アロプリノール錠の効果と副作用を徹底解説・注意点

アロプリノール錠は高尿酸血症や痛風の治療に広く用いられる薬剤で、キサンチンオキシダーゼ阻害作用により体内の尿酸生成を抑制します。これにより血清尿酸値が低下し、痛風発作や尿酸結石の予防に寄与します[1][2][3]。

• 尿酸の生成酵素（XOR）を阻害し、プリン体代謝の最終産物である尿酸の産生を減少させる
• 高尿酸血症の管理、痛風発作の予防、腎障害リスクの低減など幅広い適応
• 分割投与が副作用リスク低減に有効とされる新知見も報告されています[3]

患者向け薬効解説（くすりのしおり）

アロプリノール錠の副作用は多岐にわたり、特に皮膚症状や臓器障害には厳重な注意が必要です[4][2][5][6]。

• 皮膚症状：発疹・かゆみ・蕁麻疹などが比較的多く、重篤な場合は中毒性表皮壊死融解症（TEN）やStevens-Johnson症候群（SJS）、薬剤性過敏症症候群（DIHS）に進行することも[2][5][6]
• 消化器症状：食欲不振、胃部不快感、軟便、下痢など[4][6][7]
• 肝機能障害：AST/ALT/γ-GTP上昇、全身倦怠感、黄疸、尿の色調変化など[2][5][6]
• 血液障害：白血球減少、血小板減少、貧血、汎血球減少など[4][5][6][7]
• 腎障害：腎不全、間質性腎炎、腎機能悪化など[2][5][6]
• その他：脱毛、眠気、めまい、無菌性髄膜炎、横紋筋融解症など[4][6][7]

副作用詳細（速薬コラム）

服用開始時や特定患者層での注意点も重要です[4][2][5]。

• 過去にアロプリノールや類似薬で過敏症の既往がある場合は禁忌
• 肝機能・腎機能障害のある患者では用量調整や慎重投与が必要
• 高齢者、妊婦、授乳婦、小児ではリスクとベネフィットの慎重な評価が必要
• 服用開始直後は痛風発作（尿酸移動性発作）が起きやすく、コルヒチン等の抗炎症薬併用で予防することがある[4]
• 眠気やめまいが生じた場合は自動車運転や危険作業を避ける

服用時の注意点・禁忌（うちからクリニック）

副作用の早期発見には、患者指導と定期的な検査が不可欠です[2][5][8]。

• 発熱、発疹、全身倦怠感、食欲不振、黄疸、尿量減少などは重篤な副作用の初期症状
• 服用中は定期的な血液検査（肝機能・腎機能・血球数）を必ず実施
• 皮膚症状や粘膜症状が出た場合は直ちに服薬中止し、医師へ相談
• 患者への副作用初期症状の教育が重篤例の早期対応に直結

添付文書（PMDA）

最新の研究では、アロプリノールの効果を最大化し副作用を最小化するために、少量分割投与が有効であることが示唆されています[3]。

• 単回大量投与よりも、少量を複数回に分けて投与することで、血中オキシプリノールの蓄積を抑制し、副作用リスクを低減
• 腎機能障害患者ではオキシプリノール蓄積による副作用増加に注意
• 尿量確保（1日2L以上の水分摂取）が推奨されているが、これを怠ると腎障害リスクが上昇する[7]
• 海外報告では長期服用例で白内障発症リスク上昇の指摘もあり、長期的な全身管理が重要[7]

分割投与・作用機序の最新知見（東薬大ニュース）