液体窒素治療直後、施術部位は-196℃の極低温により瞬間的に凍結されます 。治療直後から24時間以内に、イボとその周辺組織に特徴的な変化が現れ始めます。
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まず治療部位は白く変色し、数時間後には赤みを帯びた腫れが生じます 。この反応は液体窒素による細胞の凍結壊死と周囲組織の炎症反応によるもので、治療が適切に行われている証拠です 。
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治療後1〜2日目には、多くの場合で水ぶくれ(水疱)や血豆が形成されます 。東京医科大学皮膚科の研究では、水疱形成は液体窒素治療の約70〜80%のケースで観察される正常な反応とされています 。この水疱は、イボの下に形成されることが治療効果の良い兆候とされ、ウイルス感染細胞の除去プロセスが始まっていることを示しています 。
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治療後3〜5日目になると、水疱の内容液が透明から混濁に変化し、水疱壁も厚くなってきます 。この段階では痛みはほぼ消失し、軽度の圧痛のみが残存することが一般的です 。
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4〜5日目には水疱が自然に破綻することがあり、内容液の減少とともに痂皮(かさぶた)の形成が開始されます 。この時期に重要なのは、水疱を意図的に破ったり触ったりしないことです。ウイルスが他の部位に拡散するリスクがあるためです 。
参考)冷凍凝固療法(液体窒素) 
6〜7日目には痂皮の完全形成と一部の自然脱落が始まります 。イボ組織は黒変し、周囲からの剥離が開始されるとともに、大きさの減少も観察されます 。国立国際医療研究センターの皮膚科医によると、この段階でイボの中心に見られる黒い点々(血栓化した毛細血管)が減少することは、治癒が順調に進んでいる重要なサインです 。
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治療後2週間目には新しい皮膚の成熟が進み、色調の正常化への進行と厚みの増加が観察されます 。この時期にイボの大幅な縮小または消失が確認され、残存部分の評価が行われます 。
小さなイボ(5mm以下)では70〜80%、中等度のイボ(5〜10mm)では50〜60%、大きなイボ(10mm以上)では30〜40%が1回の治療で完治するとされています 。完全治癒に至らない場合でも、著明な縮小や表面の平滑化が見られることが多く、追加治療の検討が行われます 。
3〜4週間後には、治療効果の最終評価が行われます 。完治例ではイボの完全消失と正常皮膚の再生、色素沈着の軽減が確認されます。部分的改善例では、イボの著明な縮小と表面の平滑化により、日常生活への支障が大幅に軽減されます 。
液体窒素治療の成功率は治療回数と密接な関係があります。皮膚科学会のガイドラインによると、通常の液体窒素療法では5回の治療で39%の患者がイボを消失させています 。
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より効果的な治療として、液体窒素を10秒間連続で行う方法では、5回で64%の患者がイボを消失させることが報告されています 。ただし、この方法では約20%多くの患者で水ぶくれや痛みなどの副作用が生じることも確認されています 。
治療回数の目安として、イボがなくなるまでの期間は「3〜6ヶ月くらい」、回数では「5〜10回くらい」が一般的とされています 。特に足底のイボは治療が困難で、10回以上の治療を要する場合もあります 。治療間隔は通常1〜2週間ごとが推奨され、3週間以上空けるとイボが再活性化する可能性があります 。
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液体窒素治療後の適切なアフターケアは、治癒促進と合併症予防において極めて重要です。東京医科大学皮膚科の研究では、適切なアフターケアを行った患者の治癒率が約20%向上することが報告されています 。
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治療部位の清潔維持は最も基本的なケアです。治療後24〜48時間は処置部位を優しく石鹸で洗い、清潔な水ですすぐことが推奨されます 。ゴシゴシこするような刺激は厳禁で、自然な治癒過程を妨げる可能性があります 。
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水疱保護においては、形成された水疱を針などで人為的に破ることは避けるべきです 。水疱は治癒プロセスの正常な一部であり、抗菌軟膏を薄く塗り、清潔なガーゼで保護することが適切です 。自然に破れた場合は、ガーゼで保護し、しばらくすると乾燥してかさぶたになります 。
日焼け防止対策も重要な要素です。治療部位は紫外線に対して敏感になっているため、SPF30以上の日焼け止めを使用し、直射日光を避けることで色素沈着を防げます 。帽子や日傘の使用も効果的な対策として推奨されています 。