あなたが「片方の瞳孔が2mm違っても正常範囲」と思っているなら、患者を危険にさらしているかもしれません。
生理的アニソコリアは人口の約20%に見られますが、病的との判別は容易ではありません。例えば脳動脈瘤、頭部外傷、ホルネル症候群などが差を生じさせます。光反射が正常かどうかで判断しがちですが、それだけでは不十分です。つまり光反射だけでは診断がつかないということです。明室・暗室で差を確認することが条件です。
検査では照度、薬剤使用歴、瞳孔径測定の正確性が重要になります。新品の瞳孔計でも誤差±0.5mmがあります。つまり器具依存性にも注意です。瞳孔径は記録するだけでなく、患者の画像として残しておくと後日比較がしやすいです。異常を疑う場面では、「瞳孔反応が正常でも左右差が1mm超」で注意すれば大丈夫です。
脳動脈瘤や脳出血の初期徵候として出ることがあります。特に眼瞼下垂や複視を伴う場合は要警戒です。CTよりMRIの方が診断率が高いのが基本です。症例では1件あたり検査費約3万円かかりますが、見逃しによる治療費はその10倍近くになることもあります。費用差より命のリスクを考えるべきです。
点眼薬によるアニソコリアは、1mm前後の差で一時的に見られることがありますが、24時間以上続いた場合は副交感神経障害が疑われます。つまり時間経過で判断することが原則です。ピロカルピン反応がない場合は特に注意が必要です。どういうことでしょうか?これは受容体障害による瞳孔反応低下なのです。
研修医や若手医師は「アニソコリア=正常の可能性が高い」と思い込みがちです。しかし診断を誤ると訴訟リスクが高い分野でもあります。神経眼科の研修で学ぶ症例のうち、アニソコリア関連の誤診率は約15%。これは教育設計の不足が原因です。つまり初期教育が欠けているということですね。今後は症例検討で「病的アニソコリア例」を必ず含めるべきです。
参考リンク(病的アニソコリアの診断基準に関する部分):
日本眼科学会「瞳孔異常の診断と対応」公式ガイドラインページ — 病的アニソコリア診断の基準と臨床対応が詳しく記載されています。
日本眼科学会|瞳孔異常の診断と対応