販売中止になっても、エルカルニチンFF錠250mgは塩化物300mgと用量が一致しません。
参考)http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~yakuzai/de0054.pdf
レボカルニチン塩化物錠は、複数のジェネリックメーカーが2022年から2023年にかけて相次いで製造販売を中止しました。 ヨシンド(YD)、日医工、フソーなど後発品各社が「諸般の事情」や「在庫消尽」を理由に供給を終了しており、医療現場への影響は決して小さくありませんでした。yoshindo+1
中止の背景には日医工をはじめとする後発品メーカーの製造品質問題や経営再編の影響があると考えられています。いわば後発品業界全体の構造的な問題が一気に表面化したタイミングでした。
以下に各社の販売中止時期をまとめます。
| 製品名 | 在庫消尽・出荷停止時期 | 経過措置期限 |
|---|---|---|
| レボカルニチン塩化物錠100mg/300mg「YD」 | 2023年1月(300mg)、在庫無し(100mg) | 2024年3月末日見込み |
| レボカルニチン塩化物錠300mg「日医工」 | 2023年1月出荷停止 | 別途案内 |
| レボカルニチン塩化物錠100mg/300mg「フソー」 | 諸般の事情により販売中止 | − |
経過措置期限の2024年3月末以降は、これらの製品コードでの保険請求ができなくなる点に注意が必要です。 つまり在庫があっても請求できないということですね。
また、先発品の「エルカルチン錠100mg・300mg」についても、2016年3月31日に経過措置期間が終了し販売中止となっています。 後発品が唯一の入手手段だった時期もあったわけです。
参考)https://www.gifu-upharm.jp/di/mm/iform/2g/i1145352302.pdf
ここが最も重要なポイントです。エルカルチンFF錠は有効成分が「フリー体のレボカルニチン」であり、旧来の「レボカルニチン塩化物」とは化合物として異なります。cc.yamaguchi-u.ac+1
具体的な換算はこうなります。
「300mgから250mgに変更すればいい」という単純な話ではありません。 含量が約83%に相当するフリー体であることを理解した上で処方設計をする必要があります。透析患者など体重あたりの用量設定が厳密に求められる場面では、この差が治療効果に影響することがあります。
透析に伴うカルニチン欠乏症では、体重1kgあたり10〜20mgのレボカルニチン(フリー体換算)を透析終了時に投与するのが基本です。 塩化物換算から切り替える際は、投与量の再計算が必要になります。これは見落としがちな盲点です。
参考)https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/carnitine2018_Public%20Comment.pdf
参考として、エルカルチンFF錠の添付文書には上記の換算注記が明記されています。処方変更前に必ず確認してください。
岐阜薬科大学附属病院:エルカルチンFF錠添付文書(販売中止・用量換算の注記あり)
経過措置期限とは、販売中止になった医薬品の薬価収載コードで保険請求できる猶予期間のことです。この期限を過ぎると、仮に在庫があったとしても、保険請求上は算定できなくなります。
レボカルニチン塩化物錠「YD」の経過措置期限は2024年3月末日が見込みとして案内されていました。 実際の現場では「まだ在庫があるから大丈夫」と思い込んでいると、請求時に査定を受けるリスクがあります。期限が来たら請求不可、が原則です。
参考)https://www.yoshindo.jp/db/pdf/etc_221006_01.pdf
令和6年(2024年)3月31日限りで廃止となる経過措置医薬品のリストには、「レボカルニチン塩化物錠100mg『日医工』」(薬価コード:622466401)も含まれています。 電子カルテや薬局のマスタ更新が間に合っていない場合、算定エラーや査定につながりかねません。
具体的な対応として、以下を確認することをおすすめします。
令和6年3月31日経過措置終了品目一覧(レボカルニチン塩化物錠「日医工」含む)
透析患者はカルニチンが体内で欠乏しやすい状態にあります。理由は3つあります。
これら3つが重なることで、透析患者の多くがカルニチン欠乏症のリスクを抱えています。 欠乏すると倦怠感・筋痙攣・貧血・心機能低下といった症状が出ることが知られています。 症状が多岐にわたるため、見落とされやすいです。
参考)http://www.jinkoutouseki.jp/study/study_hd_no02.pdf
レボカルニチン塩化物の経口錠が販売中止となった現在、主な選択肢はエルカルチンFF錠(100mg・250mg)またはエルカルチンFF内用液10%・静注製剤です。 透析患者では「透析終了時に静注」という投与ルートも重要な選択肢です。otsuka-elibrary+2
後発品についても、2023年8月に東和薬品・共和薬品の「レボカルニチンFF錠100mg・250mg『トーワ』」が承認・発売されており、先発品エルカルチンFFの代替として使用できます。 これは使えそうです。
参考)Redirecting to https://med.tow…
透析患者へのレボカルニチン投与と貧血改善効果に関する研究報告
一般的に「レボカルニチン=透析患者の薬」と思われがちですが、実はプロピオン酸血症・メチルマロン酸血症などの先天性代謝異常症においても必須の治療薬です。 成人の透析患者と違い、小児では体重あたりの投与量が非常に多くなるため、安定供給は生命に直結します。
参考)レボカルニチン製剤「エルカルチン®錠」 カルニチン欠…
エルカルチン錠(塩化物)は1990年に「プロピオン酸血症・メチルマロン酸血症におけるレボカルニチン欠乏の改善」として承認されたのが最初です。 その後2011年に「カルニチン欠乏症」全般へと適応が拡大されました。 適応の歴史が意外に古いのですね。
後発品の塩化物錠が次々に販売中止になった影響で、小児の代謝疾患患者の主治医は内用液製剤や先発品FF製剤への切り替えを余儀なくされました。
こうした「透析以外の患者」への影響は、販売中止対応の中でも見落とされやすい論点です。医療機関では小児科・代謝内科との連携を確認しておくことが、今後のリスク管理として重要です。
小児の代謝疾患診療にかかわる先生方は、日本小児科学会が公表している「カルニチン欠乏症の診断・治療指針2018」も参照されることをおすすめします。
日本小児科学会:カルニチン欠乏症の診断・治療指針2018(用量・適応の詳細あり)

【医師監修】 ジャックス JAKS カルニチン 23,000mg 1日あたり767mg ダイエット 180粒 約30日分 PREMIUM 25種類の強力サポート成分 EAA 9種の必須アミノ酸 HMB カプサイシン コエンザイムQ10 αリポ酸 ヒハツ ビタミン11種類 ロイシン イソロイシン トレオニン メチオニン トリプトファン ヒスチジン フェニルアラニン リジン バリン サプリメント 国内GMP認定工場