先発品だから後発品と自由に代替できると思っていませんか?オキシコドン徐放錠の先発は、後発品では代替できない「慢性疼痛適応」を唯一持っています。

オキシコドン徐放錠の先発品は、シオノギファーマ株式会社が製造販売する「オキシコンチンTR錠」です。 規格は5mg・10mg・20mg・40mgの4種類があり、有効成分はオキシコドン塩酸塩水和物です。
関連)https://www.gifu-upharm.jp/di/mdoc/iform/2g/i1165242411.pdf
薬価はオキシコンチンTR錠5mgが1錠121.4円、10mgが233.6円となっています。 これは後発品と同等の薬価帯に設定されている規格もあり、単純に「先発だから高い」という常識は必ずしも当てはまりません。
関連)https://www.kegg.jp/medicus-bin/similar_product?kegg_drug=DG00813
1日2回(12時間ごと)の経口投与が基本です。 癌性疼痛に対しては1日10〜80mgを2分割、慢性疼痛に対しては1日10〜60mgを2分割投与します。 つまり癌性疼痛と慢性疼痛で上限用量が異なる点が重要です。
関連)https://www.rad-ar.or.jp/siori/content/content_file/1510.pdf
もともとの承認は2003年(平成15年)4月16日で、癌性疼痛への適応からスタートしました。 その後、2020年10月29日に慢性疼痛への適応が追加承認されています。 この承認の経緯が、先発と後発の決定的な違いにつながります。
関連)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=70115
最も重要な点はここです。慢性疼痛の適応を持つのはオキシコンチンTR錠(先発)のみです。
後発品であるオキシコドン徐放錠NX「第一三共」は、乱用防止製剤として承認されていますが、慢性疼痛の適応はありません。 一見同じ「オキシコドン徐放錠」に見えても、使える病態が根本的に異なります。これが原則です。
慢性疼痛への処方には、さらに追加要件があります。 具体的には以下の手順が義務付けられています。
関連)https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/iryo_hoken/yakka/000165743.pdf
この講習未受講の医師が慢性疼痛に処方することは認められていません。 処方前に受講状況を確認するのは薬局側にも求められる対応です。
関連)https://www.pmda.go.jp/drugs_reexam/2026/P20260213002/343018000_22900AMX00751_A100_1.pdf
慢性疼痛患者に安易に後発品を調剤することは、適応外使用に相当する可能性があります。処方箋の内容だけでなく、患者の病態と処方医の要件を照合する習慣が必要です。
オキシコンチンTR錠の「TR」はTamper Resistant(改ざん防止)の略です。 これは単なるブランド表記ではなく、製剤そのものに物理的・化学的な乱用防止技術が組み込まれています。
関連)https://www.gifu-upharm.jp/di/mdoc/iform/2g/i1165242411.pdf
| 製品名 | 乱用防止機構 | 癌性疼痛 | 慢性疼痛 |
|---|---|---|---|
| オキシコンチンTR錠(先発) | 物理的改ざん防止(TR技術) | ✅ | ✅ |
| オキシコドン徐放錠NX「第一三共」(後発) | ナロキソン配合(NX技術) | ✅ | ❌ |
| オキシコドン徐放カプセル「テルモ」(後発) | なし(通常製剤) | ✅ | ❌ |
関連)https://www.hsp.ehime-u.ac.jp/medicine/wp-content/uploads/202011-1DInews.pdf
一般名処方されたオキシコドン徐放錠の調剤は、処方箋の記載によって可否が完全に分かれます。 現場での混乱が起きやすいポイントです。
関連)https://www.hsp.ehime-u.ac.jp/medicine/wp-content/uploads/202011-1DInews.pdf
処方箋に記載された一般名と調剤可能製剤の対応は以下の通りです。
関連)https://www.spch.izumo.shimane.jp/hospital/org/pharmacy/pdf/20191226okisikodon.pdf
「乱用防止製剤」という表記の有無が分岐点です。 この記載がない処方箋にNX製剤を調剤してしまうと、処方意図との不一致が生じます。疑義照会が必要な場面です。
関連)https://www.hsp.ehime-u.ac.jp/medicine/wp-content/uploads/202011-1DInews.pdf
在庫の都合でオキシコドン徐放錠(通常製剤)で対応したい場合、乱用防止製剤指定の処方箋では必ず疑義照会が必要です。 在庫不足を理由に製剤特性の異なる薬を代替することは認められません。
関連)https://www.spch.izumo.shimane.jp/hospital/org/pharmacy/pdf/20191226okisikodon.pdf
参考:処方箋の一般名記載と調剤可否についての詳細な通知内容
愛媛大学医学部附属病院 薬剤部:オキシコドン徐放錠NX「第一三共」に関する注意喚起(PDF)
2024年10月から、後発品がある先発品を患者が希望した場合に「選定療養費」として差額が加算される制度が始まりました。 この制度はオキシコドン徐放錠にも適用されます。
関連)https://www.chunichi.co.jp/feature_pages/sentei
ただし、オキシコンチンTR錠(先発)には慢性疼痛という後発品にない適応があります。医師が医学的理由でTR錠を選択した場合は選定療養費の対象外となります。 この点を患者に正確に説明できるかどうかが、医療従事者の信頼につながります。
関連)https://www.chunichi.co.jp/feature_pages/sentei
具体的には、慢性疼痛の診断で処方される場合は先発品を選択することが医学的必然であり、患者への余分な費用負担は発生しません。がん性疼痛の場合はNX後発品も適応を持つため、先発品指定には理由の記載が必要になる場面もあります。これが条件です。
処方箋に「先発品希望」と記載されている場合と「医療上の必要性あり」と記載されている場合では、患者の自己負担が変わります。 処方医と薬局が連携して、患者負担を不当に増やさない記載方法を徹底することが重要です。
関連)https://www.chunichi.co.jp/feature_pages/sentei
また、癌性疼痛患者の多くは末期状態であり、経済的負担を最小化する視点が特に重要です。先発品の使用が医学的に必要な場合は、その根拠を処方箋に明確に記載する習慣を持つことが、患者保護につながります。
参考:オキシコンチンTR錠の再審査報告書(PMDA)— 先発品の適応・承認条件の詳細が確認できます
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA):オキシコンチンTR錠 再審査報告書(PDF)
参考:慢性疼痛への適応追加承認と処方要件の通知内容
厚生労働省 東海北陸厚生局:保医発1029第4号(オキシコンチンTR錠慢性疼痛適応追加に関する通知)(PDF)
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