セルシン(ジアゼパム)は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬の代表的な薬剤として、50年以上にわたり臨床現場で使用されてきました。有効成分であるジアゼパムは、GABA-A受容体に結合してクロライドチャネルを開放し、神経の興奮を抑制する作用を示します。
参考)https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=43334
主な薬理作用として以下の4つがあります。
セルシンの半減期は約20-50時間と長く、代謝物にも活性があるため作用が持続しやすい特徴があります。この特性により、1日1-3回の服薬で安定した効果が得られます。
参考)https://www.cocorone-clinic.com/column/diazepam.html
現在のセルシンとジェネリック医薬品の薬価を比較すると、大幅なコスト削減効果が確認できます。
参考)https://www.kegg.jp/medicus-bin/similar_product?kegg_drug=D00293
先発品(セルシン)の薬価:
主要なジェネリック医薬品の薬価:
参考)https://www.kegg.jp/medicus-bin/similar_product?kegg_drug=DG01914
ジェネリック医薬品を選択することで、2mg錠では約5%、5mg錠では約38%のコスト削減が可能です。年間使用量が多い患者では、この薬価差が医療費に大きく影響します。
日本では、ジェネリック医薬品の承認に際して厳格な品質・有効性・安全性の評価が行われています。セルシンのジェネリック医薬品についても、生物学的同等性試験により先発品との治療学的同等性が確認されています。
参考)https://www.pmda.go.jp/files/000143571.pdf
品質管理の重要ポイント。
複数のメーカーから供給されるジアゼパムのジェネリック医薬品は、いずれも先発品と同等の品質基準をクリアしており、臨床効果に差はないとされています。ただし、賦形剤の違いにより、まれに患者によっては効果や副作用の感じ方に差が生じる場合があります。
セルシンおよびそのジェネリック医薬品使用時の副作用管理は、医療安全の観点から極めて重要です。
参考)http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1124017.html
主要な副作用と頻度。
高リスク患者群への配慮。
参考)https://www.carenet.com/drugs/category/hypnotics-and-sedatives-anxiolytics/1124017F4049
奇異反応として、特に高齢者や小児で興奮、多弁、混乱、幻覚などの症状が現れることがあります。このような症状が認められた場合は、直ちに服薬を中止し、代替薬への変更を検討する必要があります。
参考)https://asitano.jp/article/7980
ベンゾジアゼピン系薬物は身体依存性および精神依存性のリスクを有するため、長期使用には特別な注意が必要です。
依存性発現のメカニズム。
GABA-A受容体の感受性低下により、同一用量では効果が減弱し、増量や使用継続への衝動が生じます。一般的に4-6週間以上の連続使用で依存のリスクが高まるとされています。
依存性予防策。
離脱症状への対応。
セルシンの急激な中止により、不安の増強、不眠、けいれん、振戦などの離脱症状が現れる可能性があります。中止時は25%ずつ2週間間隔で漸減し、必要に応じて他剤への切り替えを検討します。
臨床現場での工夫。
ジェネリック医薬品への変更時も依存性のリスクは同等であるため、患者への十分な説明と定期的なモニタリングが重要です。薬価の安いジェネリック医薬品の使用により、長期間の薬物治療が経済的負担となることを防ぎ、適切な治療継続を支援できます。