蓄積しています。代表は乳酸アシドーシス、糖尿病性・アルコール性・飢餓性のケトアシドーシス、末期腎不全に伴う尿毒症、そしてメタノールやエチレングリコールなどの中毒です。ここが王道です。


乳酸アシドーシスは、ショック、低酸素、痙攣、敗血症、薬剤で起こります。敗血症診療では乳酸測定が初期対応の一部として扱われ、乳酸4mmol/L超や低血圧では30mL/kgの晶質液投与が示される一方、乳酸アシドーシスに対する重炭酸投与は循環改善に結びつかないとされています。重炭酸だけでは不十分です。


ケトアシドーシスも糖尿病だけではありません。MSDの原因一覧では絶食や慢性アルコール摂取も高AGアシドーシスの原因に挙がっており、食事摂取不良の高齢者や周術期患者でも見逃せません。意外ですね。


薬剤ではメトホルミン関連乳酸アシドーシスも重要です。PMDAはメトホルミン製剤で1日最高投与量2,250mg製剤や750mg製剤の注意改訂を公表しており、腎機能低下や脱水、感染、低酸素が重なる場面でリスク評価が必要です。腎機能確認が条件です。


参考:代謝性アシドーシスの原因一覧が整理されています。
MSDマニュアル プロフェッショナル版 代謝性アシドーシスの原因


代謝性アシドーシス 原因 と下痢 腎不全 尿細管性

正常アニオンギャップ、いわゆる高クロール性代謝性アシドーシスでは、HCO3-喪失か腎での酸排泄障害を考えます。代表は下痢、人工肛門や腸瘻、尿細管性アシドーシス、腎不全、アセタゾラミドです。ここは見逃しやすいです。


下痢はありふれていますが、立派な原因です。消化管からHCO3-が失われるためで、便回数が増えている患者で「Crがまだ保たれているから腎性ではない」と早合点すると、原因検索の方向を誤ります。下痢歴だけ覚えておけばOKです。


腎性では、1型、2型、4型の尿細管性アシドーシスが代表です。MSDではRTA各型や尿細管間質性腎疾患、低アルドステロン症が正常AGアシドーシスの原因に含まれており、特に4型は高K血症とセットで拾うと臨床像が見えやすくなります。K値に注意すれば大丈夫です。


保存期CKDでも慢性的な代謝性アシドーシスは問題になります。KDIGO 2024では成人CKDで血清重炭酸が18mmol/L未満なら薬物療法や食事介入を検討する practice point が示され、日本腎臓学会のCKD診療ガイドライン2023でもCKD G3~5で炭酸水素Naなどの介入が提案されています。慢性例も放置しないことですね。


参考:CKDにおける代謝性アシドーシス介入の考え方がまとまっています。
日本腎臓学会 CKDに対する薬物治療


代謝性アシドーシス 原因 と輸液 薬剤 の落とし穴

ここが上位記事に抜けやすい実務ポイントです。代謝性アシドーシスは、疾患だけでなく医療行為そのものでも起こります。盲点になりやすいですね。


典型は生理食塩水の急速大量投与です。MSDはNaClの急速注入を正常AGアシドーシスの原因に挙げており、国内の救急文献でも塩素負荷が高クロール血症と代謝性アシドーシスを引き起こすと整理されています。生食万能はダメです。


たとえば敗血症や周術期で2L、3Lと生食が先行すると、乳酸ではなくCl上昇が主因のアシドーシスが混ざることがあります。すると「ショック遷延」と誤読しやすく、不要な再評価や追加処置で時間を失います。輸液の中身も原因です。


薬剤ではアセタゾラミドが有名です。炭酸脱水酵素阻害によりHCO3-再吸収が落ちるためで、緑内障、てんかん、利尿目的などで処方歴がある患者では、薬歴確認だけで診断に近づく場面があります。薬歴確認は必須です。


リスク対策としては、輸液関連の高クロール性アシドーシスを避けたい場面で、狙いを「Cl負荷を増やさないこと」に置き、候補として平衡晶質液の選択を確認する、これだけで実務はかなり変わります。これは使えそうです。


参考:生食とリンゲル液の違い、高クロール性アシドーシスの考え方が整理されています。
生食 VS リンゲル液


代謝性アシドーシス 原因 と意外な例外 D-乳酸

「乳酸アシドーシス」と聞くと多くはL-乳酸を想像します。ですが短腸症候群では、D-乳酸アシドーシスという別の落とし穴があります。ここは独自視点です。


国府台病院の整理では、抗菌薬、腸管麻痺、短腸症候群などによる腸内細菌異常増殖でD-乳酸が蓄積します。小児領域の報告でも、短腸症候群に伴うまれな代謝性アシドーシスとして扱われ、意識障害や神経症状の原因になります。L乳酸だけは例外です。


つまり、意識変容があるのに通常の乳酸値だけでは説明しにくい患者では、腸管背景を思い出す必要があります。短腸、消化吸収障害、炭水化物負荷後の症状悪化という絵が浮かべば、あなたの鑑別は一段深くなります。どういうことでしょうか?


この場面の対策は、リスクを「通常の乳酸で否定したと思い込むこと」と置き、狙いを「腸管背景を拾うこと」にして、候補として病歴メモに短腸症候群や腸管手術歴を1行追加することです。病歴で差がつきます。


参考:D-乳酸アシドーシスの原因と短腸症候群との関係がわかります。
国府台病院 代謝性アシドーシス


代謝性アシドーシス 原因 を現場で見抜く順番

原因を漏らさないには、検査値を順番で見ることが重要です。おすすめは、pH、HCO3-、PaCO2、AG、乳酸、血糖、ケトン、Cr、K、Cl、薬歴、輸液歴、下痢の有無の順です。順番が大事です。


この流れなら、高AGか正常AGか、急性か慢性か、内因性酸の蓄積かHCO3-喪失かがかなり早く見えます。たとえばAG開大で乳酸正常なら、ケトン、尿毒症、中毒へ進み、正常AGでCl高値なら下痢か輸液負荷、RTA、薬剤へ寄せられます。枝分かれで考えると楽です。


医療従事者向けに言い換えると、原因検索は知識量だけでなく、並べ方の技術です。疾患名を丸暗記するより、AGとClを起点にしたフレームを持つほうが、夜間当直でも再現性が高くなります。つまり再現性です。


最後に一つだけ。代謝性アシドーシスは「重炭酸を入れるか」の前に、「なぜHCO3-が減ったのか」を外さないことが最優先です。原因検索が基本です。

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