オキシブチニン塩酸塩錠は尿失禁・尿意切迫感・頻尿の治療薬で、抗コリン作用により膀胱平滑筋の収縮を抑制し、膀胱容量を増加させる効果があります。
臨床試験では、神経因性膀胱患者で47.1%、不安定膀胱患者で60.0%の改善率が報告されています[1][2]。
作用発現は比較的速やかで、用量依存的にCmaxやAUCが増加し、1~2時間以内に血中濃度が最大となります[3]。
副作用発現頻度は24.5%で、主な副作用は口渇(14.2%)、尿閉(3.8%)、下痢、胸やけ、排尿困難(各1.9%)などが報告されています[3][1][2]。
重大な副作用には血小板減少(0.1%未満)、麻痺性イレウス、尿閉があり、発現時は速やかな投与中止と適切な処置が必要です[1][2][4][5]。
その他、めまい、眠気、頭痛、頻脈、便秘、腹部膨満感、発疹など多岐にわたるため、観察が重要です。
抗コリン作用により、認知機能障害や抑うつが頻度不明ながら報告されています[3][1][4][5][6]。
高齢者や基礎疾患を有する患者では特に注意が必要で、せん妄や記憶障害のリスクが高まることがあります。
精神神経系の副作用としては、めまい、眠気、頭痛、しびれ、振戦も挙げられます。
抗コリン作用を有する薬剤(三環系抗うつ剤、フェノチアジン系、モノアミン酸化酵素阻害剤など)との併用で副作用が増強されるおそれがあります[3]。
口内乾燥、便秘、排尿困難、目のかすみ等が現れるリスクが高まるため、慎重な投与判断が必要です。
また、重篤な消化管閉塞や排尿障害を有する患者には禁忌となっています。
臨床成績や副作用頻度の詳細については、KEGG MEDICUS(添付文書)に詳しく記載されています。